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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
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どう生きていくか

 誠であるのが一番の答えとは思えない。でも、一人であったのが完全な状態とも思えない。どうあっても歪だ。結局の所、始まりからまともじゃなかったんだ。ならば納得のいく終わりがなくても驚くことじゃない。人生なんてそんなものだ、と冷笑的になって済むのならそうしたい。

 ため息を一つ、ゆっくりと吐き出す。

「思考は整理できた?」

「前よりは。でも一つ解決しそうになっても、まだ処理できない課題がその先に出来る気がする」

「それは仕方ないよね。とっかかりがあって、少しずつでも前進するならそれで良しと思わないと」

「そうだよな……。前進か。……自分は、これからどこに向かえばいいのかな……」

 両手で顔を覆う。

「自分だって分からない。ただ誠に分かって欲しいのは、戻れないという事。自分たちの意志では。何か条件付きででも、戻れない事を前提に考えていかないと。自分は誰なのか、どう生きていくのか」

 美久に諭される。これは自戒とも言えるのでは?

 受け入れなければいけない。

 だけど頭では理解できてきても、割り切れない。根拠のない希望を捨てきれない。駄目になった訳でも、0になった訳でもないのに、未練ばかり。


 病室で時間を潰して待っていてくれた千夏には、無理して暗い顔は見せないようにした。




 黙々と走りこむ。天気は穏やかで空気も適度にひんやりしていて運動にはちょうどいい。ただしなまった体はいつもより早めに息が上がりだし、足の筋肉に疲労がたまり始めている。

 部活には顔を出すようにした。これ以上迷惑をかけられない。と言っても、これは自分の為でもある。体を動かし、日常を取り戻す。それで心の平穏を得ようとしている。

 政也は喜んでくれた。随分と心配かけてしまった。


 以前のような日常を取り戻したつもりでも何かが足りないという感情は消えない。あるべきものがない。

 相変わらず息着く暇もないぐらいに日付は進み、正常な時間の流れが続いている。今日が終われば明日、明日が終われば明後日と。でも少しずつだけど、今の新しい生活にも慣れてきている。誠側で出来なかったことを美久側でどう継続するかとか、美久と誠での役割分担を練り直すとか、過去の自分で当たり前だった発想も浮かんでこなくなってきた。

 漠然と、自分が誠一人として独立したらどんな人生になるか考えてしまう。

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