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第12話 謀略

皇紀2659年(1939年)9月30日


史実では、既に第2次世界大戦が起こっているが、この世界では、まだドイツは軍備を増強している為、第2次世界大戦は発生していなかった。





~アメリカ合衆国 ホワイトハウス大統領執務室~


「日本か・・・この国が一番厄介だな・・・」


大統領執務室でそう呟いたのは第32代合衆国大統領のフランクリン・D・ルーズベルトだった。


「中国も勝手に同盟なんぞ結んで、やはり、奴等も猿の仲間と言う事か・・・しかし日本がいると本当に厄介だ。このままでは、我々が保有する植民地まで危うくなる・・・ハルこれは如何したらいいと思う?」


ルーズベルトは自分の目の前に立っているコーデル・ハルに尋ねた。


「確かに、このまま日本が台頭して来るのは不味いですね・・・此処は、日本に何かしらの圧力を掛けるべきだと思います。例えば、石油の輸出禁止や鉄くずの輸出禁止等が良いかと」


「そうだな。確かにあの国は、石油、鉄は産出していないからな。その方法で行きたいが、何か後1つ輸出禁止にする理由が必要だな・・・仕方が無い。A作戦の発動を許可しよう」


「A作戦ですか・・・宜しいのですか?あれは、出来れば発動したくないと大統領は仰っていたではありませんか」


ハルの言葉に、


「仕方が無い。我々の野望が邪魔されないためだ」


「了解しました」


ハルはそう言い、ルーズベルトに一礼すると、執務室を出て行った。


「ふふっ、これで日本が戦争を仕掛けてくれれば、堂々と日本を叩き潰す事が出来る・・・」


ルーズベルトはそう言うと、1人執務室で笑っていた。



それから数日後、驚くべきニュースが世界を駆け巡った。何と、ドイツのヒトラーとイギリスのチェンバレン、アメリカのルーズベルトが暗殺され掛けたのだ。そして、アメリカはこの暗殺を日本軍の特殊部隊の仕業だと公表した。これに対して、アメリカ、イギリス、ドイツは猛烈に日本に対して抗議を行い、犯行の動機解明と謝罪を求めた。当然日本は身に覚えが無い事だったので、犯行を否定したが、3国は聞く耳を持たなかった。そして、10月12日、アメリカは、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアに対日本同盟の締結を提案し、4国ともこの提案を受け入れ、パリで5カ国軍事同盟が締結され、イギリスの首相は、チェンバレンからチャーチルになり、アメリカは日本に対して犯行を認めるまで石油と鉄くずの輸出を禁止する事を決定した。


日本は、この同盟に対抗して中国、満州国、韓国に同盟締結を打診し、中国と満州国は同盟締結を受け入れたが、韓国は反日の政府が誕生していたので同盟には加わらなかった。こうして、11月28日に、大東亜連合が結成され、満州国にも5個師団だった日本陸軍部隊を20個までに増強した。





~東京 大日本帝国軍統合本部会議室~


「アメリカは、そこまでして我が日本を潰したいのか・・・」


会議室で、海軍代表である堀はそう呟いた。


「まさか、こんな形で日本を挑発するとは思ってもいませんでした・・・」


「刹那君達にも分からん未来だったのだ。我々にはもっと予測できなかっただろう。唯一の救いは、満州国と中華民国がこちらの言い分を支持してくれた事だ」


刹那も驚きを隠せず、陸軍代表の永田も驚いてはいたが、2カ国が日本を支持してくれた事に安堵の声を漏らした。


「こうなれば、対米戦も視野に入れる事になるな・・・海軍の方の戦力は如何だね?」


永田の補佐の石原が山本に尋ねる。


「海軍の全艦艇は今、各ドックで空母、戦艦が改装中で、新造の戦艦大和、武蔵、信濃、筑紫も建造中、民間ドックでも戦時輸送艦、タンカーが大量に建造されている。予定では、41年の春には全艦が揃うだろう。海上護衛隊群も今訓練中だ。陸軍の戦力は如何なっている?」


「こっちも、海軍と同じようなものだよ。現在、九三式中戦車を改造している途中だ。小銃も92式小銃から89式小銃に転換している途中で、各工廠で兵器の増産に力を入れているが、太平洋方面で戦闘をするには、やはり、海軍と一緒で41年までは動けそうに無い」


山本と石原がそのように言うと、


「山本さん達が言うように私達も開戦は極力避けて欲しいです。今の戦力で開戦したら、まず勝ち目は無いでしょう。出来るだけ、交渉で時間を稼いで下さい」


刹那の言葉を受けて、全員が頷き、


「無論そのつもりだ。此方の言い分をしっかりと発言して、この暗殺未遂が日本の犯行ではないと認めてもらう。しかし、今の時点では難しいだろう・・・せめて、此方の軍備が揃うまでの時間稼ぎだな」


山本がそう言う。


「それでは、各自最大の努力をして出来るだけの事をやり、開戦に備えよう」


永田がそう言い、会議は終了した。





~独立連合艦隊 旗艦瑞樹 長官執務室~


「結局、アメリカは如何しても日本に戦争を吹っ掛けたいみたいね」


刹那は瑞樹に戻ると、小夜と共に話し合っていた。


「そうですね。しかし、まさかこんな風に戦争の種を作るなんて以外ですよ」


「まぁ、石油と鉄が輸出禁止になったのは大した事は無いわね。此方には、大慶油田から石油を輸出して貰っているし、鉄も中国が輸出してくれている」


満州国の大慶油田は、1939年9月に採掘が開始され、中国に了承を得て、大連に石油プラント施設が建設され、其処から日本に対して石油や鉄鉱石が輸出されていた。


「えぇ、それに関しては助かりました。しかし、アメリカは此方が何と言っても聞く耳を持たないでしょうね。そして、こっちが戦争を始めるように仕向けるつもりです」


「そうね。私達も作戦計画を練らなきゃいけないわね。しかし、史実と違ってアジア対欧米みたいな構図になってしまったわね・・・」


小夜は少し落ち込んだようにそう言った。


「仕方がありません。私達も私達で出来る事をやりましょう」


「えぇ」


2人は、そう言うと、再び書類に目を落とし、雑務をこなすのだった。


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