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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
22/98

それぞれの友達

*


 太田政也(おおたまさや)は小学一年生からの幼なじみで、今はクラスも同じで部活も同じだ。家も結構近い方で一緒にいる時間は長いけれど、もし美久側の時に偶然街で出会っても、政也にとっては赤の他人だから何も反応を示さないだろう。

 逆に目の前で話をしている莉子と奈良原さんが誠と出会っても同じだ。

 昨日の夕方から久々に自分の人生を考えすぎた後遺症で、ついそういった物思いにふけってしまい、そのせいであまり会話の中に入っていなかった。

「男の子の考えてることってよく分かんないよねー」

 なので、莉子がどういった話題からこの台詞を言っているのかは今一つ状況が掴めていない。

 男の子の考えていること、自分ならよく分かるよと言ってしまいそうになるけれど、とりあえず黙っておこう。

 状況を整理してみる。今日は珍しく奈良原さんの部活が休みのため、三人で連れ立ってショッピングセンターのフードコートに来て、楽しくおしゃべりを始めた所だった。

 莉子が頬杖を付きながらストローで飲み物をぶくぶくさせるのをマナーが悪いとたしなめ、なんでそんな話になったのか奈良原さんに尋ねると、

「莉子がこんなこと言いだすのはよくあるから」

 と、事もなげに答えてくれた。

「あーっ、そういう言い方ないでしょ。人が悩んでいるっていうのに」

 莉子の二回目らしい説明によると(三回目はないからねと釘を刺された)、この前クラスで男子の取っ組み合いの喧嘩があって、その当事者の二人がさっき仲良く一緒に帰っているのを見たそうだ。

「何だろねー。あたしだったらそんな奴と一生口きかないのに」

「莉子は執念深いからね」

「なによーー!」

 奈良原さんの茶々に莉子は脇の下をくすぐるという形で対抗した。

「ぐふっ、ぐひゃっ……やめっ!……ぐふふ……」

 不思議な喘ぎ声で奈良原さんは悶える。最近気づいたけど、奈良原さんはたまに変な笑い方をする。

 冗談めかしているけど、莉子はこの件には少し思う所があるのかもしれない。二年生になってから、莉子は独りぼっちだった。正確に言うと5月から独りぼっちになってしまった。莉子は二年生になって奈良原さんと別のクラスになり、最初の内はある女子たちの、どちらかと言えば目立つタイプのグループにいたことは覚えていたけど、途中から急に一人になっていた。ちょっとしたことで喧嘩になったとか、そりが合わなかったとか、色々理由はあるみたいだけど。そんな時に実習で班が一緒になり、結構な量の愚痴を聞かされている内に何故か懐かれて友達になっていた。

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