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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
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信じてもらえない、ということ

 今朝会った近所のお姉さん。おばさんと呼んだら怒る人だ。臨月だという大きなお腹を抱えていた。悪い人ではないけれど、実は昔から距離を感じてしまっていて、出会っても会釈するだけの関係だった。


「どうしてそんな夢みたいなこと言うの? そんなことある訳ないじゃない。おかしなことを言う子ね」


 そう言って、この人は幼かった自分の話を絵空事だと断じた。

 今でも時々頭によぎる。子供の頃の親や周りの大人たちの『何を言っているかわからない子』、『空想の世界と区別がついていない』、『賢いけど他の子と何か違う』といった囁き声。聞こえてないと思っているのか、聞こえても子供には理解できないと思っているのか、遠慮のない言葉がそこにはあった。子供は案外、大人たちの話を言葉そのものは理解できなくても感じ取っている、それが常人の倍の時間を生きている自分ならなおさら――、耐えられなかった。

 美久の両親には誠の側の人間や世界は存在しないのだと教えられ、誠の両親には美久の家族・友達はいないと諭され――。

 人に自分たちの仕組みを訴えることを辞めてからも、普段と変わらないように過ごしていた。――いつものように過ごそうとしていた、疑問は胸に秘めたまま。

 そして、ただただどうすれば良いかわからず悩み続けていた。

 ――それは今も同じ。どうするべきか光明さえ見えず。

 苦しかった。

 寂しいことも多かった。

 4歳ごろ、美久の母に教えてもらった卵焼きを誠側で成功させた。でも当たり前だけど、教えてくれた美久の母には褒めてもらえない。誠の母は、教えてもいないのにどうしてできるの? と驚いていた。

 次の日、今度は誠の父に聞いた星の知識を美久の家族の前で披露した。「すごいね」と褒められたけれど、どこでそのことを覚えたかは言わなかった。

 どちらの家族も大好きなのに、お互いがその存在を知らない。それについて話すこともできない。

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