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兵役制度

 今回は兵役制度についてです。また、現役と予備役についても扱います。

 ただし、これも時代や国によって差異があるので、あくまでも一般的な概念を解説します。



①志願制

 国民が兵役に服する(正規軍に入隊する)かどうかの判断は、個人の自由意思によって決める事ができる制度です。つまり、最終的に兵士として認められるかどうか(まずは入隊基準を満たし、その後の訓練課程を修了する必要があるから)は別として、なりたい人だけが希望する方式です。

 一応、後述する徴兵制を採用している国家でも志願して兵士になる事は可能ですが、ここで言うところの志願制とは国家の制度として志願制を採用している場合に限ります。

 この制度のメリットには兵士の質や士気を高く保てるというものがあり、過酷な上に危険を伴う兵士に自分からなろうとする人物には総じて固い意思の持ち主が多いからです。さらに、そういった人物は長く軍に留まる傾向にあるので実地で得た経験だけでなく、ハイテク装備の普及とともに教育プログラムが高度化して長期に及ぶ現在の軍隊にも問題なく対応できました。

 反対にデメリットとしては、採用方法が民間企業と似通っているために給与などの待遇面で見劣りする部分もあり、軍が求める資質を持った人材を必要な数だけ揃えられない可能性を常に抱えています。

 もっとも、戦争形態の変化と軍隊のハイテク化による省力化は人員の定数削減をもたらし、大人数の確保を目的とした徴兵制の存在意義そのものを低下させているので、そのデメリットについては気にするような程でも無くなってきています。また、PMSC(民間軍事警備会社)の市場が拡大した事によって外部委託という形で解決する方法も現在では一般的になりつつあります。


②義勇兵

 これも個人の自主性という点では軍に志願した志願兵と同じですが、報酬(金銭)などを求めずに正規軍以外の形で戦闘に参加する人物を指します。一応、条件を満たしていれば捕虜になった際に正規軍の兵士と同様の権利を主張できます。

 もっとも、現実には表立って他国の紛争に介入できない国家が名目上の義勇兵部隊(正規軍兵士が中心だったり、国家が部隊の後ろ盾になっていたりする)を組織して送り込むケースもあり、必ずしも本来の意味で使われているとは限りません。

 また、士気高揚や名誉称号として義勇兵を名乗っている場合もあります。


③徴兵制

 国民が兵役に服する事を義務として法律で定めている制度の事です。基本的には一定の年齢に達すれば自動的に軍へと入隊させられますが、免除、あるいは本人の意思で拒否できる条件(審査をクリアする必要がある場合も含む)を設定している国も多数あります。当然、なかには拒否権など無い国もあります。

 この為、正当な理由もなく兵役を拒否した者には法律の規定に則って懲役(禁錮)刑か罰金刑が科される場合がほとんどです。

 こちらの制度のメリットは常に安定して必要な人数を確保できる事で、手っ取り早く大量に徴用するのに向いています。また、兵士としての基礎訓練を国民の大部分に施せるので特別な事をしなくても有事の際に予備戦力として活用できます。

 デメリットは本人の意思に関係なく集めているので士気の高さにバラつきが多く、兵役の義務を果たせば直ぐに除隊する者もいるので時間を掛けて育てられない事です。特に後者は、兵器のハイテク化によって兵士にも専門的な知識や技術が要求されるようになった現在の軍組織との相性が悪いです。


④現役と予備役

 現役とは、現在進行形で兵役に服している事を意味します。つまり、常備軍(平時・有事を問わずに活動している軍事組織)で職業軍人として働いている人です。

 予備役とは、基本的に退役(軍を除隊)した人の中で要請があれば兵役に復帰できる状態にある人を指します。それとは別に、条件を満たす事で現役での経験が無くても予備役になれる国もあります。なので、非常勤の兵士だと考えれば分かりやすいでしょう。

 予備役がいる事のメリットは知識や経験があるので、どうしても人手が不足する有事の際に後方支援などの任務を任せられるからです。他には、人口の少ない国が国力(国家の生産力)を維持するための労働力を守りつつ、国防に必要な人員も確保したい時に有効となる場合があります。例えるなら、普段は定期的に軍事訓練を受けながら経済活動に従事し、戦争になれば兵士として戦場に赴くといった感じです。


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