第十一話 アクア街の図書館
改心した悪党と別れ僕はようやくアクア街へとたどり着いた。
その頃には夕方になっており、店じまいをする人達が多くなっていた。
あ~、もう少し早ければなぁ〜。
僕はまずは宿屋へと行きチェックインし部屋に不必要な物を置き宿屋を出る。
さてと、どうしようかな。
お金も恵梨香さんが分けてくれた分と冒険者登録でもらえたお金があるがどうしたもんか。
そう言えばこの街にも図書館があるかな?
僕は日本に居た時から本が好きでよく図書館に通いつめた程だ。
僕は図書館へと向かった。
図書館のマークは本の絵なんだな。
分かりやすい。
僕は図書館の中へと入る。
そこには沢山の本棚がずらーと並んでおり数万いや数十万?程の本がある。
すげーな、日本の図書館よりもでかいしやばいな。
僕は近くの本棚に近づく。
本の種類は色々とあり、冒険に役立つ本やポーションと呼ばれる回復アイテムみたいな物の図鑑や料理の本、魔法の本まで置いてあった。
ここはいくらいても飽きないな〜。
僕は一つの本を取り近くに座り読むことに。
僕が取った本は剣技と魔法と書かれた本だ。
ページをめくり見てみることに。
ふんふん、なるほど。
数時間程読んでいると
「すみません」
声に気づき顔を上げると高齢のおじいさんが声をかけてきた。
「あ、もしかして閉店時間ですか?!すみません、深く読みすぎてしまって時間を忘れすぎて」
僕はおじいさんに謝る。
「いえいえ、そんな事ありませんよ。
ワシも貴方を見て驚いて居るんじゃよ、ここに来るものは殆どおらんのじゃ、ましてや若い者なんかはここに来た試しもないのじゃ。
来たとしても、学生の数人くらいじゃからな」
おじいさんはそう答える。
「じゃあここは潰れてしまうんですか?」
僕はおじいさんに向かって聞く。
「そうじゃのう〜、もしもこれから先、人があまり来なければここも国に潰されるじゃろうな。
本があった所で来る者がおらんかったら潰れるのがオチじゃのう。
ワシのように静かに、寂しくな」
おじいさんはそう言い受付へと歩いていった。
・・・・おじいさん。
図書館、確かにここに来る人は本好きか調べ物や学生の勉強場としてはいいけど人が来ないのは日本でも同じだし。
何かあればな。
少し考えていると
「うん?君は冒険者か?何を考えているのですか?」
顔を上げると赤髪の女性の人が声をかけてきた。
「え、ええ。
僕は冒険者ですが」
僕はそう答える。
「もしかして、ここが潰れるのが嫌なの?」
女性が言う。
「先程、受付のおじいさんが来て潰れるかもしれないって言ってました。
僕は本が好きなので潰れるのは悔しいなって・・・・でも仕方ないって思うんですけど・・・・・だけど、そんなの・・・」
「じゃあ、私に勝ったらここに人を呼んであげる」
女性はそう答える。
?!
「え!?貴方は冒険者なんですか!?どういう事ですか!?」
僕は女性に聞く。
「私はメル。
この近くのお城に住んでいるの、私もここを潰されたくは無い。
だけど、これも運命だと思ったわ。
だけど、貴方を見て思ったの・・・パーティを組みたいなって」
メルはそう答える。
「それで実力を知るために僕と戦うって事ですか。
・・・・分かりました、この図書館を救うためです。
勝ちますから」
僕はメルに向かって言う。
「よし、じゃあ今日は夜遅いし明日にしよう。
私、この街の宿屋で泊まるから」
メルはそう答える。
「僕も同じですよ」
僕はメルに向かって言う。
「じゃあ同じ部屋にしてもらいましょ?ベッドも2つあるからね」
メルさんは僕の手を繋ぎ図書館を出て宿屋へと向かった。