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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
25/98

クマのぬいぐるみ

 思った以上に遅くなってしまった。莉子達を促し、荷物(ほとんど使われなかった勉強道具)を手早くまとめる。帰りは明かりが少ない川沿いの道を通るので早く帰らないと。

 トレイを片付けに行った時、袖のボタンに莉子のカバンについているストラップが引っかかった。

「あっ、ごめーん」

「ちょっと待って莉子。そのまま動かないで。外しにくくなるから」

 去年ぐらいに流行ってた目つきの悪いパンダのようなキャラ、そのストラップの紐に絡まっていただけなので、外すのはそれほど苦労しなかった。外し終わった後、莉子にしては古めのキャラを付けているな、と疑問に思って聞いてみると。

「え? まあ何となく……」

 と歯切れの悪い答えが返ってきた。すると奈良原さんが、

「莉子、それ結構大事にしてるよねー」

 とニヤニヤした顔でストラップをつついた。

「いいでしょ、別に」

「折角もらったもんね」

 ああそういうことか。いろいろ話してはいたけど本命はちゃんといるわけか。そういう事ならばストラップを傷つけずに済んでよかった。

「詳しくは聞かないけど、うらやましいことで」

「うるさいな!」

 莉子はそのストラップが見えにくくなるようにカバンの持ち方を変えて、

「もう帰るよ!」

 と急かした。

 莉子のパンダのストラップを見てふと思い出した。最近見ていなかった、子供のころに買ってもらったクマのぬいぐるみのことを。



 それは幼稚園の入園祝いにプレゼントされたもの。買ってもらったのは当然美久の方で、ふわふわの手触りと 分かりやすくデフォルメされたとぼけたような表情が気に入って、もらった日は一日中抱きかかえていた。ベッドに入る時も一緒だったけど、誠に変わった時には当然そのぬいぐるみはいなかった。

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