変わっていく
「なぜそう思った?」
「はっきりとは分からないけど、千夏の顔を見ている時間とか、接する態度とかで」
「よく見てるね」
「こういうのは第三者の方が分かりやすいんだろうね」
そうなると気になるのは、
「美久としてはどう感じる?」
天井を見上げて美久はうなった。
「うーん、やっぱり微妙な心境かな。自分が異性に対してそういう感情を持つのも慣れてないし、しかもその相手が千夏かー。自分としては友達にしか見えないけど、完全に男になったら違うのか」
「自分の方もまだ女性は半分同性に感じるレベルだ。これが本当に恋心なのかはこれから見極めていくよ」
「慎重にやってね。それと、千夏はどう思うかな」
美久に色々確認してきそうだ。「みくちゃんはどう思ってる? みくちゃんもそんな風に思う?」といった感じで。
「場合によってはショックを受ける可能性もあるかな」
「こじれたら困るし、こっちもぎくしゃくするから気を付けてね」
「逆に美久の方は誰か好きになりそう?」
「今のところはまだ、全然。誠が千夏のことを気になってるのもしっくりこないし」
「自分もまだ違和感がある」
「まあ、焦る必要はないしね」
「将来、外国へ行って一旦リセットしてみたいな。お互いの事を誰も知らない街へ」
この美久の言葉には驚いた。
「そうなのか。自分にはない発想だ」
「数日前位に浮かんだアイデアだから。外国というのも一つの例えで、条件が満たされるなら国内でもどこでも。気分を変えたいのと、単純に旅をしてみたいから。ほら、合計28年生きてきて一人前の大人みたいな顔をしているけど、実際の経験値は少ないから色々と体験してみたい」
言われてみると、自分も興味がわいてきた。
「面白そうだ。自分もやってみるかな」
「そう? 誠もやってみるんだったら、お互い別々の所に行って情報共有したら効率がよさそう」
「ドライな発想だな。考えてみるよ」




