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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
第三者
45/98

結果の分かっているチャレンジ

 学校は予定通り午後の授業の前に早退した。13時、学校からバスターミナルまではバスを使って40分。誠は粘って4時まで待っていた。バスにトラブルがあっても徒歩で最短距離を行けば一時間半程度でたどり着くはず。普通に考えれば何も問題はない。しかし悪い予感は拭えない。


 到着時点で既に遅れが見えるバスは、大雨の影響で発生している渋滞に巻き込まれて遅々として進まない。車の群れに取り囲まれたままだ。

 バスの中で車窓からの情報を基に現在位置を割り出しながら、徒歩に切り替えた場合の到着時間を何度も計算するけど、徐々に思考がまとまらなくなっていく。

 まずい。頭がぼーっとして、寒気と強い倦怠感が出てきた。急激に体調が悪化している。風邪だろうか。このままいったら走る体力もなくなっていき、往生したバスの中で時間切れになる。

 窓に頭を預け、少しでも楽な体勢を取る。もう失敗するのは決まっているのだから、という声が心の奥でする。それでも、次のバス停に停まった時にバスに見切りをつけて雨の中を歩き出した。


 体が重い。この大雨と風の中、走るのは無理だ。バスで来れたのは駅までの道のりの半分しか行っていない。時刻は14時50分。大雑把な計算で徒歩ならあと45分はかかる。天候や体調面を考慮して、1時間かかったとしても15時50分に着く。何とか間に合うはずだ。

 雨と体調悪化の影響はきつかったけど、必死にペースは落とさないように歩き続ける。冷たい風と時折顔に当たる雨粒が、寒気の増してきた体にはつらかった。

 何だろう? 進行方向の橋の辺りに誘導ライトを持った警備員が立っていて、車が何台も固まっている。交通規制だ。しまった。大雨による増水の影響か、橋が通行止めになっている。

 他の経路を考えるけれど、ここ以外の橋は距離があり、迂回すると到底間に合わない。

 タクシーも捕まらない。仕方なく、近くの停留所に停まったバスにあきらめて乗り込む。もう誠に会うのは絶望的だ。美久側になったことで、動ける誠の方が会いに行かなかった判断が誤りだったと分かったけれど、後の祭りだ。

 でも、せめて誠がそこにいた時間から大幅に遅れることは避けたい。

 バスはゆっくりとだけど進んではいる。


 駅が雨の向こうに見えた頃には、誠が乗っている新幹線の姿は無かった。バスターミナルに到着したのは16時15分。誠として行動した通り、待ち合わせ場所に誠はいなかった。

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