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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
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自分同士の対面

 誠の方からにしたのは母がパートなどで出かけることが多く、帰ってくる時間も計算できるので都合がいいから。誠の住む埼玉県の大宮からこの兵庫県の姫路までは、新幹線などを乗り継ぐと約四時間半。徒歩移動も含めると五時間強になるみたいだけど日帰りは可能なはず。資金は誠の側でコツコツと貯金してきた。誠の小遣いはあまり多くないけど、美久の方は家に誰もいない状態になることが少ないため仕方がない。その代わり普段から、誠側で必要なものは出来るだけ美久の方で購入するようにしている。今日は放課後に漫画が発売されていたはずなのでこちらで購入予定。ただこういう情報系はともかく、物理的なものの持ち越しは無理なので、節約できる機会は限られている。

 自分同士の対面――それに過剰な希望は持たないようにしている。

 良く無い結果が起きることだって考えられる。同一の時間と空間で、一つの自分同士がそれぞれ向かい合うのだから、例えばタイムパラドックスなら――主観で一日ずれているだけとはいえ――別時空の同一人物が対面することで時空がゆがんでしまうかもしれない。ドッペルゲンガーなら出会ってから近いうちに死ぬ。

 姫路まで行っても出会えない可能性もある。電話やメールで連絡が取れないように、不自然にすれ違ってしまうかもしれない。対面することに何の意味もないかもしれない。

 それでも――。何かを前進させたい。

 自分は臆病だ。昔の出来事からか、人に打ち明けたり手助けを頼むことに強い抵抗感があるように思える。そのせいで自分で選択肢を狭めてしまい、その結果、可能性の薄い計画に向かっているのかもしれない。

 そうだとしても……、何か手掛かりが欲しい。自分がどうすれば安定するのか。このままでいいのか、このまま誰にも理解されないまま。これからどうなるのか、自分はどうなりたいのか。何が正解なのか。

 もし本当に自分同士が対面することが出来れば、何かが変わるかもしれない。



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