第三十話 時の神
何が起きたのかよく分からんが。
「メル!この子も頼む!僕は、やつを倒す」
僕は子供をメルに任せる。
クソ、あの竜馬の息子はまだ何か力を隠している?
だとすれば、我に勝ち目はない。
それさえ分かれば勝ち目があるが。
!?
グサグサ!!!
突然の沢山の斬撃が勇人を襲う。
「ぐっ!き、貴様!何をした!」
膝を付く勇人。
「し、知らん!そんなもの!」
僕は言う。
な、何だと!?ヤツがやったわけではない?
だとすれば?
「時よ、動け、止まれ・・・私の事を忘れたの?」
すると一人の女の人が現れた。
な、何だ?あの人、時計?いや、時間?
「こ、こいつはまさか!」
「逃がすかよ!フリーズ!!!」
カチコチ!!!
むっ?
勇人の足が凍らされる。
「さてと、サーラ様とジャラン様を殺したな。
シルファから聞いたぞ。
どうすれば助けられる?」
僕は勇人に向かって聞く。
「けっ、無理な話だ。
我の中に取り込まれた者を助けることは出来ん、ましてや救うなどもっての外だ。
我と溶け合った以上助けられん」
勇人はそう答える。
コツコツ。
「時よ、進め・・・・・進んでけて」
すると女の人が手に持っている時計を針を指で動かす。
すると。
「ぐっ!ぐわあああー!!!」
勇人がもだえ苦しむ。
な、何が!?
「洋平さん、彼女は時の神です。
名はクロック・オクロックと言う名前だそうです」
クロック・オクロック?よく分からん名前だな。
しかし、時の神が何でこんな所に?
「時よ、進め。
灰になる、その時まで」
クロック様は時計の針をどんどん速く回した。
すると勇人がどんどん老いていくしかも服の中からコロコロと転がってきたものが。
あれは闇の宝玉!?
「よし!取った!」
「ぐっ!ぐわあああー!!!お、おのれ!時の神よ!
なぜ、人間の味方につく!我の中には神が居られるのだ!
なぜ!」
勇人はヨボヨボの口で言う。
「時の神は人間に味方をしていない、貴方にも。
私が介入する時は子供が関係する時、手を出した時。
私は子供が好き、子供の無邪気な予想外な動きが好き、だから貴方は子供に害を成す、だから殺す」
クロック様はそう答える。
クソ!まさ・か、時の・・・か・・・みがこど・・も好き・・・とは・・・・。
そして勇人は灰とかした。
そこには灰以外何もなく服も無かった。
「クロックちゃんのあの時計は時を進めたり戻したりする力を持っている。
勇人さんの服や体は時を進められたことによって灰とかしたのね」
シルファ様はそう答えた。
そうか、時が進んだから灰となったのか。
いやいやいやそれよりも、
時の神・・・子供好きなの!?




