家で娘の家、徒歩30分
ついに初めての感想頂きました!!
嬉しいですねー。
これからもどんどん、どしどし、ご応募お待ちしております!!
※今回いつもの2倍長い4000文字オーバーです。
「ど、どうゆう事じゃ?」
「何、簡単な話よ、この変態が変態だったって事よ」
「なんでやねん!」
ミアちゃんは首を傾げ不思議そうにする。
「え…つまりは魔女になる夢は?…」
「ごめん。」
「弟子なることは…リンが魔法を教えてくれるのか?」
「ごめん。」
「…嘘じゃろ......」
ミアちゃんは頭を抱えてうずくまった。
何という罪悪感…
「これからどうすれば良いんじゃ…」
「ごめんね。だけど、もう陽も落ちて来たし家帰ろう?」
ミアちゃんはフルフルと軽く頭を振った。
「嫌じゃ…」
「どうして?」
「怒られるから。」
あー、それってつまり。
「もしかして、家の人に内緒で来ちゃった?」
「だって......」
シュンと下を向き落ち込んだ表情を浮かべた。
やっぱり。
「んー、でももう暗くなるし、帰らないと危ないよ?」
「でも......」
んー。どうしたものか。
頭をひねり悩んでいるとリナが前に出る。
「はぁ、ほんとあんたって甲斐性ないわね。」
やれやれと言わんばかりにリナがため息をついた。
リナはミアちゃんに目線を合わせるようにしゃがみ込む。
「ミアちゃん。私たちも一緒に謝ってあげるわよ。だから大丈夫」
バッと顔を上げた。
「本当か!?」
「当然でしょう?なんたって私はとてもとても心優しく美しく人間味溢れる女神様なんだから!」
リナはドンと自分の胸を叩きニッコリと微笑んだ。
人間味溢れる神とはこれいかに。
「ありがとう。」
ミアちゃんは顔を赤くし照れながらもはっきりとした声答えた。
意外にもリナも頼りになるじゃないかという勘違いをしてしまいそうになる。
「あ!でも、何かあったら、責任は全部リンが持つからね、そこだけは注意してね」
あ、やっぱり勘違いでした。
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「ここじゃ!わしの家は!」
「ん?」
「わしの家はここじゃ!」
「え?」
「だから!わしの家はここじゃといっておるじゃろうが!」
目の前に広がる高い高い建築物。
家?というよりも屋敷?って、いうか。
「城だ。」
「城よね。」
「そうじゃが?」
「いやー.......そうだね」
「あ!探しましたよ!お嬢さま!」
門の前で立っていると一人の門番がこちらを見つけ小走りで駆け寄ってくる。
「ねぇ、ミアちゃん。お父さんが王だとかじゃないよね?あれだよね騎士とかだよね?」
「うん?違うぞ?父はただの大公じゃ。」
それがどうしたと言わんばかりの堂々とした態度。
あ、やばい。
「本当に!何かあっても全てリンの責任だから!!」
「お嬢様!こんな時間まで勝手に出かけられてどこにいってたんですか!お父様が心配しておられますよ!!」
「あぁ......うん。」
「えーと、お嬢様、後ろのお二人は誰でしょうか?」
「一緒に謝りに来てくれたのじゃ。」
「ん?、まま!とにかくお父様にお会いになってください。もちろんお二方も事情をお話いただきますよ!」
そう言って門番は、俺とミアちゃんの手を引き城の中へと引きずりこむ。
その間俺は逃げようとするリナの手をがっちり掴み離しはしなかった。
誰が一人だけ逃すかっての。
城の中は想像通りの豪華絢爛さで、キラキラと輝いて見えた。
「ねぇ、お腹痛くなっちゃったから先行っててくれない?私もちゃんとトイレの中から謝っとくから」
「却下」
一時、ファンタジー要素にこれからの不安を忘れられたもののすぐに終わってしまう。
「大公様!お嬢様を見つけました!」
目的地に到着してしまったのだ。
扉の前で、門番が大きな声で叫んだ。
「本当か!すぐ入ってくれ!」
部屋の中から威厳ある男の声が聞こえる。
その声を聞くと門番はすぐに扉を開けた。
「失礼します!」
中には少し怖そうなおじさんと、優しそうな笑みを浮かべた綺麗なおばさんがいた。
「君、ご苦労。少しの間誰も入ってこないように外で見張っていてくれ」
「は!了解致しました!」
門番はキビキビとした足取りで部屋から出て行った。
これが、大公の威厳...
