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決意の夜、4日目

そろそろ本当に前書き後書きに書く事なくなってきました...

感想くれの一点張りでは面白くないでしょうし...

どうしますかね?。

「...好きです」


 彼女は、ショコラブラウンの髪を解きながら顔を赤くして照れ臭そうにそう呟いた。

 彼女とは、幼稚園の頃からずっと一緒の仲のいい幼馴染だった。

 だが今日、どうやらそれが壊れた様だ。


「...勝手に好きになっちゃ、ダメですか?」


 それを聞いた俺の顔は彼女と同じく赤くなっただろう。

 しかし、口にした本人は、さくらんぼの様に赤い顔をもっと赤くする。


 俺は、熱くなった顔を冷やす様に首を横に振る。


「...だ!...だったら...今度の日曜日!遊園地にデートに行きませんか?!」


 彼女は、噛みながらも精一杯の勇気を持って声を出す。


 しかし、その顔は答えを聞くのが怖いのか俯いている。

 俯いていながらも、少し涙の溜まった目だけはしっかりと俺の方を向いていた。


 意識してないだろうがつい上目遣いになる彼女が、つい可愛くて、つい意地悪をしたくて、つい見惚れてしまいそうになって...


 我に帰ると返事をしてない事を忘れていた。


 だから、慌てて声を出す。

 焦っていてもはっきりと聞こえる声で、でも恥ずかしくて目線を合わせて言う勇気はなくて、だから照れ臭く空を眺めて言った。


「い...行くニャ」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「リン!!!」

「フニ゛ャ゛ッ!?」


 寝起きに強烈なヘッドバッド。


「リン!大丈夫なのか!?どこか痛いとこはあるか!?」

「お...お腹...」

「腹か!おい!ドロシーとやら!腹が痛むらしいぞ!」

「はぁ...ペットは飼い主に似るって事なんですかね...まぁ、子供相手に怒りませんが」


 そんな不満を口にしながらドロシーは、俺のお腹に暖かい手を当てた。


「『サクリファイス』」


 お腹に柔らかな温もりを感じ、スッと痛みが引いた。


「知らない部屋だ...」


 痛みがなくなったおかげでやっと頭が回り始めた。

 目が覚めた薄暗い部屋は、今までに来たことも見たこともない場所。


「ここはわしの別宅じゃ」


 見渡せばいつものメンバーに加え、錚々たるメンバーが揃っていた。

 アリスにリナ、ミア、ドロシー、マッティアさん、アンナさん、バージルおじさんがずらりと並んでベットに横になる俺を囲んでいた。


「えーっと...何が起こったの?」

「あんた覚えてないの?」


 リナのちょっと怒った声に小さく頷く。


「はぁ...あんた、あのいけ好かない悪魔にやられたのよ。その後、鈴の音とともに突然発生した濃霧に紛れてここに逃げてきたのよ」


 たしかに意識を失う前そんなことがあった様な気がする。


「私は、なんだか城が騒がしいので辺りをウロウロしてたら邪神様が担がれて出てきたので慌ててついてきました」

「そうか、そんなことが」

「まだよ、まだそんな短い話じゃ終わらない、続きがあるわ。」

「続き?」


 月の光に照らされたリナの顔は、ふかふかのベットに座る俺を冷たい表現で見下ろしていた。


「そりゃ、あんたは()()()寝ていたのよ?」

「1日!?」

「あんたがぐーぐーと馬鹿みたいに寝てる間に悪魔たちはミアの別宅に来た私たちを探して町中をうろつき始めた。だからアートは、騎士達を連れて事態の収拾に出向いたわ。でもダメね...あいつら空を飛ぶわ、力が強いわで全然歯が立たってない」

「俺が気を失った間、そんなに事態が悪化してたのか...」

「まぁ、幸いなことに、あいつら私た...神様だけにしか興味がないみたいで一般市民には被害が出てないのがせめてもの救いね」


 場の雰囲気は、梅雨入りしたかのようにどんよりとした気持ちの悪い空気が漂い始める。


「でも!それも、リンちゃんが目覚めたからには今晩までかニャ!」


 アリス...じゃなくてルナがいきなり会話に参加してきた。


「今晩、私が闇に紛れて悪魔達を根絶やしにしてあのムカつく男の悪魔をぶっ飛ばしてやるかニャ。だからリンちゃんは、ここでみんなを守っていてほしいニャ!」

「いや、信用ならないドブ猫じゃなく、私が邪神様を神がかった奇跡的まぐれで倒した悪魔をぶちのめしに行きますので安心してください。邪神様はここでゆっくりと療養しておいてください」

