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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
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何気ないひと時

 一人で考え続けるだけでは最終的に同じようなところに行きついてしまう。悲観的な考えを捨てきれない。

 あきらめるかしないのかな。高名な科学者でも宇宙の謎を解き明かせないように。自分は、実際は何も理解できていないのかもしれない。たとえ自分と同じような悩みを持った人がいたとしても、それを見つけ出す術も知恵もない。



*



 部活の帰り道、コンビニに寄って買い食いをする。うちの学校ではコンビニに寄るぐらいではあまり厳しく怒られない。政也はうんうんうなって品定めをしているけど、自分は安い菓子パンを一つ選んでさっさとレジに持っていく。

 パン二つに肉まん、フライドチキンにコーラと大量の商品を隣のレジで買っていた菊池には、

「それだけでいいの?」

 と聞かれたけど仕方がない。

「節約してるから。家に何かあると思うし。それより買いすぎじゃない?」

「だってお腹減ったし」

「うん、それは分かるよ」

 たくましい、けど少々柔らかそうな腕で大事そうに食べ物を抱える菊池。最近時々一緒に帰るようになって、そのぽっちゃり体型の理由がよくわかった。

 先に菊池と一緒に店を出ようとしたところで、自分達が会計を済ませたことに気づいたのか政也が慌ててレジに向かった。

 イートインで食べながらしばらくダラダラとしゃべる。話題は今度の練習試合のポジションについて。

「太田と飯田はいいよなあ。俺先輩引退したのに試合に出れるか微妙でさあ」

「大丈夫だって。菊池は当たり負けしないから頼りになる時多いよ。ただ……」

 政也は言い淀んでいるけど、視線が菊池の柔らかそうなお腹の出っ張りに向いてる時点で何を考えているかはバレバレだ。菊池もそれに気づいたようで、

「そうだよなー。俺パワーがあってもスピードないからなあ。やせれば何とかなるはずだけど」

 そういいながら半分だけ残っていた肉まんを一口で食べる。どの程度やせる意志があるかは不明だ。それと、

「食べるスピードは速いよね」

「いやー」

 と言いながら菊池は頭をかいた。もしかしてほめられてると思ってる?

 ひとごこち着いたのか満足そうな表情になった後、反対側を向いて小さくげっぷした菊池に対し、

「あのさ、やっぱり食べる量はちょっと減らした方が」

 政也がおずおずと指摘したけれど、

「そうかもねー、ははは」

 と意に介していない。

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