苦しむに値しない
自分で自分をとりころして
しまいそうな時があった
ささいなことさえ、棘や
刃のように感じて
血を流しながら
生きていくことが辛い
と
抱えこんで
さ迷っていた
わかってほしい
わかってほしい
毎日、毎日
繰り返し求めた
わかってくれる人はいたのだ
手をさしのべてくれた人も
拒んだのは
濁った眼で歪んだ顔をした
もう一人の私にとりつかれた
私自身
誰でもない
苦しみも辛さも
育てたのは
私自身なのだ
いちばん手強くて
容赦ない
敵
脆くなった心を餌に
大きく大きく育ってしまった
ふっと降りてきた言葉
誰も喜ばないことは苦しむに値しない
私にとりついた歪んだ私は
風に吹かれてどこかへ消えた