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家族で異世界生活  作者: しゅむ
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01. 初めての飛行機で家族旅行

家族で異世界生活を発掘、発見して頂きありがとうございます。


私の文字を書く技術は未熟も未熟。初めて私の中の妄想を文字にしました。

私の作品が期待に応えられなかった場合は申し訳ございません。


他の皆様の作品は大変素晴らしい物です。諦めず発掘を続けて頂けたらと思います。


あなたの隙間時間を良い時間で埋める事が出来たら幸いです。

 ズシャアアアア!! っと大きな音をたてて旅客機が広い草原へと着陸する。

 着陸成功の歓喜や安堵の声で機内の乗客たちが騒然とする中、とある家族は眠りから覚めない父親を心配していた。


 黒髪をポニーテールで纏めた130cm程の可愛いらしい女の子が母親に向かって愚痴を零す。

「ねぇ。なんでお父さん起きないの? 結構揺れたし、こんなにうるさいのに」


 母親と話しながらも父親をペチペチ叩いたり、揺すったりして父親を起こそうとしている。

 女の子の席は通路側にあり、通路を越えたすぐ先に父親の席がある為、頻繁に歩み寄っては起こそうと試みているが、父親が目覚める気配は無い。


 母親は困ったような表情で口を開く。

「ん~。優剛(ゆうご)は起こしても起きないのよね。それに無理に起こすと怒るし……」


 昔はカッコイイ&可愛いと評判の恵まれた容姿を持っていたが、現在は少しふっくらしており、カッコイイ成分は消えてしまっている。

 優剛に『運動して痩せた方が良い』と言われては、『まだ大丈夫』と強がっている。

 何が大丈夫なのか優剛にはいつもわからないが、それ以上は自分の平和の為に口を噤んでいる。


 可愛いという長所のみが残っている妻は、10年を超える夫婦生活で優剛を無理に起こすのは諦めの境地に至っている。

 普段は温厚で優しい優剛を無理やり起こすと非常に機嫌が悪い。その大きなギャップに少し恐怖感すら覚えるほどだ。


 母親は諦めずに優剛の身体を揺する娘に告げる。

由里(ゆり)も諦めなさい。その内、起きるわよ」


 母親は優剛が叩かれた際に時折『ぅぅん』と、小さく声を出しているので、いつも通りだと若干安心しているが、不安もあるため早く起きて欲しい気持ちは由里と同じである。


 諦めている母親と違って娘は叫ぶように訴える。

「えぇぇ! 不時着だよ!? これからどうなるの!?」

「でも起きないからねー」


 母親は『はぁー』っと溜息を吐き出して、ジト目で夫の優剛を睨む。


 困り果てる母親と姉を見たギャングエイジの5歳の弟が席を立つ。黒髪短髪だが、母親譲りの可愛い成分を見事に引き継いで、女の子の様な顔をした弟が窓際の席から通路に出る。


