表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
第三者
44/98

結果

 あっという間に30分が過ぎる。タイムリミットが近づいてくる。あと30分、3時の新幹線に乗らなければ母が家に帰る7時半には間に合わない。


 本当に美久と誠は同じ世界に存在しているのだろうか。自分の知っている美久は、この自分の知っている街にはいないのか。美久の側で見ていた世界を誠一人で見続けると、初めて美久の存在が幻だったのではないかという考えが浮かんできた。それとも、美久の存在が、会いに来たせいで消え去ってしまったのか。


 一時間以上オーバーし、4時まで粘っても美久は現れなかった。



*



 計画が失敗に終わった後の美久側での目覚めは最悪の気分だった。

 確かにあの大雨では、あれ以上遅くなればその日中に帰れない可能性もある。でも待ち続ければ会えるという希望があれば、それでも待ったかもしれない。

 希望は持てなかった。どこかあきらめがあった。あの豪雨では美久に予定外の何かがあってもおかしくはないと。

 鏡で自分の姿を見る。あれ程見たかった美久の顔が映る。でも、これでは意味がない。

 美久の側になっても、結果を覆せる方法は見つからない気がしている。誠側ですでに自分同士が出会えなかった。これまでに未来のことを――不自然に忘れてしまうとはいえ――片方で先んじて知ることは出来たけど、過去を変えることが出来たことは、一度もない。

 朝から待ち合わせのバスターミナルに行ってずっと待機してみようかとも思った。しかし誠が来るまでかなりの時間がかかる。その間に何かが起きて無駄になるだろう、と考えてしまう。どうせうまくいかない、と。なにより、そこまでの気力が出てこなかった。

 結果はすでに出てしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