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TRIP!!  作者: すももっち
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好奇心は止まらない

マーサは禁断の島に行きたいという旨を国王、つまり父親に伝えた。

そしたら、やはりそれなりの攻撃を食らったらしく、玉座の間から帰って来たマーサはフラフラしていた。

しかしどんな秘策を使ったのか、しっかりと許可を得てきた。

そして当たり前の如く、条件も出された。

1つ、王子であるとばれるな。

まぁこれは当たり前だな。

2つ、問題を起こすな。

これは無理な気がする。

俺たち人間がその禁断の島に足を踏み入れるだけで、むこうの奴らにとっては問題だろうし。

3つ、死ぬな。

親の愛情だな。

あの国王にもそう言った感情がちゃんとあるじゃないか。

あくまでもお忍びの禁断の島の訪問なので、ぞろぞろと人を引きつれて行く訳にはいかなかった。

しかし、もしものために守ってくれる奴が必要だ。

神の力でアリスになんとかしてもらおうとも思ったが、所詮は見習いだ。

期待は出来ない。

多くても2人が限度だろう。

1人はやっぱりクロードだな。

もともとマーサの護衛な訳だし、クロードならマーサをきちんと守ろうとするはずだ。

あともう1人は…。

「リッドマンを推薦いたします」

クロードの無表情に対して、失礼かもしれないが俺は笑いそうだった。

また男臭い名前が出てきたもんだ。

「まぁ、彼なら実力も申し分ないが…」

マーサはあの変態の喋り方をしながら口籠もった。

結局もごもごするなら、そんな喋り方は意味がないので、さっさとやめた方がいいと思う。

鬱陶しい。

「嫌なのか?」

「嫌というか…。多少性格に問題が…」

「性格?」

俺はクロードに視線を向け、しかしクロードは相変わらずの無表情で、役に立ちそうにない。

「そんなに変な奴なのか?」

マーサはうーんと唸った。

「変とかではなく…、余と合わないというか…」

もごもごもご…。

つまりあれだ。

「苦手なんだな」

「そう!あ、いや、違う!」

「「………」」

俺はともかく、クロードまでもがなんともいえない表情をマーサに向けた。

何度も思うようだが、マーサのこういうところは、王子らしくない。

直して損はないだろうな。

俺が俺の世界に帰るためには直すべきだ。

それは追々やるとして、今はリッドマンだな。

マーサが苦手と聞いても、いろんなタイプの人間が浮かんできて、ピンとこない。

今度こそクロードが役に立つだろうか。

「なぁ、そのリッドマンって奴、連れてこいよ」

「え!?」

マーサは顔を歪ませた。

俺はクロードに言ったので、マーサの言葉は無視した。

俺はクロードの返答を待ち、そのクロードはマーサを伺った。

「よろしいですか、マーサ様」

マーサは強く首を横に振った。

あまりの力強さに、落ち着けと言ってしまいそうになった。

「僕は会いたくない!」

「あ、普通…」

話し方が普通になったところを見ると、相当イヤなのだろうか。

ガキだな。

仕方がないので、俺はクロードの先導でリッドマンに会いに兵舎なる場所に向かった。

そうそう。

さっきからアリスの存在が姿を眩ましているのだが、アリスは禁断の島に行くにあたって、

「私がなんとかしてあげる」

と言ってどこかに飛んで行ってしまった。

見習いとはいえ神様だから心配はしていないが、いったい何をしてくれるのであろう?

船とか持ってきたりして。

そしたら船員も稼がなきゃいけなくなるのか。

船は勘弁願いたい。

どうせならドラ〇もんのどこでもドアみたいなのだったらいいんだけどな。

いっそのことアリスがドラ〇もんだったら、めちゃくちゃ楽だったんじゃ…。

いや、これ以上はやめよう。

ロボットに負けた神様なんてかわいそうだ。

「ここで待っていろ」

クロードがそう言って俺を足止めしたのは、たぶん兵舎であろう部屋(半小屋)の入り口だった。

ここで待てってか?

「…なんで」

はっきり言って、ここで足止め食らうのは嫌だ。

ほぼ外だ。

渡り廊下とか、そんな感じの場所だ。

風がビュービューひっきりなしに吹き続けて、つうか強すぎなんだけど。

理由はそれだけじゃない。

兵舎というものが見てみたい。

「呼んでくる」

クロードは無表情に言い放ち、兵舎へと足を動かした。

俺はとっさにクロードの腕を掴んだ。

「俺も入っていいだろ?」

クロードは俺を奇異なモノでも見るような目で見返し、別にと言って腕を振り払った。

その力強さに思わず2、3歩後退した。

「構わないが良いものではないぞ」

「なんで」

「………」

クロードは押し黙り、しばしの沈黙を守った後、その入り口を開けた。

百聞は一見に如かずってとこか。


リッドマン、そして兵舎。どんなんでしょう。

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