6話
「おお、やった」
俺は思わず声に出して喜ぶ。人間が死んで喜ぶのは同族としてどうかと思うかもしれないが、既にそんな感情は無い。ゴブリンたちは冒険者の装備を剥ぎ、その体は食用にするらしい。
どうやらこれで1階層はやっと完成しそうだ。これでようやくイーリスに言える。操作盤を見るとメッセージが載っていた。
*累計獲得ポイントが1万を超えました。自動補充の機能を開放します*
新しい機能が開放されたらしい。開いてみると今まで召喚やランクアップした種族が出てきた。どうやら迷宮内で減ったら勝手にDPを消化して補充をしてくれるらしい。
ゴブリンアーチャーを作るには60DP消費するが、補充だと半分の30で済むらしい。コボルトより安く性能の良いアーチャーを雇用出来るようだ。これは嬉しい機能とも言える。
俺はメイジとアーチャーを10体、ゴブリンを120体自動補充に設定する。ゴブリンは基本的に量産だ。1体1体を手作業で補充は面倒臭い。ハーフゴブリンは特殊らしく自動補充は出来ないようだ。
(次は、冒険者へ餌を撒くか)
俺は迷宮の施設から資源を選び、鉄、銅を採掘できる場所を巣穴に複数作った。一定時間で復活する仕様なので何度でも採掘できる。また洞窟内に珍しい薬草まで生やす。
俺は操作盤からその資源の情報を噂として流す。これで勝手に集まってくるだろう。後は軍隊や上級の冒険者に気をつけるだけだ。