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千波と  作者: 久木
7/13

千波の転勤

8月のマラソン大会が終わり、9月に入ったと同時に千波が転勤となった。

私はすかさず、

「異動出たね。森山さんなら、新しい部署でもばっちりお客様に好かれるよ。落ち着いたらまた飲もうね。」

とLINEした。

「くわっち、ありがとう。久々の転勤不安だけど、頑張るね。連絡待ってるよ。」

との事だった。

それから9月の中頃になり、たまたま千波の営業所に電話を掛けたら、なんと千波が出た。しかし、何だか暗い、と言うより、言葉の歯切れが悪く、何かに抑圧されているのがわかる。

「お電話ありがとうございます、○○営業所、森山です。」

「お世話になっております、××営業所の桑村です。」

「あ、くわっち。どうしたの?」

「ちょっとあの書類の事で、どちらに送らせて貰えば良いかと思って。新しい部署は慣れた?」

「私宛に送って貰えれば良いよ。うーん、一つ一つ確実にやってく日々だよ…。」

「わかったよ。それにしても疲れてない?大丈夫?」

「うーん、毎日が勉強だから…。」

これは何かある。イケイケの千波がここ迄抑圧されているのは、初めてかもしれない。


それから、山木次長が察したように、○○営業所の副所長が、ひねくれ者の女性管理職だと言っていた。やたら細かく、融通が効かず、部下イジメの得意なタイプだと。間違いなくこいつが原因やな。

私は千波を元気付けるべく、飲みに誘うことにし、LINEを送った。

「新しい部署は大丈夫? 細かい上司なんか気にせず楽しく飲もう。今度はもつ鍋行こうよ。」

「くわっち、もつ鍋楽しみ☆ 新しい上司は仕事に堅い方だよ。」

これは無理に合わせようとしてるように思う。

そうして、いつもの駅からは少し離れた繁華街の地下鉄駅を待ち合わせ場所に指定し、10月に会うことにしたのだ。千波を元気付ける為、ハロウィンのお菓子を携えて。

しかし、今回は二人きりとは行かなかった。

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