 優剛の足に密着するほど歩み寄ると、ゆっくりとボクシングのファイティングポーズで構えを取る。


「はぁ!!」


 ギャングエイジの弟は長身細身のシスコンボクサーのような見事なチョッピングライトで、男の急所である股間に向けて右の拳を打ち下ろした。


 優剛が『きあぅ!!』と謎の声をあげた時、隣の席の男性も何事かと視線を向けてくる。

 その視線の先ではギャングエイジの右の拳が、優剛の股間に突き刺さっている場面を目撃してしまう。


 さらに、優剛の隣の男性は痛みを想像したのか股間を手で押さえて小さく呟く。

「オゥ……ジーザス……」


 しかし、男の痛みは男にしかわからない。

「ナイスよ。真人(まこと)!」


 痛みに悶える優剛の状況をチャンスと見たのか由里が駆け寄ってきて、真人の横をすり抜けて優剛の正面に立つ。

 そして、優剛の頭を掴んで思い切り左右に振った。優剛の髪の毛が数本抜けても気にする様子は無い。


 隣の男性はそんな優剛を見続けてしまう。

「オォ……ノォ……」


 隣の男性が何やら呟いているが、由里や真人は言語がわからず伝わらない。そして、機内の喧騒にかき消されて聞こえている者はいない。


 鎖骨のやや下まであるウェーブがかかった黒に近い茶色の髪を触り、悪い笑顔でニヤついた顔の妻は心の中で真人と由里を褒めてそのまま静観する。


 声にならない声を出しながら優剛は目を開く。

「んぁぅ」


 それを確認した由里は手についてしまった数本の毛を払いながら、再び優剛が目を閉じないか見張るように見つめる。


 優剛はギャングに殴られた股間を片手で押さえ、もう片方の手は頭を守るように腕で覆う。そして、座ったまま頭を膝に近づけるように丸くなり、ゆっくり前後に揺れて奇妙な呻き声を上げ続ける。


「あぁ……はぁ……あぅ……ひぐぅ……」


 優剛の呻き声は周りの喧騒にかき消されて、近くにいる由里でも何を言っているのかわからないほどであった。


 --------------------

 時は遡り、不時着の未来が待つ旅客機が空高く飛び立つその瞬間、優剛は初めての離陸が終わり若干興奮気味でいた。


「おぉー! 麻実(まみ)! 耳が痛い! 耳が痛いよ! キーンってする!」


 優剛にとって初めての飛行機での空気圧の変化による耳の不快感は興奮の方が勝って、辛そうな様子はなく、楽しそうに自分の状況を妻である麻実に伝えている。


 36歳にもなって飛行機に乗った経験が無い事を本人は『機会が無かっただけ』と笑いのネタにも変えていたが、ずっと乗りたかったという気持ちは旅行前からの様子で麻実に伝わっていた。


 優剛が子供の頃にテレビで観た『ビーフ or フィッシュ』の質問に『ビーフ』と答えるのが、その時からの憧れでもある。


「ん~。耳抜きって結構難しいね。シートベルトは外して良いのかな?」


 優剛があっさりと耳抜きを成功させて違和感を解消しているのが麻実としては少し面白くない。

 麻実は離陸前の説明を聞いていなかったのかと問い詰めたい事を抑えて、前方のシートベルトランプを指差しながら告げる。


「あそこがグリーンになったら外して良いんだよ」

「ほほぉ~」

「耳が変」


 涙目で優剛に訴える真人は初めての耳の違和感に襲われて、優剛と同じように楽しむ余裕はないようだ。

「ん?飴は舐めている?」

「うん。ほらっ」


 真人は口を開けて舐めている飴を見せつける。

 離陸前に耳の違和感防止の為に子供たちには飴を与えていたが、それでも違和感は出てしまったようで優剛は少し落ち込む。


 優剛は鼻を指で摘まんで口を開く。

「鼻と口から空気が出ないように『ふぅぅー!』って息を吐き出すんだよ」

「それじゃあ空気が出ないよ!」


 優剛は抗議してくる真人を気にせずに耳抜きの説明を続ける。

「耳から出るんだよ。ほらほら、やってみな」

「んぅぅー」


 空気を耳から出そうと顔が赤くなった真人の顔が緩んだ。

「あっ。治ったかも」

「ぷはぁ!」


 そんな真人の横からっと息を吐き出す音と共に、話を聞いていたであろう由里も耳抜きが出来たようだ。」

 しかし、二人とも耳に違和感が残っているのか、ワシワシ自分の耳を両手で擦っている。


 優剛は通路を挟んだ隣に座る麻実に尋ねる。

「この後は『ビーフorフィッシュ』だよね?」


 シートベルト着用のランプが消えてシートベルトを外しながら、子供の様な笑顔で麻実に質問するのはいい大人の優剛である。


 麻実は若干呆れが含まれた表情で優剛に視線を向ける。

「あぁ。うん。そうだね」


 童顔から発する優剛の質問は卒業旅行を楽しむ大学生のようで、呆れながらの回答になるのも当然であろう。麻実は優剛の容姿を好んでいるが、自分の体型がふっくらしてきた事もあり、優剛の細身の体型が維持されている事を快く思っていない。


