初めての仕事、時給500円
感想ください!
もう書くことないから感想来るまでこれ描こうかなと思って見たり。
「俺は〜異世界で一番 モボだと言われた言われた男〜」
周りを見渡せば石造りの家、活気のある店々、そして街の中央に厚かましいほど大々的にそびえ立つ城!
この世界に来て一番異世界を感じ上機嫌で歌を口ずさみながら通りを歩いていた。
「うぬぼれのぼせてるんじゃないわよ。ここは東京は銀座じゃないだから。これからどうするのよ」
あら、知ってるんですね。
見た目と違い幾分と歳食ってそうな。
「まぁまぁ、落ち着けって。異世界といったらギルド、ギルドといったら冒険者ギルドだろ?」
「そうなの?」
リナは首をかしげた。
何もわかっちゃいないこいつは。
もはや異世界に来る意味といっても過言ではない冒険者。
異世界に来たのなら何が何でも冒険者にならなくては物語は始まらない。
俺はやれやれといった感じで小さく首を振った。
道行く人に聞いた通りをしばらく歩くと剣と盾のマークの入った看板を掲げた3階建てのいかにもな建物が現れた。
中には顔に傷のある大男や、ナイフを舌でなめずる殺人鬼のような男がゴロゴロいるに決まっている。
そんな奴らになめられないために、今では随分と頼りない(元々頼りない)見た目となってしまったが、せめて堂々と力強くと建物の中へと歩を進めた。
「...あれ?」
建物の中は外から観察して思った通り広かった。だが
テーブルの合間を縫うように元気よく走る子供達。
テーブルに集まって井戸端会議を行う主婦グループ。
そして端に設けれた飲食店で揚げ物を食べる若いにいちゃん。
「何これ?」
「ようこそ〜、冒険者ギルドへ〜」
料理を運ぶスタッフらしき人に間延びした声をかけられた。
「何これ。」
「これが冒険者ギルドなんでしょ?」
違う。
と言いたかった。
ーーーーーーーーーーー
もうほとんど日が落ち、ちらほらと帰って行く人たちが出てきた。
早いとこ今日の寝床を確保しなければ、また冷たい土の上で寝ることになってしまう。
だが、ここ異世界の便利屋、冒険者ギルド。
受付に行って宿ないですかと聞けば二つ返事で有りますよと言う答えが返って来るだろう。
人が少なくなったことで空いた受付の前へと立った。
受付の美人のお姉さんは、ショートでブラウンの髪の優しい雰囲気の人。
まさしく冒険者ギルドの受付のイメージ通りだ。
「今晩寝るところがないので宿を探しているんですが、どこか良いとこないですか?お金は無いんですが…」
「お金がない?それでは奉仕をご希望ですか?」
見た目通り優しい声色だった。
美人との会話と言う事の緊張が少し和らいだ。
「奉仕?」
「2560足す1440は?」
「えーっと4000ですか?」
お姉さんのやさしい表情が瞳孔が開きみるみる険しいものとなった。
もしかして何か間違ったのだろうか。
「マスター!!奉仕の人が来ました!!」
お姉さん大きな声で後ろの部屋に向かって叫んだ。
何かとてつもなく嫌な予感がした。
バン!
奥の部屋の扉が叩きつけられたかのように開かれた。
そこからは筋肉モリモリマッチョマンのおっさんが現れた。
「マリエこいつか!?」
お姉さんに問いかけた。
この人、マリエって名前なのか。
「そうです!」
「ほぉ、銀髪の獣人とは珍しい。」
値踏みをするかのような遠慮のない視線。
「お前、宿を探してるんだろ?」
「ええ、まぁ...」
「よし、だったら部屋を用意してやる。ついて来い」
おっさんはいかつい顔をニヤリと歪ませ凶悪さがさらに増した。
正直ついて行きたくなかったががっちりと手を握られ、ついて行く以外の選択の余地はなかった。
ギルドの奥へと連れられている最中、不意におっさんはちゃっかりとついて来ているリナを見て何かに気がついたようなそぶりを見せる。
「そういえば、お前はこいつの連れだよな?」
おっさんはリナへと尋ねた。
「そうです。」
厚顔無恥のリナにしたら珍しく、しおらしい態度。
「1500足す3500は?」
おっさんはお姉さんがしたよくわからない質問をリナにもする。
「私は数字が苦手でわかりません。」
「そうか」
エ?
嘘だろ、そんな簡単な算数すらわからないなんて。
「何よ!そんな哀れんだ目で見ないでよ!!」
思わず、ホロリと涙が出そうになった。
おかわいそうに。
「ついたぞ、今日はここで寝て良いぞ」
そう言うとおっさんは、何の変哲の無い部屋の前まで俺を引きずり回したところで止まった。
中はいたってシンプル、机にソファーがあるのみ。
ただ、ベットがないのが気がかりだったが、職なし、金なし、コネなしの状態で贅沢は言いまい。
土の上に比べたらどんな硬い床だろうが高級なベットとさえ思えてしまうのだから。
俺は、今日は久しぶりに熟睡できそうだと満足げに頷いた。
ドン
おっさんはどっから持って来たのか、大量の紙の束を机の上に置いた。
「じゃ、奉仕頑張ってな」
そう言い終わるやいなやおっさんはすぐさま部屋を出ていった。
ワッツ?
奉仕??頑張る???
俺は一番上に置いてある紙を読んだ。
ーーーーーーーーー
合計、利益、平均、その他諸々の計算よろしく。
ーーーーーーーーー
短い文章が走り書きのように書かれていた。
ペラ
俺は紙をめくった。
そこには、日毎の細々とした売り上げや費用は書かれているが合計、利益、月平均等の欄が空白の紙の山。
えーっと...
つまり、宿を提供する代わりにこの全部を、計算の山を今日中に終わらせろと?
ワードも電卓もなしに?
「じゃ、頑張ってねー、おやすみー」
リナはソファーに寝転び、すでに寝る体制に入っていた。
「なぁ、今から算数の勉強する気とかって」
「おやすみ!」
嘘でしょ。
終わらねぇよ…
今回のネタわかる世代の人いないと思うんですけど、わかりましたか?
興味がありましたら 『洒落男』 って歌聴いてみてください。
私は結構好きですよ。