第三話 従魔とスライム
「この森を抜けると小さな街があるのよ。
そこになら洋平くんを嫌う人は居ないと思うわ。
それに冒険者登録もしないといけないし、色々と今日は疲れると思うわよ」
恵梨香さんはそう答える。
なるほど冒険者登録か。
確かに冒険者になったら色々と資金調達にも役に立つか。
「分かりました、じゃあ夜になる前に行きましょう」
僕は恵梨香さんに言い森を抜けるために歩き出すのだった。
「あ、そうだ。
従魔ってこの世界にも居ます?」
僕は恵梨香さんに聞いた。
現実世界ではペットを飼ったことが無い。
だけど、同僚がペットを飼っていて可愛いんだって言っていたからいつかは飼いたいなって思っていたんだよね。
まぁ、マンションだから買えないかもしれないけど。
「歩きながら話しましょうか。
一応居るわよ、テイマーと呼ばれる人達が連れているわ。
人気なのはドラゴンやゴブリン、ガルーダとかよ」
恵梨香さんはそう答える。
「あの、スライムとかいます?」
僕は恵梨香さんに向かって聞く。
「ええ、いるけど・・・・もしかしてスライムを従魔にしたいの?」
恵梨香さんが聞いてきた。
「はい」
僕は頷く。
「え、スライムってそこまで強くもない魔物よ。
それにみんなに馬鹿にされるし、スライムなんて初心者冒険者が倒す魔物だろって言う人も居るくらいよ」
恵梨香さんは驚いた顔をする。
そりゃそうか、スライムは弱い魔物だよな。
「はい、でも僕はスライムがいいんです」
僕は恵梨香さんに真剣な眼差しを向けた。
その時
「避けて!」
恵梨香さんが言い僕は後ろに避けた。
僕と恵梨香さんの眼の前にはぷよぷよしたような魔物が。
色は緑色。
「この魔物なんていう名前なんですか恵梨香さん」
僕が恵梨香さんに向かって聞く。
「これがスライムよ、好戦的では無いはずなんだけど」
恵梨香さんは言う。
「そっか!なら仲間にしよう!
ファイア!!!」
僕はスライムに魔法を唱える。
「ちょ!」
ボン!!!
スライム魔法に直撃し溶けた。
「あ!死んじゃった・・・とほほ」
僕はがっかりする。
「あのね、従魔にするのに初めから魔法を唱える人なんて居ないわよ。
スライムは弱いから短剣の一振りでも瀕死まで追い込めるほど弱いんだから」
恵梨香さんは言う。
「す、すみません。
以後気をつけます」
僕は恵梨香さんに謝る。
「あっ」
恵梨香さんは何かに気づく。
「ふふ、見てみてこれ」
それは先程のスライムよりも小さいスライムだ。
「これはスライムですか?」
僕は恵梨香さんに質問する。
「これはぷちスライムよ。
多分、あのスライム分裂したのね。
身の危険を感じたのね」
恵梨香さんはぷちスライムを拾い上げ僕に渡した。
「普通はテイマーと言う職業につかないと従魔2出来ないけどぷちスライムは例外、最初に見たものを親と認識するの。
だから洋平を見たから今は貴方がこのぷちスライムの親みたいなものよ」
恵梨香さんはそう答える。
ぷちスライムを見るとこっちを見ているような気がする。
かわいい〜。
僕はぷちスライムをツンツンした。
ぷにぷにする!
赤ちゃんのほっぺたみたい。
「ぷちスライムって何を食べるんですか?」
僕は恵梨香さんに向かって聞く。
「そうね、水よ。
だけど雨が降った時に葉に着いている水を好むのよ。
でも、スライムの種類によっては草を食べるスライムや血を吸うスライム、ゴミを食べるスライムまで居るって本で見たわ」
恵梨香さんはそう答える。
へぇ~色んなスライムが居るのか。
多分このぷちスライムはノーマルかな?
「この子は普通のぷちスライムよ」
恵梨香さんは続けて言う。
「なら、雨が降らないと死んじゃうですか。
死んでほしくないです」
僕は言う。
「なら雨乞いでもしてみたら?
天に祈れば雨くらい降るんじゃない?」
恵梨香さんは言う。
「そうですね、まずは森を抜けてから試します」
僕はそう答え恵梨香さんとぷちスライムと共に森を出るのだった。
そして数時間後
「はぁ〜、ようやく森を抜けた〜」
森を出る頃には日も傾きかかっていた。
現実世界で言う3時頃かな?
「さてとあそこに見えるのが街よ。
名前ね、始まりの街、スタート街って言う名前よ」
恵梨香さんは言う。
スタート街、ここが僕の始まりの街。
「あ、そうだ」
僕は目を閉じ手を合わせる。
雨、雨、天より振れよ、天の涙よ。
癒やしの雨よ降り注げ。
洋平くんには雨乞いは無理かな〜?
え?
すると空が少しずつ曇っていき
ぽつりぽつりと雨が降り始めた。
「嘘!初めてで出来る人なんて始めてみたわ」
恵梨香さんは驚いている。
「あ、瓶よね」
恵梨香さんは直ぐに落ち着いて瓶の蓋を開けて雨水を入れる。
「濡れちゃうし、雨が止むまでここで休みましょう」
恵梨香さんに言われ近くの木の根本に座る。
「あの、ありがとうございます恵梨香さん。
僕を助けてくれて」
僕は恵梨香さんにお礼を言う。
「そんな事無いわ、貴方と出逢ったあの時悲しい顔をしていたから。
私は、無我夢中で走ったもの。
眼の前で死体を見るのはトラウマになるしね」
恵梨香さんはそう答える。
そして数分後
雨が止んだ。
ぷちスライムは葉っぱに着いている雨の雫を食べていた。
「さてと瓶の雨水も沢山溜まったし行きましょうか」
恵梨香さんが僕に向かって言う。
「はい、行くよスラ」
僕はぷちスライムに向かって言う。
「スライムだからスラなの?」
恵梨香さんが歩きながら聞いてきた。
「単純ですけど、普通がいいんです」
僕はそう答える。
そして数分歩きスタート街へとたどり着くのだった。
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洋平は従魔にぷちスライムにした。
このぷちスライムは強い・・・のか?




