第九万六千七百四十五巻 真実の恋
長編小説
真実の恋
第九万六千七百四十五巻
女は今まで何度も同じ人生を経験した、しかし女は絶対に報われることのない人生を過ごした。女は純白の魂だった、いつ何時も穢すことはなく、女は純白を守った。女はそれの見せる過去と未来を見た。女はもうウンザリしていた。こんな人生に、女は一線を超えようとしていた、女はそれに全てを捧げようとした。それの意味するところは穢れを受け入れることであった。だがその代わりこの世界を破壊し再生させ新たな世界を誕生させうる力を女は持っていた、女の信念はそれほど強大であり、国一つなんて簡単に滅ぼすことができる素質があった。それは純白の魂だったからだ。それは女を欲していた。しかし女は屈することはなかった、それほどに女の信念は強かった。しかし女は一線を超えようとした。だがその時にある男に出会った。女は何故か親近感があった。そして男も何故か女に親近感があった。女は男のそれが見えてしまった、男もまた女のそれが見えていた。そしてお互いのそれを見た。お互いに泣き出した。それは悲しみの涙であり、喜びの涙であり、色々な感情が襲った、男と女は抱きしめあった。それは誰にも理解することはできず、誰も語ってはいけない。誰も踏み入れてはいけない、そして男は言った、わたしは全てを捨てると、それは誰にも理解できない選択であった。女は言った、何故なのです、何故!、何故その選択をするのですか。わたしには理解できません!、幸せになっていいのです!何故!あなたはその選択をするのですか!、男は答えた、それは君にはまだわからない、だがわかる時が来る。わたしは君より未来が見えているからね、だからわたしはこの選択をするんだよ、確かに君を選べば幸せな世界があるだろう、しかし、わたしいやわたしの中にあるそれはそんなことは許されないと言っている、わたしはあまりにも全てを見過ぎた、わたしはやるべきことがある。わたしは最初の始まりを終わらせなければならない、わたしはまだ苦しみを引き受けなければならない。それは最初の者の意思でありそれは最後の者の意思であり、わたしの意思なのだから、わたしは君を捨てたわけではない、君を生かしたのだ、わたしはもう行かなければならない、この瞬間はわたしの人生で最も最高の時間であった。さようなら。女がこの先どうなったのかはわからない。しかし男は美しい死を望んだ。




