発見
希望は見えた。写真をもう一度見返す。
自分達自身を隔てる壁は、ひょっとしたらそこまで高くないのかもしれない。計画を妨害したトラブルも確率は低いとはいえ、発生することは全くあり得ないないものではなく、超自然的なものはなかった。突然の大雨や橋の交通規制、体調不良など繋げて考えれば何かあるようにも思えるけど、でも単体で見れば不思議なことは何もない。それにわずかばかりでも成果を出せた。
しかしそれでも、壁を超えることは出来なかった。結局計画は失敗し、目的は達成できなかった。
この写真は希望ではなく、これが限界だという絶望だとするなら――。どうすればいい? あのまま待っていたらどうなっていたのだろう。どうせまた何かの障害が発生したはず、そう思ってしまう。
つまり現状は、何も変わってはいない。写真を共有できた喜びがあっても、冷静になってくるとその事実が重くのしかかってくる。
そして、これからどうするのか。
また会いに行くべきかな。今回の結果を踏まえて、時間の確保とトラブルへの対策を徹底的にして、それとも……、今回の失敗で得られた情報をもとにより深く思考するべきなのか。
しかしその前にする事がある。
「はい、杉本です」
電話越しの杉本さんの声は前回よりも覇気がなさそうに聞こえた。
連絡先は昨日の夜に適当に理由をつけて、蒼太さんから聞いた。
「美久です。先日はありがとうございました」
「ああ美久さん。いや、大したことはしていないよ」
昨日の計画失敗の後、帰りのバスの時間まで寒さをしのぐために、一旦駅構内に避難した。
すると、
「あれ、美久さん? ……どうしたの、大丈夫?」
たまたまそこで杉本さんと居合わせた。左手にビニール傘を持っていたが、強い風雨のせいかシャツを結構濡らしていた。よほど体調が悪そうに見えたのか心配そうにした杉本さんは、暖かいココアを買って来てくれた。
「あの時伝え忘れていたんですけど、お会いする少し前に、あそこで杉本さんにそっくりな子供を見たんです」
「え?」