 優剛の容姿は非常に細身でスラっとした体型と童顔から、真人の保育園の送り迎えの時に、すれ違う奥様方を魅了し続けている。


 しかし、本人は骨太な男性に憧れているため細身の体型を少し気にしている。ない物ねだりである。


 優剛が真人の送り迎えなどで周囲の視線を気にする様子は無い。

『外では自分の子供しか見てないから、周りの大人は見てない』と子煩悩なパパさんである。そういった面も優剛の魅力を引き上げている事には気が付いていない。


 やがて客室乗務員がやって来るが、最初に聞かれるのは飲み物である。

 その時の優剛は少し残念そうな顔をしていたが、飲み物を受け取ってしばらくすると、遠くで客室乗務員が乗客に何かを聞いているのが見えてくる。


 今度こそ『ビーフ orフィッシュ』かと、どの様な会話なのか乗客と客室乗務員の会話に集中する優剛だが、それを由里が阻止する様に話しかけてくる。


「夢と魔法の王国は、どれ位で着くの?」

「大体14時間くらいかな?」

「長いねー。寒い?」

「んー。季節的には日本と同じだから寒くはないと思うよ」


 数年に1度訪れる9月の大型連休中だ。現地でも少し夏の暑さが残るくらいであろう。

 機内の乗客も半袖のTシャツや薄い上着を羽織る等の薄着が目立っている。

 優剛はTシャツの上に長袖のYシャツの袖を折り畳んで半袖にして羽織っている。


「まぁ暑くても寒くても、キャラクターがプリントされたTシャツ買って着ようよ」


 優剛は王国以外で着るには少し恥ずかしいキャラクターが大きくプリントされた服を購入して一緒に着ようと由里に伝える。


 そして、嬉しそうにしている娘を見ながら続ける。

「同じの買って着ようね」

「嫌だよ。真人と同じ服にしなよ」


 ノータイムでの拒絶に優剛は麻実に助けを求める。

「うおぉぉん。麻実ーー」


 優剛は絶望の表情を浮かべて、麻実に話を振って説得に協力してもらおうかと考えたが、それは叶わない。

「由里は私と同じ服を着るんだよね」

「「ねぇー」」

 麻実と由里は仲良く声を揃えて優剛の望みを粉砕してくる。既に二人は事前に購入する服も決めていたようだ。


 そんな落ち込む優剛に真人が声を掛ける。

「ボクはお父さんと、同じ服を着ても良いよ」

「真人ぉぉぉ!」


 しかし、すぐに裏切られてしまう。

「でも、お母さんと同じ服も着たいな」

「え……待って……僕だけ違う服は着ないよ……?着ないからね……。みんなで同じ服を着れば良いじゃないか……」


 3人の同時攻撃で優剛に与えたダメージは大きく、小さな声で3人に伝えるのが精一杯であった。


 その後も到着したら、やりたい事や乗りたいアトラクション等を話していると横から声をかけられて、遂に優剛が待ち望んでいたその時がやってきた。


 しかし、優剛は客室乗務員の話が想定とは違っていて困惑している。


 客室乗務員の言葉を要約すると『こちらのメニューからお選び下さい』なのだ。

『ビーフorフィッシュ』とは聞かれず、しかもメニューに書いてあるのは『チキン or ポークカレー』である。


 チキンはまだ理解の範疇にあったが、ポークカレーは不意打ちで、優剛の心を大きくかき乱した。


 子供たちには玩具付きのお子様セットを麻実が予約済みだった。その際に大人の食事も調べてたが、当日の食事メニューまでは特定出来なかった。

 しかし、ビーフかフィッシュのどちらかはあると思っていた麻実は良い意味で裏切ってくれた事に心の中で航空会社に感謝して、自分は優剛を笑いながらチキンを選ぶ。


 困惑していた優剛はチキンを選んだすぐ後にパンフレットなどで調べて、現在の機内食の事情を知るのは機内食が届けられる直前であった……。


 麻実は届けられたチキンの機内食を見つめながら『ビーフ』と小さく呟く優剛を見て、もう1度『クスクス』と笑うのであった。


 食事が終わってしばらくすると、照明が暗くなっていく。

 子供たちは機内サービスの動画を閲覧する事にして、それぞれが好みの映画を選んで視聴を始めている。


