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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
第三者
47/98

発見

 希望は見えた。写真をもう一度見返す。

 自分達自身を隔てる壁は、ひょっとしたらそこまで高くないのかもしれない。計画を妨害したトラブルも確率は低いとはいえ、発生することは全くあり得ないないものではなく、超自然的なものはなかった。突然の大雨や橋の交通規制、体調不良など繋げて考えれば何かあるようにも思えるけど、でも単体で見れば不思議なことは何もない。それにわずかばかりでも成果を出せた。

 しかしそれでも、壁を超えることは出来なかった。結局計画は失敗し、目的は達成できなかった。

 この写真は希望ではなく、これが限界だという絶望だとするなら――。どうすればいい? あのまま待っていたらどうなっていたのだろう。どうせまた何かの障害が発生したはず、そう思ってしまう。

 つまり現状は、何も変わってはいない。写真を共有できた喜びがあっても、冷静になってくるとその事実が重くのしかかってくる。

 そして、これからどうするのか。

 また会いに行くべきかな。今回の結果を踏まえて、時間の確保とトラブルへの対策を徹底的にして、それとも……、今回の失敗で得られた情報をもとにより深く思考するべきなのか。

 しかしその前にする事がある。



「はい、杉本です」

 電話越しの杉本さんの声は前回よりも覇気がなさそうに聞こえた。

 連絡先は昨日の夜に適当に理由をつけて、蒼太さんから聞いた。

「美久です。先日はありがとうございました」

「ああ美久さん。いや、大したことはしていないよ」


 昨日の計画失敗の後、帰りのバスの時間まで寒さをしのぐために、一旦駅構内に避難した。

 すると、

「あれ、美久さん? ……どうしたの、大丈夫?」

 たまたまそこで杉本さんと居合わせた。左手にビニール傘を持っていたが、強い風雨のせいかシャツを結構濡らしていた。よほど体調が悪そうに見えたのか心配そうにした杉本さんは、暖かいココアを買って来てくれた。


「あの時伝え忘れていたんですけど、お会いする少し前に、あそこで杉本さんにそっくりな子供を見たんです」

「え?」

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