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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
誕生と異常
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違和感

 そもそも誠と美久の誕生日は同じで、産まれた時間も夜の9時頃とどちらもほとんど同時に産まれている。どちらが本当の自分なのか、どちらが自分にとっての“主”なのか、それとも自分にとってはどちらも比べようのない並列的なものなのか、手がかりは今のところ無い。


 周囲の大人からは同じ年齢の子供より相当頭が良く見えることからほめられることも多く、自分は得意になっていろんなことを勉強し吸収していた。1歳の頃には相当な数の単語をしゃべり、2歳にもなれば複雑な会話もほとんど理解して簡単な算数も解けていたらしい。

 しかしある程度複雑な意思疎通が出来るようになってくると、単に頭の良い子とは思われなくなってきた。

「空想癖のある子だ」

 そう言われることが増えた。

 美久の住む世界と誠の住む世界を区別せずに話をしていたからだ。

 最初は確か、自分の名前を間違えることが多い子だと思われていた。間違いだとは言いたくないけれど――。否定をされていく内に美久の体の時は美久の、誠の体の時は誠の名前を自然と使い分けるようになっていった。

 それでもまだその段階では、反対側の世界の友達についてやそこでの出来事について屈託なくしゃべっていた。例えば美久の時に、お父さんとお母さんが二人ずついるから分かりやすいようにと、

「まことのおとうさんとおかあさん」

 と。それも何度も。悪いことに美久の友達に誠という名前の子はいなかった。偶然にも両親の知る限り、美久に接触した人の中にもそう言った名前の人間はいなかった。誠の側でも事情は同じだった。

「きのうのどうぶつえんたのしかったね」

 そう誠の側で発言した時は、誠の父の動物アレルギーもあり、誠側ではまだ一度も動物園に連れて行ってもらったことがなかった。

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