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厨二病vs猫、女神、お嬢様、3人組

2ヶ月。

経ちましたね...

すいません。前書きで長々と弁明しても仕方ないと思うので後書きにします...

でも、今回いつもの2倍近く長いので許して...

「秘術を解き放った我が力見るがいい!!」


 ペインはパンッと勢いよく両手の手の平を叩き、かなり粘着質なガムテープがへばついてるかのようにゆっくりと手を離した。


 その両手は、まるでプラス極、マイナス極かのように離れた手の間にバジバジと黒い電気が流れている。

 とそれを目視したのと同時に猫の予感がバチバチと危険信号が点滅し始めた。


「慟哭せよ、絶望せよ、永遠(エターナル)の彼方へと消し飛べ想い出(スーブニール)ッ!!」


 ペインが、もう一度パンッと手を合わせてからバチバチと稲妻走る両手をこちらに向けニヤリと嫌な笑みに顔を歪ませた。

 俺は慌てて、ピョンと飛んで半身を前に出し、握り込んだ人差し指と親指をピンと立てペインへと指差す。


「『ロック』ニャ!!」


 2人同時に息を吸い込んだ。


「『ネコミミキャット砲』ニャッ!!!」

終り(フィナーレ)だッ!!『暗黒覇王真龍波ロスト・ブラックメモリー』っ!」


 白と黒、その光がぶつかり合う。

 激しく、濁流がごときコントラストの暴力。

 月明かりしかない薄暗い街に突如、真っ白のペンキと真っ黒の絵の具に塗りつぶされる。

 白黒の世界。この世界にはこの二色しかないのだろう。


 いやー、とても目に悪い。


 しかし、突然始まった世界はまた突然その終わりが来た。


「ちっ、この姿になってもまだ相打ちとはな!やはり貴様やるな!!」


 光の暴力がなりを潜めた後、ペインは、手を振りマントを翻し大仰なそぶりで憤慨をその態度で示す。


「わ...わぉ...ニャ」


 まさかまさかの出来事、最大威力、最低品格の『ネコミミキャット砲』と相打ち??


 やばい...

 遠距離戦ならまだ戦い様があったと言うのに。


「ならばッ!血と骨を削る肉弾戦(カタストロフィ)あるのみだ!!」


 安易にペインは身を翻し、またもや無駄に大げさな動作で一直線に近づいてくる。


 で...ですよねー!


 でもそれが一番今の俺に取っては効果的だった。

 俺は慌てて後ろを振り向き全速力で空を駆け出した。

 その間、宙に手を滑らせ『ネコミミアロー』を兎に角時間稼ぎにと放ちまくる。


「チッ!小癪な!」


 手で、爪で光の矢をネコミミ矢を引き裂く。


 やばい!やばいニャ!!!!!!


 この力でプルーを圧倒したと言っても、ただプルーが飛べないことをいいことに空中から遠距離攻撃をしていたと言うだけなのに!!

 戦いというのには相性というものがつきものだというのに!!


「やはり接近戦が苦手のようだな!!」


 追いついてきたペインの爪を紙一重で避ける。


「ニャっ!?」


 ほんの数センチ横で空を切る音がする。

 ただただ必死に右へ左へ上へ下へ、上下左右あらゆる方向にデタラメな回避軌道をとった。

 息つく暇もなく宙を蹴り、空を駆け、無駄と知りつつも魔法を放つ。


 明らかな劣勢。

 調子に乗って、啖呵切って、見栄を張って、飛び出してきてもこれじゃ、ただの道化(ピエロ)

 今までどうにかなるって、嘘ばっかりで、外連味たっぷりで、ごまかしてばっかりで...。

 でも、最後には結局誰かに助けてもらってばっかりで。


 なんて駄目なんだろうか。


 人は、負けそうになると最悪な考え(ネガティブ)な考えばかり浮かぶのだろうか。

 だが今は、戦闘中。

 そんな悠長なことを考えている暇なんてない。

 俺は頭を振るい目の前のことにだけ集中する。


「そこだッ!!」


 ペインの爪が背中をめがけ振りかざされた。


 それを予感を頼りにタイミングを合わせ空を目一杯蹴って駆け上り避ける。

 俺は避けた勢いを利用してペインの頭上を上下逆さまになりながらもグルンと一回転して背後を取る。


「接近戦が全くできないという訳でもないかニャ!!『キャットブレード』ニャ!」


 魔法を唱えるとおもちゃのステッキから真っ白な光が伸び、その上に二つの三角の魔法陣が可愛らしくてトッピングされた。

 まさしく、猫型剣。

 平衡感覚の狂う空中戦の中、俺は確かに宙を蹴り前へと思い切って踏切、一刀両断せんと全力でステッキを振り下ろした。


 ガンッ!!


