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2/1 -いちぶんのに-  作者: 藍内
それぞれの自分の世界
12/98

誠側の生活

*


 誠側の1日は中々忙しい。サッカー部の練習が週6日あるからだ。

「上がれ上がれー!」

 今日は近くの中学との練習試合で、幼なじみの政也(まさや)と一緒にレギュラーとして出ている。

 中盤から前線にパスを送ると、政也が体を張ってキープする。そしてDFの一瞬の隙をついて体を反転させる。

「行けー!」

 体勢を崩しながらも政也は強引にシュートを放つ。GKが横っ飛びになっても届かず、ボールはゴールネットを揺らす。

「やった!」

「さすが政也!」

 歓喜の声が上がり、自分たちと同じチームの人間が政也を取り囲んで手荒い祝福をする。政也ははにかんだような笑顔を見せた。

 その直後にまたチャンスがやってきた。

 サイドからセンタリングが上がると、政也がその体格を生かしてDFに競り勝ってヘディング! しかし今度は間一髪でGKが反応し片手一本ではじかれた。

「ああー」

 落胆の声が上がるが、ボールがはじかれた先はペナルティエリアに詰めていた自分の前。後はゴールの空いたスペースに放り込むだけ。

 この試合2点目が入り、今度は自分がもみくちゃにされる。

「痛い痛い、ちょっとやめて」

 チームメイトを振り切った後、喜んでる政也とハイタッチを交わす。

 練習試合はそのまま2―0で勝利した。


 政也は一年の頃からエースで不動のレギュラー。自分の方は中学に入ってからサッカーを始めたけど、一応レギュラーの扱いにはなっている。

 もともと中学でサッカー部に入る予定はなく、特に興味もなかったけど政也に誘われて入ってみたら、

「やっぱり誠は才能あるよ」

「頭がいいからかな。戦術とかテクニックとか覚えるのが早い」

 と、ことあるごとにおだてられて、結構気分よくプレーさせてもらってる。多少うまくなった今から思えば、あれはほとんどお世辞だったけど。でも監督も先輩も割と大らかで、みんな伸び伸びとサッカーできる、いい雰囲気のチームで気に入っている。

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