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第13話 開戦へのカウントダウン

皇紀2601年(1941年)11月27日



~独立連合艦隊 旗艦 戦艦瑞樹長官室~


「そろそろだと思っていましたが、遂にこれが来ましたか・・・」


そう言う刹那の目の前には、先程外務省から送られてきていた1枚の用紙があった。


「これが、噂に名高いハルノートね・・・読んだだけでイラッと来るわ・・・」


「本当ですね。当時の日本が拒否する筈」


長官室に呼ばれた小夜と琴音もアメリカから突き付けられたハルノートを読んで呆れていた。


ハルノートの内容は以下の通り。


・中国大陸より日本陸海軍戦力の全面撤退。


・アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ソ連間の多辺的不可侵条約の締結。


・アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ソ連間での海軍軍縮条約の締結。


・満州国の不承認。


・大東亜連合を解体する事。


・南洋諸島、台湾の領土及び権益の放棄。


・中国と結んでいる同盟を放棄する事。


「それで刹那、陛下達はこの条件を拒否するの?」


「えぇ、日本政府はこの条件を拒否する事を決定して、各軍に臨戦待機命令を発令しました」


「そう。それなら私達も動き始めなきゃね」


「そうですね。参謀長、会議室に戦隊司令と幕僚を集めて下さい。開戦日当日の作戦についての打ち合わせをします」


「了解しました」


刹那がそう言い、小夜は長官室を後にした。




~戦艦瑞樹会議室~


瑞樹の会議室に独立連合艦隊の戦隊司令と艦隊幕僚達が全員集められ、小夜が作戦概要の説明をする為に喋りはじめた。


「それでは、作戦の打ち合わせを始めたいと思います。まず、作戦概要ですが、私達の目標は史実と同様、太平洋艦隊と基地の奇襲攻撃になります。第1撃としてハワイ沖500km海域で航空隊の発進とトマホークを発射します。トマホークは敵飛行場を攻撃、航空隊は艦艇と基地施設を攻撃して下さい」


「参謀長質問があります」


「何ですか橋田中将?」


「攻撃の目標は分かりましたが、航路は如何するのですか?」


「航路は、史実の南雲機動部隊と同じ航路を進みます。集結地点も択捉島単冠湾となります」


「分かりました」


妃奈が着席すると、


「参謀長、もう一つ質問が」


そう言って第2戦隊司令の弘斗が手を上げた。


「何ですか?佐田中将」


「真珠湾を奇襲した後は如何するのですか?そのまま帰還するんですか?」


「いえ、真珠湾奇襲後は続けて、ウェーク島に向かい、ウェーク島の基地機能を砲爆撃によって完全に破壊します」


「占領はしないのですか?」


「はい。ウェーク島を占領するには戦力が足りませんから。砲爆撃を行って、敵に負担を強いるようにします」


「そうですか。分かりました」


そう言って弘斗も座ると、


「皆さん。この戦いが如何なるかは、私達の頑張りによって左右されると言っても過言ではないでしょう。各員持てる力を総動員して勝ち抜きましょう!」


「「「「「「おぉーー!!」」」」」」


刹那の言葉に各戦隊司令は力強く声を上げた。





~戦艦瑞樹長官室~


会議が終了し、長官室で書類の整理をしていると、


「刹那、九三式中戦車の改良型のスペック表と新型戦車の設計図を持って来たわよ~」


そう言って、長官室に小百合が入って来た。


「有難う母さん」


小百合から手渡された用紙を受け取り、目を通し、数分後には驚きの声を上げていた。


「ちょっと母さんこれ本気なの!?」


「えぇ、本気よ」


刹那の驚きの声に小百合は澄まし顔で答えた。


「でも、九三式改の最大装甲厚が125mmはまだ良いとして、この新型戦車の最大装甲厚が245mmだし、主砲も九三式改が85mm、新型戦車が120mmって、もうこれは化け物でしょ!」


「だって、この位しないと、M4中戦車の76mm砲搭載型やシャーマンファイアフライに装甲を突破されるし、パーシングに圧倒出来ないのよ」


小百合の言葉に、


「其処は百歩譲ったとして、本当に生産できるの?」


「任せなさい!如月重工の社員に出来ない事は無いわ!」


自信満々に宣言する小百合に少し頭痛を覚えながら、


「はぁ~。分かりました。それで、この新型戦車は何時から量産するの?」


「42年の末位から2式戦車として量産開始するつもりよ」


「分かった。それじゃあ、戦車以外の兵器の生産もお願いしますね」


「了解よ。じゃあ、私は工廠に戻るわね」


そう言って、小百合は工廠に戻って行った。





皇紀2601年(1941年)11月29日



~択捉島単冠湾~


史実では南雲機動部隊が待機していた単冠湾には戦艦瑞樹を旗艦とする独立連合艦隊の戦艦8隻、巡洋戦艦8隻、空母8隻、駆逐艦18隻が出撃の時を待っていた。


「遂にこの時が来てしまいましたか・・・参謀長、各艦の出撃準備と外務省への通達は?」


CICの長官席に座っている刹那は隣に立つ小夜に尋ねた。


「各艦出撃準備完了しました。外務省に対しても通達を行っており、宣戦布告をしたら連絡が来る事になっております」


「そうですか。なら、行動を開始しましょう・・・全艦出撃」


刹那は静かに、しかし、威厳のある声でそう告げる。


「了解。全艦出撃!」


小夜が復唱し、全艦艇がゆっくりと単冠湾から6,500km離れたハワイ真珠湾に向かって出撃した。


いつも独立連合艦隊~太平洋の魔女~を読んで下さる皆様にお知らせがあります。前にも、1度書きましたが、11月20日~11月26日まで高校の修学旅行でカナダに行くので、約1週間更新が出来なくなります。次話は、11月27日になるのでご了承ください。

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