 寝るにはおかしな時間であるが、現地時間に合わせる為に優剛は事前に準備しておいた睡眠装備を準備して麻実に声をかける。


「麻実、寝るから席、代わってー」

「ん。良いよ」


 ここまでは真人と由里に挟まれて2人の相手をしていたが、寝る時は麻実と席を代わって貰うというのは事前の打ち合わせ通りである。


 優剛は優しい妻に感謝しつつ、席を代わって貰い、夢の中へ旅立っていく。


 真人が1つ映画を観終わったタイミングで、みんなでトイレ休憩を挟む。

 そして、戻ってきて再び新しいアニメ映画を視聴する。


 由里はシリーズ物の女の子向けアニメを順番に視聴している。


 麻実は事前に持ち込んだ雑誌でこれから行く『夢と魔法の王国』の調査や、気になっていた映画を観るなどで時間を潰していたが、やがて3人は眠りに落ちていく。


 しかし、それは奇妙な事に3人とも動画再生中の寝落ちであった……。


 真人は家族の中で最初に目を覚ました。

 母親の由里を見れば、まだ眠っており、起こさないように気を付けつつ、寝る前に観ていた映画を巻き戻して映画の視聴を再開する。


 映画が終わって再び周囲を確認すると、乗客は騒がしく、麻実と由里も目を覚ましていて何やら話をしている。


 由里は新しい動画が視聴出来ず、暇を持て余してイライラしているのが伝わってくる。

「ネット環境! 戻ってきてー!」

「機長さんもアナウンスしていたけど、機内トラブルだし仕方ないのよ」


 真人は何度もアナウンスがあったのは映画を観ながら聞こえてきていたが、映画に集中していて内容までは理解していなかった。


「ボク、トイレ行きたい」

「ん。それじゃ行こうか」

「私も行くー」

「それじゃみんなで行こっか」


 何故か起きない優剛を麻実と由里が軽く叩いてトイレに向かう。それも見た最後尾の真人も同じ様に叩いて、おまけで軽く揺すってからトイレに向かう。


 優剛は『ん』と呻いただけで起きなかったが、それはいつも通りだ。


 真人はトイレから戻ってきた時に、優剛のシートベルトを締めるという簡単なイタズラと、睡眠装備だと言っていた物を由里と一緒に取り外す。


 麻実が『アレがあるから沢山寝られる』と言っていたからだ。


 真人は一仕事終えて飲み物で喉を潤し、麻実と由里と3人で会話を始める。

 そして、インターネットに接続出来ずに、新しい映画やアニメが観られない事を麻実や由里から教えてもらった。


 真人が観ていた動画はアニメ映画でダウンロードも完了していて、最後まで視聴出来たし、巻き戻して最初から視聴可能でもあった。

 その事実を知った真人はすぐに由里から視線を外す。少し残念ではあるが、同じ映画を再び観る事にした。


 短時間で続けて観る事になるが、由里は不具合発生前に30分のアニメを観ていた様なので、そんな由里より恵まれていると言えるだろう。


 真人はアニメ映画の2回目のエンディングで立ち上がって大きく伸びをする。

「うぅー」


 声を出しながら大きく伸びをしていると由里から声をかけられた。

「ねぇ、そのアニメで良いから観たい」


 真人は由里と席を交換しても出来る事が無いであろう事はなんとなく理解できている。

 しかし、否は無い。


 由里の声色から若干の怒りを感じている。

 穏便に応じるか、強引に奪われるかの2択である事が日々の生活から容易に想像が出来た。


 真人が素直に由里と席の交換が終わった時に何度目かの機内アナウンスが響く。

 今度のアナウンスは男の人なのだと思って聞いていたが、アナウンスが終わると大人達は慌ただしく動き出す。


 真人はアナウンスの内容を正確に理解する事は出来なかったが、『不時着』それだけで真人でも不穏な内容である事が理解出来てしまうアナウンスであった。


 真人はシートベルトを締めて座っているが、見える範囲の乗客の表情を見ている。

 全員が不安そうな顔をしている中で、1人だけ暢気に眠っている優剛を見ると、何故ここまで眠り続ける事が出来るのか疑問で少しだけ不安が紛れていった。


