第十九話 勇人さんの過去
フローラ様は僕とメルを自分の家へ案内した。
家の中へ入ると花瓶に花が飾られており綺麗な部屋にされている。
「あの、それで勇人って人は僕の父さんと関係が?」
僕はフローラ様に向かって聞く。
「ええ、勇人さんは貴方のお父様竜馬さんと共に召喚されたのです。
そして二人は独自で剣技や魔法を練習し強くなった。
しかし、次に召喚された人、その人が巫剣萌夢さん。
そう貴方のお母様なのです。
二人はその巫剣萌夢さんに惚れて告白などをしたのですがことごとく駄目だったようです。
しかし、勇人さんが粘り強く告白をしてなんと萌夢さんからオッケーを貰ったと聞きまして、これを聞くだけだと普通と思いますが、実は勇人さんは酒癖が悪かったらしいのです。
次第に萌夢さんに当たり散らかし萌夢さんは竜馬さん、そう貴方のお父様に浮気をしたのです」
「う、浮気って・・・でも勇人さんは母さんに酷いことをしたんでしょ?
それは浮気されても仕方ないと思うけど」
僕はそう答える。
「ですが、勇人さんは浮気したことを許せなかったらしく竜馬さんの家へと向かいやり合ったそうです。
しかし竜馬さんの方が強さは上、勇人さんは負けてしまい後悔したそうです。
そして勇人さんはあるものを手に入れたと竜馬さんに言っていったそうです、闇の宝玉と言っておられました」
フローラ様はそう答える。
「闇の宝玉?それを破壊すれば勇人さんは人間に戻るのですか?」
僕はフローラ様に聞く。
「多分ですが元に戻ったとしても骸になると思います。
今は宝玉によって体を維持できていますがそれが無くなれば体も溶けていき骨になるかと」
フローラ様はそう答える。
確かに、何年生きているか分からないもんな。
「だから、お願いです。
勇人さんを助けてあげてください、苦しみから解放されば苦しみも悲しみもありませんし・・・・・・・それに貴方のお父様やお母様が勇人さんの今の姿を見ていたら悲しんで居ると思いますし」
フローラ様はそう答えた。
「分かりました、では僕とメルで勇人さんを追いかけます」
僕はフローラ様に向かって言う。
「ではこれを、これは浄化の宝玉。
闇や恨み、呪いを浄化する玉です、これを勇人さんに触れさせれば闇は浄化の玉の中に流れるでしょう、そうすれば勇人さんの闇は消えるでしょう」
フローラ様は透明の綺麗に輝く浄化の玉を渡した。
「ありがとうございます、必ず勇人さんをなんとかしてみせます」
僕はフローラ様に向かって言いメルと共に家を出る。
さてと、次の街はどこだろう?
地図、地図は?
「ねぇ洋平くん、一度アクア街に戻らない?
フローラ様の事をお父様に話しましょ?」
メルは僕に向かって言う。
確かに、それに助けたあの女性も気になるし。
「分かった、メル、転移魔法お願い」
僕はメルに向かって言う。
「後で私のお父様に転移魔法を教えてもらいましょ?」
メルさんに言われ僕はメルさんに触れアクア街のお城に転移した。