 だがペインもまた器用に爪を振りかざした勢いを利用して上下逆さまになりながらもステッキを受け止めた。


「ニャッ!?」


 俺は、さっき思い出した奥の手も防がれ動揺しつつもステッキを構え距離を取った。


「すっかり騙されたよ!!今まで必要に逃げていたのは演技(フェイク)だったというわけかッ!」


 こうなるんだったら品性がどうとか、恥ずかしいからとか言ってないでもっとマジカル猫耳魔法少女での戦い方を学んでおくべきだった...

 今更ながら後悔が降り積もる。

 しかし、やるしかないからには、出たとこ勝負のぶっつけ本番、空中近距離戦闘。

 シャレになんねぇ...


「行くぞ!」


 剣という接近戦でも戦える可能性を見せることによってペインが遠距離戦を仕掛けてくるようになるという非常に望みの薄い俺の一縷の希望をことごとく排斥し、いつも通り、愚直にも、曇りなく、まっすぐ一直線に突っ込んできた。


「やっぱりか駄目ニャ!?」


 まずは、左手が振りかざされる。


 今までは、空中にいることにより障害物がないというメリットを生かし大きく確実に攻撃を避けることを徹底していた。

 が、今からは逆にプルーに教えてもらったすんでのところで避けて相手の懐に潜り込むいつもの戦い方!


 頭を少し下げる。

 わずか頭上で風を切る音がする。


 だがペインの手はもう一つ残っている。

 予想通り間髪入れずもう片方の手が振りかざされた。

 それを手に持つ剣で受ける。


 戦い方が変わったのがわかったのかペインが目を見開いた。


 俺は返す刀で一刀両断、できれば良かったが何分今持つのは、剣でありいつもより取り回しが悪かった。

 剣できることは諦め全力で蹴りをかましてやる。


 しかし、相手の体幹が強いのか、こっちの体重が足りてないのか、後ろに飛んだのはこちらだった。


 何を思ったのかペインは二カリと気持ちの悪い笑みで顔を歪め、あいも変わらず何が楽しいのか、突っ込んでくる。


 右へ左へ少し避け斬り返す。

 しかし、一瞬で勝負が決まりそうだと言うのにいまいち決め手に欠ける戦い。

 まるで刀の演舞のように、決まった斬撃、決まった足さばきで動いているかのようにまるで決着がつかない。

 しかし、こちらは体力に自信もなく、一撃当たれば即負ける貧弱体質での勝負。

 明らかに部が悪い。


 ならばいつか、こっちから打って出ねば勝機はない。

 それをわかっているのかペインは一向に戦い方を変えようとしない。


「全くいやらしいやつニャ!!」


 仕方ないと、後ろに距離を取り、明らかに剣の間合いでは届かない所で全力で振るう。

 その瞬間ステッキに思いっきりの魔力を込めるとみるみるとその刀身を伸ばした。


「てか、長くできるなら短くもできるようにしておいて欲しいニャッ!!」

「何!?」


 と、驚いた様子だがペインはしっかりと両手の爪で受け止めていた。


 だがそれもまだ予想通り!


