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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
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計画

 図書委員の仕事は訪れる生徒がいなければ特にすることがない。図書室の照明はいつも少し暗めで、今の様に夕日が差し込む時間帯には部屋の中がオレンジ色に染まってしまう。窓側の本棚に配置されている本が全体的に日に焼けているのは、委員になった初日の掃除の時に気づいた。今日もまた一層日に焼けているんだろう。10月に入っても夕日に長時間当たった左腕が熱くなってきたため、カウンターの中で座る向きを変える。

 読書は比較的好きだ。ただ単純に面白いというだけでなく、自分の現象についての何らかのヒントがないか、同じ境遇の人間がいないかということで昔から本はよく読んでいた。なのでもはや習慣になっている。本が自分たちの異常性に気づいたきっかけになったのも大きいと思う。SF、科学の解説書、私小説、ノンフィクションなどなど。二重人格についてや双子やシンクロニシティ、ちゃんとした科学的な調査・研究結果だけでなく怪しい都市伝説、様々なミステリーやオカルトなどを調べたりしたけど、全く同じ境遇の人間については未だに行き当たっていない。少なくともフィクションでないなら、こんな非科学的な現象についてまともな書物が取り扱わないだろう。SFなら近い設定のものもあったけど、それを現実に応用することは難しそうだった。

 そう――、自分たちの状態はあり得ない非科学的なものであり、その上何の証拠もない。

 改めて考える。今は美久だけど、一晩寝てしまえば誠になることは生まれてこの方繰り返し続けていたため、何の疑いもなく確信できる。しかしそれを第三者に証明するものは何一つない。魂の存在を測定できるほどの超科学が存在すれば別だけど。互いに連絡を取ろうとすれば電話もパソコンも手紙も、一切の通信手段がなぜか不具合を起こし、片方の側で知りえたその日起こった出来事を、もう片方の側で伝えることはできない。

 このような場合でも、SF小説や映画のような物語ではどこかで状況を変える糸口を見つけ、その構造を解き明かしたり超人的な行動で突破口を開いて解決するのだけど、自分にはあの計画をのぞけば何も手立てがない。


 貯金はもう少しで目標額に届きそうだ。

 せめてこれで、何かが変われば。

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