怖い。。。
「ミア!心配したぞ!!」
ギュッとミアちゃんを強く強く抱きしめるおじさん。
「うん......怒ってない?」
ミアちゃんは蚊の鳴くような声で尋ねる。
「怒ってる。」
ビクリと体を震わせた。
「だけど、無事に帰って来てくれたのだから問題ないさ」
ミアちゃんはウルウルとした顔をゆっくり上げおじさんを見つめた。
「でも、今日の分の勉強は後でやろうな」
「え!」
美しきかな家族愛。
とても心温まる1シーンを見ていて、目に熱いものがこみ上げそうになる。
これは到底邪魔することはできない。
と言うことで風のように退散
「で?あなた方は誰ですか?」
したかった。
「えー、本日は気持ちいいほどの日本晴れで、あー...大公様のご機嫌も...」
「あぁー、いいよいいよ、今は公務じゃない気になんかしないさ。で、もしかしてだけど、君たちはミアの友達かい?」
おじさんの声のトーンが少し上がり優しそうな笑みを浮かべた。
「え?あ、はい、そうです」
「フフッ、そうかそうか。それはそれは」
おじさんはニコニコと嬉しそうに笑う。
「あ!そうだ、まだ名前すら言ってなかったね。私の名前は、『スズキ マッティア』。こっちは私の妻の『アンナ』と言う。どうぞこれからもミアと仲良くしてやってください」
「よろしくお願いします」
マッティアさんとアンナさんは深々と頭を下げた。
スズキ?
「私は、リンと言います。でこっちが」
リナが胸を張り前へと出た。
「私は世界で一番美しい女神のリナと言います」
やっぱりいつもの自己紹介をした。
「おい!時と場所を考えろよ!!」
「アーッハッハッハ!いやー!ミアと友達になるような人たちだからやっぱり変わっておられる。いや、失礼。つい本音が出てしまいました。今日は久しぶりにミアが友達を連れて来ためでたい日。堅苦しいのはこれっきりにして一緒に晩御飯でもいかがですか?」
「ぜひ!食べます!!たくさん食べます!!」
「あんたも、時と場を考えなさいよ......」
いや、だって食費が浮くし。
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出てくる料理は、どれもこれも見たことのないものばかり。
イタリアンのボジョレーヌーボーのフルコースとかが近いのかもしれない。(よくわかってない)
美味しいことは確かで異世界初、お腹いっぱいに缶詰や乾パン以外の食べ物に思わずお涙頂戴するところだった。
「ところで、お尋ねしたいんですが、スズキって名前ってもしかして...」
「あー、変わってるでしょ?私たちスズキ家の初代当主『スズキ タロウ』からずっとこの名前なんですよ。タロウはこの国 ー アレクサンドルの建国時に大きく貢献したと言われております。その功績から、私たちはずっと大公の地位をいただいているんですよ。本当ありがたい話です。」
「そんな深い歴史があったんですね、ちょっと失礼」
俺はリナを部屋の隅へ引っ張りる。
「ちょっと何するのよ!!こんな食事めったに食べられないのよ!!今胃袋に詰めれるだけ詰めてるんだ邪魔しないでよ!!」
さっきから静かだと思ったら、そんなに集中して食べてたのか。
本当に意地汚いやつだ。
「なぁ、さっきの話どう思う?」
「ん?別にどうも思わないわよ?」
平然とした態度で言い切る。
冷めてるー。
「いや、だから俺の他に日本人がいるのか?」
「居るかもしれないし、居ないかもしれない。それは神にしかわからないことね」
いや、あんた神だろ。
「お前がこの世界に送ったんだろ?なんでわからないんだよ」
「んー、それには語弊があるわね。私は依頼されたからあんたを送っただけだから」
「依頼?どうゆうことだ?」
