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第4話 紅い光

2025年11月22日


~日本海軍太平洋艦隊旗艦戦艦瑞樹長官室~


コンコン


「はい、どうぞ」


刹那が返事し、扉を開いて入って来たのは幹部常装第1種冬服を着用している小夜が入室して来た。


「刹那、全艦準備完了したわよ」


「分かりました。直ぐに行きます」


そう言うと、刹那は、長官室に備え付けられているクローゼットから自分の第1種冬服の上着を取り出し、それを着て、小夜と共にCICに向かった。


この日、全艦が完全に習熟運転を終え、アメリカに許可を得てハワイ沖で実弾を使用した演習を行う為、出港しようとしていた。





~戦艦瑞樹CIC~


「長官入られます!」


1人の水兵の声で、CICにいた全員が立ち上がり刹那に向けて敬礼する。


「直れ」


刹那が返礼し、自分の席に座り、そう告げると、水兵達は自分の配置に付き、再び作業を始めた。


「艦長、この艦の準備は如何なっていますか?」


刹那が長官席に座り、琴音に尋ねると、


「はっ、既に完了しております」


琴音の言葉に頷き、


「参謀長、各艦の状態は?」


艦隊電話で報告を受けていた小夜に尋ねると、


「全艦出港準備完了。何時でも行けるわよ」


小夜の言葉を聞き、


「全艦出港!舫い放て!各戦隊は打ち合わせ通りの順番で出港せよ」


「了解。全艦出港、舫い放て。全艦打ち合わせの通りの順番で出港せよ」


小夜が復唱し、待機していた各艦が徐々に外洋に向かい動き出した。


「電測員、対水上警戒を厳とせよ!初めての艦隊訓練です、失敗は許されませんよ」


刹那の言葉に、


「了解!対水上警戒を厳とします!」


電測員が答え、刹那が乗る戦艦瑞樹以下全艦が事故も無く横須賀軍港から出港した。


「全艦の出港を確認!」


電測員の言葉に、


「了解。全艦瑞樹を中心に陣形を構築。このまま、訓練海域へと向かいます」


刹那がそう告げ、各艦が瑞樹を中心に陣形を構築し、一路、訓練海域へと向かった。





11月23日 14:00 太平洋


~戦艦瑞樹CIC~


「全艦順調に航行している様ですね」


小眼のモニターに映し出されている艦隊の航行状況を確認した刹那がそう小夜に声を掛けると、


「はい。この調子でいけば、明日の演習開始時間には間に合うかと思います」


小夜の言葉に刹那が頷いていると、


『此方艦橋。長官、突然、濃い霧が発生してきました』


と、艦橋から報告が入って来た。


「霧?こんな時間に珍しいですね・・・気象長、進路を変更する必要は?」


刹那が気象レーダーを見ている気象長に尋ねると、


「レーダーには何の反応も無いので進路を変更する必要は無いかと」


気象長の言葉に刹那は頷き、


「分かりました。全艦進路そのまま、しかし、連絡は綿密に行いなさい」


「了解。全艦、進路そのまま」


小夜が復唱し、艦隊はそのまま霧の中を進んでいたが、


「長官!通信装置不良、各艦との通信が行えません!」


通信員の報告が入って来た。


「なら、発光信号を使用しなさい。艦橋、後続艦は見えますか?」


通信員に指示を出し、艦内電話で艦橋に連絡を取ると、


『駄目です。周りが見渡せません』


艦橋からの報告に、


「これじゃあ、発光信号も駄目ですね・・・分かりました。とにかく、警戒を続けて下さい」


『了解しました』


艦橋との連絡を終えたと同時に、


「長官、レーダー不良によりレーダーも使用不能!」


電測員から切迫した報告が来た。


「なっ!?急いで、不良の原因を調査しなさい!」


「りょ、了解しました!」


刹那の言葉に、電測員は、慌ててレーダーの不調の原因を調べはじめた。


電測員が調べているのを待っていると、突然大きな衝撃に襲われた。


「一体如何したの!?各部、被害状況を報告しなs・・・」


小夜が慌てて各部に対して報告を行わせようとしたが、再び先程とは比べ物にならない強い衝撃が艦を襲った。


「つぅ・・・一体何が起こっているの?」


刹那が長官席に掴まりながらその様に呟いていると、


『長官!正面から何か紅色の光がt・・・』


「如何したの?報告を続k・・・」


艦橋からの不思議な報告に、続けて説明を求めようとした所、壁に囲まれている筈のCICが紅色の光に包まれ、全員の意識が薄れて行った。





~戦艦瑞樹CIC~


「うっ、う~ん・・・ここは・・・」


コンソールに突っ伏している刹那が気が付き、CICを見渡すと、コンソールに突っ伏したり、床に倒れこんでいる水兵の姿が目に入った。


「大丈夫!?しっかりして下さい!」


「おい、大丈夫かしっかりしろ!」


刹那が目を覚ますのと同時か、少し遅れて、目を覚ましていき、倒れこんでいる同僚達を起こしていく。


「全員怪我はありませんか?」


ようやく全員が目を覚まし、刹那が尋ねると、


「はい。CIC要員全員怪我はありません」


と、小夜が答え、


「分かりました。他の艦とも連絡を取って下さい。それと、現在位置の確認も」


刹那がそう告げ、全員が自分の仕事を開始した。


「長官、全艦と連絡が付きました。全艦無事です」


通信員の報告に安堵する刹那だったが、


「ちょ、長官、GPS信号が受信できません・・・」


電測員の報告に、


「また故障ですか?」


刹那がそう尋ねると、


「いえ、アンテナを調べましたが、異常はありません。それに、レーダーは正常に起動しています」


電測員の報告に、付け加えるように、


「長官、各艦からもGPS信号が受信できないと報告が・・・」


と、通信員も報告して来た。


「そうですか・・・」


刹那が考えていると、


「長官、此処は一旦本国に帰港した方が良いかと」


小夜がそう刹那に対して言い、


「そうですね。全艦、訓練は中止、本国へ帰還する。艦長、進路変更」


刹那がそう告げ、


「了解。進路変更、機関全速」


琴音が、刹那の言葉を復唱し、太平洋艦隊全艦は進路を変更し、一路日本、横須賀へと向かった。


こうすけ「では、前話で出てこられた前作の主人公の笠瀬紫織さんです!」


笠瀬「さ~く~しゃ~」


こうすけ「ひっ、いきなり怒ってる~・・・お、落ち着いてください・・・」


笠瀬「よくも、作品を完結させたわねー!!」


こうすけ「グフッな、殴るのをや、やめて・・・ガフッ」


刹那「紫織さん、やめて下さい。作者さんが死んじゃいます」


笠瀬「ちっ、今回の主人公ですか・・・命拾いしましたね」


こうすけ「はぁ、はぁ、助かった・・・有難うございます。刹那さん」


刹那「いえいえ、当然のことですよ」


こうすけ「笠瀬さん、作品を完結させてしまいすみませんでした」


笠瀬「まぁ、いいです。許してあげます」


こうすけ「有難うございます!」


笠瀬「でも・・・」


パンッ


こうすけ「な、何故・・・」


笠瀬「自業自得ですよ」


刹那「ご意見・ご感想お待ちしています」

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