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海上交通路(シーレーン)

 今回は海上交通路シーレーンについてです。

 ただし、ここではミリタリーと多少なりとも関連性のある部分のみを簡単に解説します。



 シーレーンとは、当該国の経済活動や軍事戦略を支える上で生命線とも言える海上の航路の事で、その重要性から有事の際には最優先で安全の確保を求められるほど海洋国家(海に面した港湾を保有する国家)が意識しているものです。

 なぜなら、航空機の発達した現在においても物流の基本が遅くても低コストで大量に運べ、なおかつ重量物の輸送にも柔軟に対応できる海路だからです。その証拠に、過去に起きた戦争では相手国を経済的に疲弊させる目的で海上封鎖が行われたり、地続きでない他国への軍事侵攻では海路が重要な役割を果たしたりしています。

 さらに、情報通信の重要度が増した近代では海底ケーブル網もシーレーンを構成する要素に加えて考える傾向が見受けられます。

 もっとも、本来は道路や鉄道のある陸上と違って海上には決まった通航路など無いのですが、航海を通じた経済活動を続けている内に効率や国家間の繋がりなどで自然と多くの船舶が航行する固定化したルートが形成されてゆき、それを陸上の移動ルートになぞらえて考えるようになった事が由来です。

 ちなみに、シーレーンにおける戦略上の要衝をチョークポイントと言い、地形を始めとする様々な要因で結果的に多くの航路が集中する海峡や運河が該当します。これが重要視される背景には、海洋戦略においてチョークポイント(点)を押さえるだけで航路(線)や海域(面)を押さえるのに等しい効果があり、必要なコストに対して多くの成果が得られると考えられているからです。なので、ある意味、この発想は囲碁に近いかもしれませんね。

 そして、いうまでもなく地球の表面積の約70%は海洋が占めている関係から、ほとんどの国で経済発展を続けていく上で海洋に対する依存度が増すのは自然な流れです。また、その国がシーレーンの重要度を認識したかどうかの判断基準については、海軍の近代化や外洋への派遣を積極的に行うなどの動きから容易に推測できます。

 参考までに世界的に重要なチョークポイントを幾つか挙げると、パナマ運河(太平洋と大西洋)・スエズ運河(地中海と紅海)・マラッカ海峡(太平洋とインド洋)・ジブラルタル海峡(大西洋と地中海)・バシー海峡(太平洋と南シナ海)・ベーリング海峡(北極海とベーリング海)・ホルムズ海峡(ペルシャ湾とインド洋)・ダーダネルス海峡とボスポラス海峡(地中海から黒海)といった所でしょうか。

 こうしてみると、どれも大洋を繋ぐ重要な位置にあるものだという事がよく分かるかと思いますが、それだけに各国の利害が対立する原因となる事も少なくありません。

 事実、世界にはシーレーンの確保に関わるがゆえに資源以外で領有権問題を巡る対立が起きている海域(島嶼)も存在します。他には、言う事を聞かなくなった傀儡政権にパナマ運河を押さえられるのを快く思わなかったアメリカによるパナマ侵攻(1989年)が多少なりとも関係するかもしれません。

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