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第二十五話 竜馬の息子


 はあああー!!!


 手ぬるいな。



 竜馬の息子だが、中々強いがその程度か。

 強いだけで、それ以外は平均値以下。


 強いだけで特訓もしてないと見た、となると斬るしかないか。



 「終わりだ!竜馬の息子よ!」


 ?!


 「フリーズ!!!!」


 カチコチ!!!


 ?!こ、これは!?


 か、体が動けん!フリーズと言っていたがフリーズではない。



 「終わりなのはあなたの方ですレックスさん!

 メガファイア!!!」



 ?!


 くらえ!!!


 どかーん!!!


 ぐわあああー!!!!



 そして



 ・・・・くっ!


 「やるではないか、竜馬の息子よ」

 レックスさんが言う。



 まだピンピンしているなんて。



 ?!

 くっ!

 今のは!?


 突然の斬撃、何が?


 「ほぉ、倒れないか。

 今の斬撃で体力を根こそぎ持っていこうと思ったのだがな」

 レックスさんは言う。



 はぁ、はぁ、魔力もまだあるけど人を殺すなんて。

 くっ、全力を出せば勝てるが人を殺るのは。



 「おい、竜馬の息子よ。

 本気を出せ、俺に向かってお前の全力の魔法を唱えろ。

 今の感じだと確かに強いが、それだけしか感じんのだよ」

 レックスさんは言う。



 「強いだけではいけないと言うのですね、

 分かりました僕の全力見せてあげます!」



 ?!

 ブン!


 地面が揺れ、空気が変わった。

 ふっ、竜馬の息子め、これほどまでとは。



 「だが!何もせずには死なんぞ!」

 レックスさんが襲い掛かる。



 落ち着くんだ、冷静になれば問題ない。

 魔力を手に集中すれば、必ず勝てる。


 ふぅ~!!!!


 「メガファイア!!!!」



 どかーん!!!


 それは大きなメガファイア、それは煌めく赤く光る炎、

 それはレックスさんに直撃し!



 「ぐわあああー!!!!・・・り、りょ・・・うま・・・ふっ・・・」


 バタリ。


 レックスさんは倒れる。



 「くっ!あがっ!はぁ、はぁ、魔力がもう無い・・・ふらつく、目の前が・・・ボヤケて・・」


 バタリ。



 ・・・・。



 ・・・・・へい!


 ?


 ・・・うへい!


 「洋平!洋平くん!」


 ?!

 メルの声で目を覚まし起き上がる。


 どうやら倒れていたようだ。


 辺りを見渡すとここは先程レックスさんと戦っていた場所。



 「洋平さん」

 ?!


 声のする方を向くとフローラ様と・・・隣に居るのはレックスさんだ。


 「れ、レックスさん!無事だったんですか!」

 僕はふらつきながらもメルに支えられながら立ち上がる。



 「ああ、まぁあれを直撃していたら死んでいたよ。

 分身を使っておいて良かった」

 レックスさんは言う。



 「分身?」

 僕はよく分からなかった、分身?

 どういう事だ?




 「洋平さん、レックスは私の夫でダンジョンマスターもしているんです。

 夫の特技に分身がありまして貴方と戦っていたのは分身ではなく、彼本人なんです。

 しかし、最後の貴方の一撃その時に分身と入れ替わったのです」

 フローラ様はそう答える。




 「そ、そうだったんですね。

 それにしてもレックスさんは強いんですね」

 僕はレックスさんに向かって言う。



 「ああ、俺は竜馬から色々と教わったからな。

 だから強いわけだ、それにお前の太刀筋も分かるのも竜馬のお陰ってわけさ」

 レックスさんはそう答える。



 「さてと、洋平くん。

 君は俺に勝てたとしておこう、あの一撃をくらえば俺は確実に死んでいたからだ。

 これを」

 レックスさんは宝箱を渡してきた。



 中には青く光る石が置いてあった。



 「これは?」



 「これは魔石と呼ばれる物で魔力が込められた石なの。

 しかもこれを胸に当ててみて」

 フローラ様に言われ石を持ち胸に触れる。

 



 すると!


 ピカッ!

 魔石は光を放ち光の粒となり僕の体に吸い込まれた。



 「こ、これは一体!?」

 僕はオドオドしていると



 「魔力が増えたような気がしない?」

 フローラ様が聞いてきた。


 確かに感じる、少し強くなったような気が。



 「魔石には魔力を強める効果があるの、だけどレアな物だからそんじょそこらでは手に入らないわよ」

 フローラ様は言う。




 魔石を集めれば僕はもっと強くなったりとか・・・・あるかな?



 


 

 

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