表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
半分
69/98

『自分』

 結局何が理想だったのだろう。

 今は千夏という理解者がいる。とても大きな進歩だ。これで別々になっていなければ――。

 そうなのか? 理解者さえいれば2つの一人でも良かったのか? それが理想なのか……? あの歪な形が。

 でも、それに戻りたいと強く願っている。


 千夏はまだ病室にいた。残っていた理由は聞かなかった。話が長くなりそうだから先に帰るよう言っておけばよかった。

「誠君大丈夫? 疲れてるのかな。しんどそうな顔をしてるよ」

「大丈夫……」

 千夏はどんな風に受け入れているんだろう。友人の事故、不可思議な悩み、友人の分裂という状態……。

 美久が横になるのに千夏が手を貸したけど、自分はためらった。横になった美久は疲労の色が見える。

 自分たちが一つではなかったと本気で疑うような場面が、美久の方にはあったのだろうか。もしそうだったとしても、自分には分からない。完全な一つではなかったら共有されない部分があるのだから。

 物体や情報ではなく意志の共有――それは一つの自分だったら起こらない概念だ。

 自分が、完全に分離していってしまう。



 その夜、事故以来初めて泣いた。



*

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