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第17話、龍の神様V

挿絵(By みてみん)

「コラボ? 時雨ちゃんが?」


「そうだ。VS歌みたコラボ配信」


「でも、予定に無かったよね」


「流石にゲスト巻き込むのは危険だから

 中止の予定だったんだけど。

 事情を知った上で、それでもやるって」


「コラボ相手がそういったの?」


 感染したら、二度とログイン出来ない。

 そんな危険があっても、コラボするって

 そう言ったVライバーがいるって事。


「それ、誰?」


龍神たつがみせいみな」


 え? え? え? えー!!!!


「せいみなちゃんと、コラボするの?」


「だから、そうだって」


「マジでーーー!」


「うるせぇ、叫ぶな立つな、早く飯食え」


「せいみなちゃあああああん!」


「だから、早く飯を食え」



  ◇◆◇◆



 VS歌みたステージ。

 丸いコロシアムみたいなステージ。

 VRで入れるのが出演者だけで

 視聴者は画面で好きな角度から見れる。


 その準備中のVR空間。


「わらわが、龍神せいみな、じゃ」

 現れた大手人気V。


 せいみなちゃああああああん!


「せいみなさん、よろしくね☆

 今日はコラボありがとう!

 配信は予定ピッタリに開始するね」

 時雨ちゃんが挨拶してる。


 せいみなちゃん、可愛い!

 流石、大手人気V! 気品ある顔!

 緑の流れる髪のクオリティ!

 耳の後ろの角が好きいいいいい。

 和風の服もかわいいいいいい。


「時に、月下時雨」


 襟から覗く胸が素適いいいいいい。


「なに? せいみなさん」


 時雨ちゃんと並ぶと映えるー。

 どっちも可愛い、なんて神コラボ!


「この一般信者は、誰じゃ?」


「あぁ……」


 わぁ、こっち見てくれた、見てくれた!

 せいみなちゃんも、時雨ちゃんも!


「なんで、演者しか入れないステージに

 一般信者がVR体で入っておる?」


「一応、ボディガード、なんだけど……」

 と、時雨ちゃんが呟いてこっちを見る。


「シカクって言います! あなたを

 お守りする者です」

 ビシッ、と敬礼して言うと、


 ふぅん、とせいみなちゃんは呟いて、

 僕の顔を覗き込み、

「頼んだぞ、期待しておる、シカク」

 そう言って、顎とか撫でるもんだから

 ドッキドキ!VRだから感触無いけど。

 顔が近いです! 大変お美しい!

 素晴らしい! 良い匂いする気がする!


「お前も、龍神を崇め、信者になるか?」


 え? そ、それは……


 せいみなちゃんは、

 ファンやリスナーの事を信者って呼ぶ。

 

「ちょ! ちょちょ、ちょっと!」

 時雨ちゃんが慌てて、


「シカクたん☆ 浮気したら嫌だお」

 横から僕を覗き込む。


 これは、どんな天国ですか!

 なんて幸せ! ヘブン! マジヘブン!


「あの、僕は時雨ちゃん、単推しなので」

 僕がそういうと、せいみなちゃんは

 予想していたのか、にっこり笑って、


「そうかそうか、推し変する時は、

 いつでも歓迎するからなー」

 そう言って、また僕の顎を撫でた。

 

 大手の人気V、マジ神対応、

 これは好きになるわー。


「良いファンを持ったな、時雨」


「せいみなさんのおかげです」


「立派に人気が出てるようだが、

 今日は負けてやる気は無いからな

 わらわの信者が圧倒的ハート数で

 ソナタの少ないファンも

 龍神教信者にしてやろう」


「そんな事言えるのは、今のうちだから

 みんなの愛は絶対に負けないお☆

 余裕こいてると、みんな

 時雨のファンにしちゃうんだから」


「言っておれ、あとで分かるぞ」


「後悔しても知らないよ」


 こ、これは! 二人共笑顔だけど、

 バッチバチじゃないですか!

 なにこれ至福! 


 しばらく見つめ合ってた2人は、

 ふっ、と笑って、


「今の流れ良かったんで、

 本番でまたやりましょう」

 と、時雨ちゃんが言って、


「タイミングは、時雨に合わせるからな」

 せいみなちゃんも返す。

 

 本番のくだりの打ち合わせだったー!

 ちょ、コラボVの呼吸感すげぇ。


「曲順は、もらったリスト通りです。

 今日は私がホストなので、先行です」


「構わぬ。異存も相違も無い」


「勝敗は各ファンのハート数。

 どのファンもどっちも投げられます」


「わらわが赤ハートで、

 時雨がピンクじゃな」


「それと……黒いアバターが入ってきたら、

 迷わず退出して下さい」


 ん? っと、せいみなちゃんは

 視線を上げる。


「例の、スパムbotか」


「はい、こちらも対策はしますが、

 完全じゃないので、すぐに──」


「断る」


「え? ん? へ?」


「わらわは、リスナーを置いて逃げぬ。

 簡単にやられる気もないが、

 尻尾まいて逃げもせぬ」


 え? ちょ、それ本気?

 僕はビックリして、思わず口を挟む。


「あの、スパム感染したら、

 ログイン出来なくなるんですよ?

 実質、Vライフのアカbanです」


「そんな事は分かっておる。

 数あるプラットフォームの1つ、

 アカbanなんて、怖くもなんともない。

 そんな事の為に

 わらわを信じて来てくれてる信者を

 裏切る事は出来ぬ」


 なるほど。

 せいみなちゃんほど人気になると、

 動画も配信もいろんな所でやってるし

 テレビ露出もある。

 1つ減るくらい、怖くないのか。

 それは強気なはずだ。


「それに、お主が守ってくれるのだろ?」


 せいみなちゃんは、僕をみて、

 それはそれは神々しい笑顔で。


「信じておるからな」


 そんな言葉をかけられた日には


「はい! 任せてください!」

 心から屈してしまいそうだ。


「シカクたん☆ 顔がだらしないぞ!

 浮気したら、時雨、泣いちゃうからね」


 ちょ! 時雨ちゃんも可愛い!

 もう一度言おう!

 

 なにこれ幸せ! ヘブン!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【次回予告】


「それじゃあー! VS歌みたステージ!

 はっじめるよー!」


「先行は時雨から! 曲は、いつものー、

 カラクリピエロシンドローム」


いつも応援ありがと☆ 毎日更新するよ!


【出演Vtuber】感謝御礼!

久不シカクさん

https://twitter.com/cube_connect_

月下時雨さん

https://twitter.com/Gekka_Shigure

(時雨さんは実際は男Vさんです)

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