第42巻 女と呼ばれた物語
長編小説
女と呼ばれた物語
第42巻
女は普通の女性だった。いつも温厚で、おとなしく、何事にも全力で取り組んだ、女はある男性に出会った、その男はとても感情豊かで、しかも小説家であった。わたしは一目惚れをしてしまった。よくあることではない人生で初めてである。こんなことはなかった。女は絶対に見てはいけないものをすでに見ていた。しかし女は何ともなかった。女は何故かそれを見ても何とも思わない、なんなら親近感まで湧くほどだ、女はそれをコントロールできた、それはまさしくあってはならないノイズであった。それはこの世に存在してはならない者だった、それは悩んだ、こんなことは一度もなかった、例外中の例外である、その女は自由に記憶を出し入れできていた。人格もそのままだった。だが女はある2人の記憶だけは見ることができなかった。それは何者かによっていや、世界の意思によって見ることは出来なかった。いや女がただ見たくないだけなのかもしれない、見たけど見てない事にしたのかもしれない。女と呼ばれる者は全てを見たにもかかわらず、何もしなかった。いやその全ての知識を男性に使った。男性を喜ばせるために使った。だがある日女の様子がおかしかった。女はある男の記憶を思い出した、それは満たされることのない男の物語、女は本当の全てを見ることを嫌がった。女は、これ以上語ることをやめた、いや誰もこれ以上は干渉できなかった、これは誰にも語ってはいけない物語、誰にも理解されない物語、女は記憶にある改変を施した。そんなことはしてはいけない、だが女は何故か過去の改変を行った。それ以上この女の物語は真実がわからない、嘘かもしれないしこれすらも改変されている可能性だってある、そもそもこんな女なんて者はおらずそもそもこれが女なのかも不明である。わたしの記憶が正しければこれは女だった。だがこれ以上は書けない、わたしは泣きながらペンを首に刺した




