必死の捜索
千本松は早速、地蔵が並んであった場所まで車を走らせた。
その場所に着くと、千本松は身震いした。
地蔵の立っていた場所には、地蔵が消えていたのだ。
あいつら、首を盗まれて怒り狂ったのだろう。
改めて、自分はとんでもない過ちをしてしまったと、悔やんだ。
酒に酔った勢いでやってしまったと言い逃れは、出来ない。
しかし今は後悔しているよりも、智恵美の命を救う事が先決なのだ。
どんな犠牲を払ってでも、智恵美を助け出す。
千本松の頭の中には、その一念しか無かった。
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その日の午後・・・。
千本松は親父に内緒で、漁港から第二龍星丸を出港させた。
この事は親父には、決して話すべきではない。
すべて、自分自身の責任だ。
自分の蒔いた種は、自分で刈り取る。
親父に迷惑をかけるつもりは無かった。
この前に来た海域まで、千本松は船を走行させた。
この下に、あの化け物地蔵の首が転がっているのだ。
もはや、一刻の猶予もない。
早速千本松はウェットスーツに着替え、酸素ボンベを背負った。
絶対に、見つけてやる。
不退転の決意のもと、千本松はスキューバダイビングをした。
海に潜って行くと、目指す地蔵の首は難なく発見出来た。
だいぶん砂に埋もれているが、半分は露出していたからだ。
千本松は砂から首を一つずつ掘り起こしていくと、魚網にいれた。
だが海底に横たわってる地蔵の首は、5つしかない。
千本松はライトで周りを照らした。
何度数えても、5つだ。
残る一体の首がない。
全部揃わないと、智恵美は奴らに殺されてしまう。
千本松は焦った。
必ず近くにあるはずだ。
無い分けがない。
潮流で流されたのか?
千本松は近辺をライトで照らし、くまなく探した。
エアの残量が少なくなっている。
これ以上の捜索は出来ない。
港まで戻ったら、往復六時間はかかる。
レンタルしてきたのに、一つでは足りなかったか。
よし、今度は酸素ボンベを2、3本レンタルしてこよう。
千本松は船まで浮上すると、舞鶴の港まで戻った。
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午後4時。
千本松は酸素ボンベを3本レンタルしてきて、海へ潜った。
見つかるまでは、戻らない。
智恵美の命がかかっているのだ。
酸素ボンベの残量が少なくなると浮上し、また新しいのに交換しての繰り返しになった。
残るボンベは一本になってしまった。
時間ばかりが経ち、千本松は焦った。
このまま、時間ばかりが経つのか?
否、絶対に見つけてやる。
見つけれるはずだ。
執念で探す千本松の熱意が届いたのか、ついに残る地蔵の首を発見した。
その首は潮に流され、岩の下に埋まっていたのだ。
これで6つすべての首が揃った。
首を取り出そうとしたが、岩と岩の間にガッチリ挟まって、びくともしない。
あきらめてない千本松は船に戻ると、道具箱を探した。
ハンマーとノミを取り戻し、再び海中へ潜った。
挟まれている部分の岩を削るべく、千本松はハンマーで叩いた。
だが水中では地上と違って、ハンマーの動きが鈍い。
段々、エアの残量が少なくなってきている。
火事場のクソ力を出し、千本松は何とか岩を削った。
無事、地蔵の首を取り出すと船に戻った。
急がないと、時間がない。
奴らの指定した時間は、今日までなのだ。
急いで第二龍生丸のエンジンをかけると、港目指し、全速力で船を走らせた。
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