 真人はシートベルトを締める前に由里と一緒に、優剛に声をかけて起こそうと試みたが、優剛は全く起きる様子を見せなかった。


 しかし、優剛は客室乗務員からの説明通りの姿勢を取っている。


 真人は起きているのかと疑って呼び掛ける。

「お父さん!」


 しかし、優剛は真人の声に全く反応を示さない。

 真人はこの騒ぎが落ち着いたら必殺技を使って起こす事を心の中で決意する。


 それからは諦めて静かに座っていると、大きな揺れと少しの衝撃の後で飛行機が止まった事がわかった。


『不時着は成功です』という内容のアナウンスで、乗客たちの歓声が様々な場所から聞こえてきた。


 そして、真人は本気で優剛を起こす為に席を立った。

 怪獣ごっこで優剛を倒している必殺技を打ち込む為に……。


 ――――――――――――――――――――


 真人の必殺技を股間に喰らって悶絶するように呻いていた優剛は、ようやく上半身を起こして意味のある言葉を発する。

「痛い……眠い……痛い……だるい……気持ち悪い……痛ぃぃ……痛ぃぃ……」


 優剛の訴えは痛いが多めであるが、麻実は無視して風邪の様な体調不良を心配して声をかける。

「ずっと寝てたから身体が冷えちゃった? 風邪でもひいた?」

「う~ん。痛いです。風邪ではないと思います」

「なんで敬語なのよ……」


 一仕事終えた真人は座って、客室乗務員に貰った飲み物をクピクピ飲んでいる。優秀な仕事人は無口である。


 由里は起きた優剛に告げる。

「ねぇ、お父さん! 飛行機が不時着したんだって!」

「えぇ? マジ? 不時着しちゃったの? ここ何処よ……あっ。すいません。揺らさないで」


 優剛の肩を掴んで前後に揺らしながら由里が伝えてくるので、優剛は謝りながら由里に告げた。

 とにかく股間が痛い。更にだるいし、気持ち悪いし、揺らされるのは止めて欲しいのであった。


 優剛は縋るように麻実に尋ねる。

「なんか飲み物ある?」

「私のお水があるわよ」

「ありがと」


 優剛は麻実から渡された水を一気に飲み干す。

 痛みや、体調不良は軽減しないが、頭は働くようになったと感じて状況の確認を始める。


「頭だけはスッキリしたから状況を教えて。なぜ……そう……なぜ股間が痛いのか……」

「それより不時着の事でしょ……」


 優剛は麻実に軽く睨まれるが、必殺仕事人の真人が口を開く。

「ボクのファーコンパンチだよ」

「あぁ……。アレね……」


 真人が何を観て学んだのか知らないが、乱闘するゲームのキャラクターの技の1つが気に入って、怪獣ごっこで真人が使う必殺技だ。いつも技名を言いながら優剛を殴ってくる。


 今回は不運な事に股間がターゲットにされたのだろう。


 優剛はそこまでされるほど寝ていた事に疑問を感じる。

「どれ位、寝てたの?」

「ずっとだよね! お母さん」

「私が寝る前からずっとだから、8時間くらい?」

「それは……長い。ごめんね」


 優剛は2人に謝りつつ、起こしてくれた真人に、ぐっと親指を立てて称える。

 真人の『ふふん』というドヤ顔が決まっている。


 いや……もう止めてね……あの起こし方……と、心の底から願う優剛なのであった。


最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

ご意見やご感想を頂ければ、今後の技術向上に役立てたいと考えております。


いつ終わるかわかりませんが、家族で異世界生活をどうぞよろしくお願い致します。


-------------------

2021/3/26

久しぶりに読み直したら面白かったけど、色々変だったので編集しました。

続きも時間を見つけて編集したいなぁ……。

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[気になる点] 草原に胴体着陸ですよね? 緊張感の欠片もないのが気になる
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