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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夢見荘の悪魔

作者: 坂口あらた

今日見た夢をプロットにしたら良い感じにまとまったので描き殴り。


私は強情だ。


何故ならば目の前の路上で友人が複数の男に殴られ、蹴られていても見て見ぬふりをするからだ。


何故か?


それは彼自身が解決することであって私が解決してはいけないものだからだ。


私は彼に背を背けその場を後にした。


ある夜私は見知らぬ屋敷の中に立っていた。


目の前の大階段上には長身の男が1人。そして友人と3人の男。


大広間に私を含め5人の者が集まった。


長身の男は言った。

「この屋敷から出たければ己の罪を告白しなさい。さすれば君たちはここから出ることが叶うだろう。」


己の罪を告白。


この面子を見れば粗方予想は付く。


しかし自分の中でそれを罪という意識にすることをまだできそうにない。


友人は辺りをきょろきょろと見回すだけで何かをしようとする気配もない。


3人組の1人。彼をAとする。Aが怒声を散らし、長身の男に暴力を振りかざす。


しかし彼は傷一つついてない。


彼を殴ろうとしたときAが自ら拳を止めたのだ。


小刻みに震える身体に戸惑うA。


長身の男は目の前の彼に呟く。「この屋敷では暴力を振るうことはできない。屋敷のモノを壊されても困るのでね。もう一度言う。君の罪を告白しなさい。」


そう言うと彼は奥へと去っていく。


Aは戸惑いながらももう一度彼を襲った。しかし拳は一歩男に届かない。壁を殴ろうとしても、蹴ろうとしても、全ての暴力が自分の意志では破壊することができない。


彼らの最も得意とするものが封印されたのだ。


こうして私と友人、彼らとの奇妙な生活が始まったのだ。3人組は友人に罵詈雑言を言いながらも屋敷から出る方法を探した。


基本的に男は寝室と書斎を行き来するのみだ。


友人と私は男に様々な質問をぶつけた。何故こんな悪趣味なことをするのか。何が目的なのか。


男はのらりくらりと会話をはぐらかす。友人は日に日に彼に対して恐怖が増していくようだった。


数日が経ち、Aとつるんでた男が1人根を上げた。


自らの罪を告白すると彼は泡のように消え去ったのだ。


驚く我々をよそに長身の男は不気味な笑みを浮かべている。これは本当に解放されたのだろうか。


友人はただただ怯えていた。その日から1日も経たない内にもう1人が泡へと却った。


残りは3人となった。Aはひたすら怒鳴り散らす。そんな日が数日続く。が、彼もまた自分の罪を告白し泡へと却っていった。


友人と2人っきりになった時、私は多くの事を話した。あの時見捨ててすまなかったと謝罪もした。しかし、私は泡になることはなかった。友人は私の話を聞いてもう許してくれとひたすら謝罪をし始める。


長身の男が近づいてくる。


「まだ君は罪を告白できないのか」


私は謝罪したのに何故彼が謝り続けるのか?


それを理解することが私には出来なかった。


友人が戸惑う私を見て呟く。


「君は狂っている。目を覚ましてくれ。僕が君を見捨てたのだ。もう君とは関わりたくなかった。」


私は答えた。


「何を言っている?それに1番狂っているのはこの男だろう!我々を閉じ込めて楽しんでいるではないか!?今もただじっと私たちを見てほくそ笑んでいる!」


男は今までにない声で笑った。


「もう彼も罪を告白した。もう私がいる必要はない。君も夢から覚めたまへ。」


そう言うと男は静かに消えていき辺りに異臭が放たれる。


目の前には裸にロープで縛られた友人と、バラバラに解体されたであろう人であった塊が綺麗にベットの上に並んでいる。


ここは私の部屋だ。


「昔からそうだ。君は嫌な事をされると何倍にも返す。問題を起こした君は私の地域からいなくなった…!君が怖い…私を友人と呼ぶが君とは少しだけ会話をしただけだ…!あの時君と目さえ合わせなければ…

こんなことにはならなかったと今でも後悔している…早く彼らみたく殺してくれ…!僕は疲れた。」


そうか私が1番狂っていたのか。


部屋に立ち篭める異臭で近隣の住民もさすがに気付くだろう。


私に父と母はいない。


叔父から借りたこの部屋で、両親に恩がある叔父が様子を見に来るのは稀だ。


彼が言うように私は問題児であるからね。


彼を殺そうが私は捕まるだろう。


いや、正気を戻した私は警察に連絡をするかもしれない。


ここから先、私がどうしたかはわからない。


なにせこれは夢なのだから。



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