「私は日本の神なのよ。それで、私の管理してる日本は好奇心旺盛で、研究心に溢れ、知的な人の集まりだからってので他の神から是非、一人でもいいから転生を!ってよくお願いされてたのよ。ま!私が管理してるのだから当然よね」
胸に手をあて本当に誇らしげに話す。
よくもまぁ、ここまで手前味噌を並べれるものだ。
「で、その中で一番冴えないあなたを送ったってだけ」
冴えないとよく言ってくれる。
「わかった。とにかく、お前は、誰をどこに送ったかも知らない、お役所仕事の神ってことだな?」
「違うわよ!」
憤慨する女神を無視して席へと戻った。
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あらかたの食事が出終え残すデザートのアイスがちょうど運ばれて来たところでそっとアンナさんが近寄ってきて小さな声で囁いた。
「昔からあの子はあんな性格だから友達も少ないの。それでいつも何かと理由をつけてはフラフラと一人で外に遊びに行ってはすぐ帰ってくるのよ。でも、今日はあなた達と居てよっぽど楽しかったのかこんな時間に帰ってきて。是非、今後ともミアの良い友達で居てくださいね」
アンナさんはニッコリと微笑んだ。
「わかりました。アンナさん、おまかせください!」
ドンと胸を張り自信たっぷりにいう。
「フフ、ありがとうね」
さて、アイスでも食べようとテーブルを見ると。
「無い。」
「溶けると悪いから食べといてあげたわよ」
「この甘党女神が!!!」
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食事も終わりそろそろお開きにしようという空気が流れる。
「では、私たちはそろそろお暇しようかと思います。本日はありがとうございました。」
「こっちも楽しかったわ。ありがとうね」
今日1日本当に楽しかった。
美味しいものを食べて喋る。
それだけで十分楽しいのだ。
「じゃあね、ミアちゃん」
「ミア...」
「ん?」
「ミアでいい!!わしはこう見えても16歳じゃ!!ちゃん付けはよせ!!」
「え!?嘘...」
「嘘じゃ無いわ!」
「わかったわかった、ミア」
ニカッと笑って答えた。
「...なぁ、また遊んでくれるか?」
モジモジとした態度で恥ずかしそうにミアがそう言った。
その答えを今日一番の笑顔を浮かべ答える。
「ハンカチまた今度、洗って返しにくるよ」
ミアはその答えに嬉しそう、にやけた笑顔ではっきりと答える。
「うん!!」
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すっかりと夜になり暗くなった道を歩き冒険者ギルドの借りた部屋へと帰ってきて居た。
「おぉ!随分と遅かったな!あの子はどうなった?」
部屋に入ったと同時に暑苦しいあのおっさんが入ってくる。
「ちゃんと家に帰しましたよ」
「そうかそうか。よかったよかった。じゃ、これ今日の分。」
ドン
昨日見たような紙の束が置かれる。
「じゃ、ごゆっくり」
すぐさま、おっさんは部屋から出て行った。
あーやっぱりあるのか。
しかし、俺にはある考えがあった。
ポフ。
俺は、素早くふかふかのソファーへとダイブする。
柔らかいソファーに優しくキャッチされる。
あぁ、幸せ。
「じゃ、後よろしく!」
「え?!」
「いや、だって俺昨日頑張ったし、次はお前の番だろ?」
「え!?」
リナは信じられないといった目でこちらを見た。
「おやすみー」
「え!?、いやちょっと待って!!ちょっとくらい手伝ってく」
「おやすみ!」
「......この!鬼ー!邪神ー!!!」
どうしてもこの流れを作りたかったから長くなってしまったけど
よく考えたら二つに分けた方がPV数増えたなと今更考えました。
でもオチが考えつかなかった...