第二話 無属性のはずでは?
僕と恵梨香さんはカップ麺を食べて少し休憩を取る。
「あの、先程の続きを聞きたいんですけど」
僕は恵梨香さんに向かって聞く。
「あ~、光と闇属性に上級が無いよね。
・・・・正直に言うとね・・・あるかどうか分からないの」
恵梨香さんは言う。
「それって、実は闇と光にも上級属性があるってことですか?」
僕が質問をする。
「他の属性にある以上多分あると思うんだけど、見たことも聞いたこともないのよね。
光属性の魔法だと、シャイニングレインとかあるのよ。
闇だとダークブレイドやシャドークローとか。
普通の冒険者は闇や光属性を極めようとする人は居ないわ。
そもそも、普通の人間は無属性なのよ。
属性が付くのはその人が何らかの事をしたときに付くのよ。
分かりやすい属性で言うと風属性かしら?
風によく当たり、風と一つになる。
そう考えて色々としていると次第に風魔法を使えるようになるの。
だから属性を持っている人は何かしらこういう事をしているってことよ」
恵梨香さんはそう答えた。
「なるほど、てことは僕は無属性ってことなんですか?」
僕は恵梨香さんに向かって聞く。
「そうね、鑑定したけど属性は無かったし多分無属性なんだと思うわ。
試しにファイアでも使ってみたら?」
恵梨香さんはそう答える。
「分かりました」
僕は立ち上がり少し距離を起き
手を構える。
火だ・・・火を感じるんだ・・・・ふぅ〜。
燃えるよう熱く、激しく。
「ファイア!!!」
!?
「ウォーター!!!!」
僕から放たれたファイアは恵梨香さんのウォーターによってかき消された。
「あ、かき消された」
僕はしょんぼりする。
「ねぇ貴方、無属性なのにファイア使えたわね。
もしかして、他の属性もいけるとか?
試したくない?」
恵梨香さんが顔を近づけ聞いてくる。
「そ、そうですね。
試してみたいです」
僕はそう答える。
次は風にしよう。
風、・・・今は穏やかな風が吹いている。
心を落ち着かせ・・・・強い風でもなく弱い風でもなく、一瞬の風を吹かせないと。
ふぅ〜。
「ストーム!!!」
?!
「くっ!突風?!」
恵梨香さんは木にしがみつく。
「だ、大丈夫ですか!恵梨香さん!」
僕は恵梨香さんの元に駆け寄る。
「だ、大丈夫よ。
それよりも風属性の魔法も使えたわね。
洋平くんは天才なのかしら?」
恵梨香さんが言う。
「いや、そんな事無いですよ。
心のなかで思って落ち着かせて魔法を使っているだけです」
僕はそう答える。
「そう、それじゃあ次で最後にしましょ。
夜も遅いし眠たいし」
恵梨香さんはあくびをする。
「確かにそうですね。
じゃあ最後は氷属性をしますね」
僕はまた恵梨香さんから距離を取る。
恵梨香さんも構えている、多分だけど相殺させようとしているのだろう。
僕は目をつむり手を構える。
氷、氷、冷たくて冷えてて、吹雪のように激しく。
粉雪のようにしんしんと。
ふぅ〜。
「アイスバレット!!!」
?!
「ファイアウォール!!!」
相殺された。
「ふふ、アイスバレット。
知っていたの?」
恵梨香さんが聞く。
「いえ、アニメとかで見たことがあったので使ってみただけですよ」
僕はそう答える。
「そうなんだね、ふふ。
さてと、そろそろ寝ましょうか」
恵梨香さんはそう言い木の近くに荷物を置いた。
「こっちおいで」
恵梨香さんが手招きする。
「はい」
僕は恵梨香さんの近くまで来てしゃがみこむ。
「ほら横になって」
恵梨香さんに言われ横になる。
すると
「うわ」
恵梨香さんも横になり僕の体に手を触れてきた。
「洋平くんの体、あったかいね。
寄り添っていい?」
恵梨香さんが聞いてきた。
「え!でも、そのいいんですか?まだ数時間しか会ってないのに」
僕が恵梨香さんに言う。
「洋平くんは悪い人じゃないでしょ?
だから私は安心して眠れるよ」
恵梨香さんはそう答えると数分後スヤスヤと眠り始めた。
え〜、ちょっと当たっているんだけどな〜。
き、緊張して眠れねぇ。
心臓がバクバクする。
これは本当に僕なのか?女性と二人で横になり眠る。
こんなシュチュエーションしたこと無いからどうしたらいいんだ〜。
そして僕は一睡も出来なかった。
恵梨香さんのあるものが当たっていたからだ。
そのなんていうか柔らかいやつよ。
翌朝
「ふわぁ〜」
恵梨香さんが目を覚ます。
「ね、眠て〜」
僕の目はギンギンだ。
「眠そうね、もしかして寝られなかった?」
恵梨香さんが聞いてきた。
「あ、その・・・はい、そうなんです。
この世界に来て色々とありすぎて寝られなかったんです」
まぁ、色々あったって8割は恵梨香さんのやつなんだけどな。
「まぁそうよね・・・私の体が当たっていたからかしら?」
?!
僕は恵梨香さんの方を向く。
恵梨香さんはニコッとしている。
「あ、はい。
その通りです」
僕は恵梨香さんに向かって言う。
「まぁ年頃の男の子だから仕方ないよ。
だって初めてなんでしょ?女の人と寝たのって」
恵梨香さんが聞く。
「はい、母を除いてですが」
僕はそう答える。
「まぁ、これで顔でも洗ってよ」
そう言い恵梨香さんは水が入った桶を渡してきた。
僕はその水で顔を洗った。
ふぅ〜気持ちいい。
水が冷たくて最高だな。
「じゃあ街に行きましょうか。
といってもあの最悪王様の街じゃないわよ」
恵梨香さんはそう答える。
「え、じゃあどこに?」