立てば平凡座れば普遍、歩く姿は世俗的
やぁみんな!僕は、ほとんどの人が知っているとは思うけど、小竹笠 小雨!大学生!
身長は158cm、体重は47キロ、年齢は19歳!
将来の夢はメークインとキタアカリを交配させてキラークイーンを作る事!
実は僕はこんなにテンションは高くないのでそろそろやめようと思う。
僕はただの大学生だが、何故か知り合いは頭のおかしいやつばかりだ。
筆頭が柘榴さん。世界最強で最高で最硬だ。
あとは馬鹿みたいに頭のいい話の通じない子供とか、蟻を殺して喜ぶような女子中学生とか、常に服の袖にスタンガン忍ばせてる男子高校生とか、まともな人は一人もいない。
少しも気にしてはいないけど、友達と呼べる人もいない気がする。
なぜか僕は柘榴さんの事務所(何でも屋だ)の助手とでも呼んでいいのかわからない立ち位置に僕はいる。
今回荒野にいるのもその為だ。
これまでも偽札工場を封鎖したり大規模殺人事件の犯人を退治した(少しぼかしてが入っているが、理由を察してほしい)りした。
残念なことに僕は給料制なのでどれだけ仕事をしても入る量は変わらないし、そもそもバイトなのに夜中に呼び出される事もある。(バイトなのに給料制だ。)
だから僕は柘榴さんを少し恨んでいる。
…話を変えようか。
僕は今、どこか(少なくとも日本ではない)の荒野にいる。
柘榴さんに連れて来られた。絶対に許さない。
さっきから日本刀を持った人(僕が気絶していたのはこの人のせいだ)やら薙刀を持った人やらよくわからない人に襲われている。
はっきり言って鬱陶しい事この上ないし、
薙刀を持っていた人のせいで僕はいま柘榴さんに担がれているわけだから、
これ以上来ないことを祈りたいが、あと五人はいる気がする…
まぁ僕に危害が来ることは無いと思うが(柘榴さんが負けることはないだろうし)
側から見るのも中々退屈なのでもう来ないでほしい。
と、前方(今の僕の状態からすると柘榴さんの後方だ。)から音がした。
「柘榴さん…きましたよ…」
柘榴さんに声をかけるが、言い終わる頃には僕は空中にいた。
投げられたのだ。僕が地面につく頃にはもう二人とも臨戦態勢に入っていた。
今度の男は武頭身殴と名乗った。どうやら武器は持たないステゴロらしい。また「手合わせ願いたい」なんて言っている。
「柘榴さん…ちゃっちゃと終わらせてくださいね…」
「わかったよ、わかったからちょっと離れてろ」
はっきり言って柘榴さんが負ける訳がない。
柘榴さんの体は核でも傷一つ付かない。らしい。
一人目の日本刀の人…人斬と言ったか…も柘榴さんを切りつけた途端刃は砕け散り、次の瞬間には人斬は地面に埋まっていた。
今回もすぐに終わるだろうと思っていた。
しかしそうはならなかった。
身殴は殴りかかってきた柘榴さんを投げ飛ばしたのだ。
柘榴さんは首を傾げているが、横で見ていた僕にはわかった。
どうやら身殴の武器は合気道らしい。動きがとても滑らかだ。相当な実力だろうが、柘榴さんと対峙したのが運の尽きだろう。
心の中でそっと手を合わせるが、目を開くと驚くことに二人は善戦していた。
というか、柘榴さんが押されているように見える。
「はっはっはっはっはっはっは!世界最強の全身硬器がこんなもんか!」
「くっそ話せ変態!痴漢だぞ!訴えるぞ!」
柘榴さんは極限まで硬いのだが、力は凡人より少し強いくらいなので(それでも地面に生えている木を力づくで引き抜くくらいはある)完璧に押さえ込まれると逃げようがないのだ。
「柘榴さーん、早くしてくださーい。」
「あとで抜け出したらお前殺してやる!手伝えテメェこのやろう!」
「はぁ、わかりましたよ…」
手伝う、と言っても僕は人並み以下の力しかない。実は僕の方が強いとか、技術が圧倒的だとか、そんな感じのものは大嫌いだ。
真っ向からやりあっても3秒後にはお陀仏だろう。
だが、自分が勝っていると思っている相手に対してなら、多少は利がある
「ねぇ、お兄さん」
「はぁ?なんだお前」
柘榴さんを組み伏せたまま、目線だけこちらに向けて答えてくる。やりやすくて良い。
「知ってますか?柘榴さんって結構弱いんですよ。まぁ貴方みたいなのに負けるくらいだからわかるでしょうけど」
この時点で少しイラっとしているようだ。
気が短い人は楽で良い。
「あぁ?俺みたいなの?はっ、減らず口か?
たしかにこの女は弱ぇが、テメェにそれを言うほどの力はあんのか?」
「あってたまるもんですか。貴方たちみたいな人外と一緒にしないでくださいよ。」
人外、自分で選んどいてなんだがひどい言い草だと思う。
「よーし、怒った。殺す。お前からだ。」
柘榴さんを組み伏せている腕から力が抜けた。
「柘榴さーん、今ですよー」
「あぁ、わかってる…お前、覚えとけよ。」
嫌な予感がする。
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あの人がどうなったのかはご想像にお任せしたい。死にはしなかったとだけ言っておこう。取り敢えずはお目当ての場所についたようだ。
周りは金網で囲まれ、窓らしいものも何もない、はっきり言って殺風景な建物である。
「ここが目当ての建物ですか?見た感じ偽札作ってそうでも大規模殺人犯が隠れている感じでもないですけど?」
「根に持つなよ。悪かったよ。ここはそんなんじゃなくて研究所だよ。しかも生体実験だ。なかなかエグ目のな」
それは…なんともだな…
慣れてはいるが見たいものではない…
顔に露骨に出したのだが柘榴さんには気づいてもらえず、中に入ってしまったので後を追うしかないだろう
身殴にも技的なものがあったのですが、今回は使っていません。
手合わせ願いたいなんて礼儀正しく思えますが性格はチンピラみたいな感じで、すこしも礼儀正しくないです
ちなみに身殴は花言葉を使います
花言葉「憎悪」
花言葉「裏切り」
花言葉「嫌悪」
花言葉「悲願」
となります