「ニャにを!?今のお前にどうやってあの悪魔を倒すって言うかニャ!これだから頭の足りないアホ犬は困るかニャ!!」

「うるさい!気合いです!!じゃ!あなたはどうやって空を飛ぶ敵を倒すんですか!空でも飛ぶって言うですか?バカ猫!!」


 また、ルナとドロシーが喧嘩し始めた。


 自然となのかわざとなのかは、知らないがルナとドロシーが空気も読まずに喧嘩をしてくれたおかげで息の詰まる空気が少しは和らいだ。


一つ深呼吸する。


「俺が倒しに行くよ」

「「「...」」」

「...倒せるのかニャ?」

「一応手はある...」


 そんな馬鹿な提案をした俺には一つだけ、使いたくない取って置きの隠し球があった。


「ダメよ!そんな体でッ!!」


 俺の意見に反対したのは意外にもリナ一人だけだった。


「まぁまぁ、落ち着くかニャ」

「リンは!あんたとは違って、ひ弱で!貧弱で!貪欲で!ケチで!貧乏なのよッ!!!!」

「煩いわ!!」

「そんニャ事知ってるかニャッ!!」

「えッ!?!?」

「私を誰だと思ってるのかニャ?森羅万象...林羅百象。ほんとんどの事は知ってる知識を司る女神、ルニャティーニャ(ルナティーナ)。私は、私とも皆とも違うリンちゃんを知ってる。知ってるからこそ、リンちゃんはを信じられる。信頼できる。リンちゃんはかニャらず勝つ。絶対に負けはしニャい。お前にはそう言った信愛は、ニャいのかニャ?」

「...リンは勝つわよ」


 リナは、ポツリと呟いた。


 ......。

 ...あれ??

 もしかして...なんか最終決戦を死ぬ(デッド)(オア)生きる(アライブ)の覚悟で戦う事になってる?


「いや...あの...ちょっといいかな?...」

「ん?どうしたかニャ?」


 俺は申し訳無さそうに挙手した。


「勝つとか負けるとか以前に、危なくなったら何もかも見捨てて即脱兎の如く逃げ出すつもりだったんだけど...」

「「「...」」」



 しばしの重たい沈黙...


「ニャハハハハハッ!そうかニャ!勘違いしてたかニャ!確かにリンちゃんは、そんニャ覚悟のある人間じゃニャかったかニャ!」

「はぁ...そうだったわ。あんたは、そんなカッコいい人じゃなかったわね。忘れてたわ」

「流石は邪神様!素晴らしい英断です!」


 梅雨が明ける。


「そうよね。危ないならみんなで逃げればいいのよね。私たちが命を賭けてまで戦う義務はないものね」


 リナは、いたずらに微笑む。


「私は、アリスちゃんが幸せニャら国ニャんてどうでもいいかニャ」


 ルナは、意地悪くクスッと笑う。


「私は、邪神様と何時迄も何処までも一緒に居られるなら他はどうでもいいです」


 ドロシーは、優しく笑みを浮かべる。


「わしは、楽しければ何でもいいのじゃ!」


 ミアは、無邪気に笑った。


「...これは困ったな」

「ん...どうしたものか」

「あらあら...」


 最大戦力になり得うる人物たちの後ろ向きの発言には、流石の大貴族、国王もこれには苦笑せざるおえなかった。


「「「「でも」」」」


 4人は何やら目配せをする。


「義務はなくても義理があるからには」

「アリスちゃんが幸せに暮らすためには」

「邪神様と一緒にいるからには」

「今を楽しく暮らすためには!」


 4人は、大きく息を吸い込みタイミングを合わせる。


「「「「一発やるきゃっない(でしょ)(かニャ)(です)(のじゃ)ッ!!」」」」


示し合わせたかのように息のあった声が小さな部屋に響いた。

いやいや、よくよく考えてみればここ見てる酔狂な人はいらっしゃいますか?...


いや、選りすぐりのネコミミ教の皆様は見ていると信じています!

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