第二十四話 ダンジョン内、現れる敵
「駄目だよメル、そんな事言ったら。
君たちもだよ、人を見た目で判断すると痛い目に会うかもしれないからさ」
僕は三人に向かって言う。
「すみません、これからは気をつけます」
ミズキとアメリアは謝った。
「いいよ、謝ったしそれよりも二人もこのダンジョンに行くんでしょ?
一緒に行きましょ」
メルが言う。
「はい」
そうしてミズキとアメリアを含みダンジョン内へと入るのだった。
中に入ると空気が違った、地面から冷えるような冷気。
シトシトと水滴が天井から落ちている。
「魔物が居るから気をつけよう」
僕は三人に向かって言いダンジョン内を進む。
グギャア!
?!
「スラ!」
突然襲ってきたゴブリン、しかしカバンから出てきたスラが攻撃し怯ませた。
「ありがとう、スラ!てぇーい!」
グギャア!
ゴブリンは倒れた。
「へぇ~、洋平さんはスライムが従魔なんですね」
アメリアが僕に言う。
「うん、そうだよ。
いつの間にか成長していたんだよね」
僕はそう答えカバンを開ける、
するとスラはジャンプしてカバンの中へと入る。
「自分から鞄の中に?!よほど気に入っているんだろうなぁ」
アメリアは言う。
「おーい二人共、どうやら分かれ道のようだ」
すると目の前には分かれ道が、どちらも嫌な雰囲気だが。
うん?右の方が気になるな。
「あのさ、メル二人と共に左に行ってくれないか?
僕は一人で右の方へ行くよ」
僕はメルに向かって言う。
「何言っているんですか、4人だから二人同士でいけますよ」
メルは言う。
「いや、どうも嫌な感じがする。
メルに危険を味わせたくない、頼む」
僕はメルに向かって言う。
「・・・・、必ず帰ってくるって誓える?」
メルが聞いてきた。
「ああ、必ず君のもとに帰る。
何があろうと、何を失ったとしても」
僕はそう答える。
「分かった、右の道は任せるね。
さ、行きましょミズキ、アメリア」
メルは二人を連れ左の方へと向かった。
そして僕は一人となり右の道を進んだ。
ずんずんと進んでいくと少し開けた場所へとたどり着いた。
ここは?どこだろう?
広いが、特に大したことない場所か?
嫌な感じがしたんだが、気のせいか?
?!
くっ!
斬られた!?
すると目の前に剣を持つ男が居た。
白髪で服装は軽装の服、冒険者とは思えない。
「お主を待っておった、お前があの竜馬の息子なのだろ?」
?!
なぜ父さんの事を!?
「お前誰だ!父さんを知っているということは敵か!」
僕は言う。
「俺はレックス・グレン。
フローラの夫だ」
?!フローラ様の夫!?
もしかしてこの場所!
この人がダンジョンマスター!?
いや、人がダンジョンマスターのはずは。
「どうした?驚いているのか?
俺はダンジョンマスターだぞ、俺の後ろを見てみろ、奥に宝箱があるだろ?」
レックスに言われ奥を見ると宝箱が、
もしかしてフローラ様はレックスさんとやり取りをしていた?
だけどあれを持ち帰らないと、依頼は達成出来ないし。
やるしかないか。
「貴方を倒したらフローラ様は悲しむと思います。
戦うなんてやめましょうよ、貴方と戦う理由が無い!」
僕は言う。
「理由か?そうだな、俺が戦いてぇ!
それが理由だ」
理由もクソもない。
?!
速い!?
剣技が磨きがある、この人、達人レベル。
「くっ!強い。
手加減とか言ってられない」
僕は剣を抜き構える。
「ようやく戦う事を決めたか、さぁやり合おうぜ。
お前が俺を超えられるか、楽しみだ」
レックスはそう答える。