「ニャアァリアアアッ!!」


 俺は受け止められた後でも剣に力を入れる。

 するとやはりというべきか、体幹か体重の問題かは知らないがペインを軸に弧を描いてこっちが移動する。


 刀身が伸びている分移動距離も長い。

 目一杯剣に力を入れ振り切る。

 振り切った後には元いた場所から丸々90度程移動した位置にいた。


 ペインは、俺が元いた場所を睨みつけるがそのには誰もいない。


「『ロック』ニャッ!」


 俺は、ペインの背中を見つつ呪文を唱えた。

 ペインが慌ててこちらを振り向いた。

 だがもう遅い。

 案外、戦いは一瞬であっけなく決着がつくものとプルーが言っていたがその通りなのかなと痛感した。


「くらえニャッ!!最大威力、最低品格の『ネコミミキャッ』ッニャッ!?」


 不意に謎の浮遊感が襲い体勢を崩した。

 足元を見ると、片足の翼が光を放ち霧散していた。

 やばいと感じる間も無くすぐさま片足の翼も淡い光を放ち霧散した。


「ニャッ!?」


 そしてそのまま垂直落下。

 異世界でも相変わらず退職を拒否されたらしい万有引力に引かれるまま地面へと引かれていく。

 体内の魔力を一切感じられない。


 どうやら、短い悪夢のような魔法(ギフト)が解けたらしい。


 落下の最中ペインを見るとにやりといやな笑みを浮かべながらバチバチと電流流れる両手をこちらに向けていた。

『猫の予感』が律儀にもビンビンと悪い予感を知らせてくれる。

 しかしながら、申し訳ないのだけれども、翼を失った猫は空中では身動き一つ取れないのですよ。


 ピンチの時助けてくれそうなプルーはここには居ない。

 他に助けてくれそうな人といえばルナとドロシーぐらいだが、作戦の都合上近くで戦う訳が無いので望みはかなり薄い。

 今回ばかりは助けてくれそうな人は思い浮かばない。


 と言うより、自分から名乗り出たくせに誰かの助けを求めるような自分の不甲斐ない。


 倒せると

 思ってたけど

 ダメでした。

 byリン


 これにてあっけない終幕。

 なんて情けないのか。

 走馬灯のようにロクでもない思い出が駆け巡る。

 それでも、脳を駆け巡るのは、ここ(異世界)に来てからの思い出ばかり。

 犬に襲われたり、どんぐり食べたりアルバイトしたり、いきなり謎の青年に襲われたり、


 でももし、リナがいなかったら今だに神殿に引きこもっていただろうし、もし、ミアに会ってなかったら愉快な異世界ライフを楽しめてなかった、もし、プルーがいなかったらあの時死んでいた、もし...


 頭の中で今まで出会った人物の顔が浮かんでは消える。


 あつくなる瞳をそっと閉じた。


 本当にロクでも無い人生だ。


「これで正真正銘終幕(エンドロール)だ!!『暗黒覇王(ロスト・ブラッ)


 ボフッ!!


 ペインの詠唱は途中で中断された。


「『スモール』!!」


 その代わりリナの声が鼓膜を震わせた。

 暖かな光に包まれどんどん身体が小さくなるのがわかる。


「服を変えた時、念のためとっといて正解だったわね」


 ポフッ!


「ん...。あんた意外と軽いわね」


 赤い目をゆっくりと開けた。


「...ダイエットする気にでもなったかニャ?」

「煩いわよ」


 リナが地面と衝撃的出会いを果たす前に受け止めてくれていた。


「さ!そんな無駄話してる時間もないわ、当初の予定通り行きましょう」


 リナがそっと『スモール』の魔法を解除しながら優しく降ろす。


「当初の予定って...予定なんてあったかニャ?」

「何言ってんのよ。やばくなったら逃げるって言ったでしょ?」


 俺は思わず白い煙の舞う中、白粉を塗りたくったように真っ白な顔で咳き込んでいるペインを見た。


「大丈夫よ。たまには私に任せなさい!」


 リナはあまりない胸を大きく張ってドンッと力強く右手で胸を叩いた。


 ()()()リナは、()()リナは、()()()のリナは、何処か頼れる気がした。


 俺は鼻眼鏡を取って目をこする。

 珍しく頼り甲斐のあるリナを正面から見つめ力強く答える。


「わかったニャ!今日は、女神リナに任せるかーニャ!!(ピース)」

「...」


 どうやら副作用だけはまだ効果時間内だったらしいです。

んー、すいませんでした。

私生活が、一生に一度あるかないかってほど忙しかったのもありますが。

戦闘描写の表現にてこずったり、スランプに陥ったり...

とりあえず、久しぶりに感想くれると嬉しいです!!

モチベーションが上がりますので無理やりそれで駆けそうな気がします!!

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