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犬猫の誕生祭、3日目 その3

毎日投稿は誤字脱字がどうしても多くなってました…

見つけたら報告くだされ。

 SF物でよくお目にする銀河系を一瞬で駆け抜けるとか言う物理法則を一切無視したサイエンスのサの字もないような宇宙船並みにお速い退場をした聞くところでは悪魔こと化け物はだんだんと光に変わっていた。


 まさか特撮のヒーロー物よろしくド派手に爆発しないだろうなと肝を冷やしていたが、その気配はなさそうでほっと胸を撫で下ろした。

 こんな街中で爆発されたらかなり困った事態になってしまってただろう。


 やがて完全に光に包まれた化け物はバッとその光をあたり一帯に霧散させた。

 光は蛍のようにゆらゆらと舞い散ったを綺麗だと思ったのも束の間、次第に集まり俺、リナ、ルナの三人にまとわりついてきた。


「ん?」


 俺は訳も分からず手で光を払い叩きどうにか追い払おうと試みる。

 しかし、虫のようにひらりひらりと舞いなかなか追い払うことができない。


 えぇい!うざったい!


「そんな変なダンスを踊らなくても大丈夫わよ。これは悪魔が死んだ時のお約束みたいなものだから」


 と、リナが光に包まれながらもあくびを噛み殺した平然とした態度を取っていた。

 ならばと、ルナを見ればやはり光の中でドロシーと未だ口喧嘩を続けていた。


 何やってんだか。


 しかし、二人が特に何にも思っていないのを見た事で危険じゃない物だと知り冷静になって観察して見た。

 光は俺とルナとリナの三人 ー つまりはアート、ミアの二人には集まっていないようだった。

 この二人プラス俺自身に共通する事といえば、みんな自称神らしいということくらいだろうか。


 今までは神というのは自己申告制で証拠と呼べるものはコレッポチもなかったのだが、ちょっとは信用できる事案ではないだろうか。

 いやまぁ、光になった悪魔が吸い寄せられたからと言って神というのはあまりに脈絡がなさすぎる話とは思ってしまう。


 そんな悪魔の証明 ー もとい神の証明じみた行き場のない考察をしている内にもう一つ気づいたが、どうやら光は体に吸収されているようだ。

 悪魔から出た光なんか吸収して健康被害はないのだろうか...

 しかし、そうは言っても振り払えないためしばらく見つめること数十秒。

 鬱陶しかった光もあたりの人気(ひとけ)とともにすっかりと消え去っていた。


「皆さーん、大丈夫でしたか?」


 特段心配してる風には見えない態度のアートが避難誘導を一段落させ駆け足で戻ってきた。


「大丈夫なのは大丈夫だけどさっきのは何?」

「悪魔ですね」

「…いや、だから悪魔って何よ」

「悪魔は悪魔ですよ。人類に最悪をもたらすとか何とかってやつですよ」

「…はぁ」


 あまりに神秘的すぎて答えになってない返答に思わず生返事をした。


 果たしてその説明で納得できる文明人が納得できるものだろうか。


 いやない。


 一体何をどう間違ったらダーウィンさんが人生を費やしてまで執筆したでだろう進化論を綺麗さっぱり白紙にして荒唐無稽種族科目不詳の暗黒生命体が生まれるのか。

 全くもって疑問だ。


 まぁたぶん、人間原理ならぬ魔力原理なるアンリーズナブルな理論によって生み出された生物とでも言うのだろう。

 だとすれば、つくづく魔力様様な話だ。

 その辺の話はドロシーに聞けばまた詳しく教えてくれるんだろうけど、ニセインコ主義やらラジオニクムやらの異世界語は右から左に摩擦係数0で話が抜けていくに決まっている。

 なら、ルナはどうだと見る。

 自称知識の女神だとか言っていたじゃないか。と思ったがダメ。

 ドロシーと知性のかけらもなく喧嘩していた。

 ミアは?と見るが不思議そうに首をかしげた。

 うん。可愛い。

 となれば最後残るは、リナしかいない。

 こいつはなんだかんだで意外と物を知ってたりするし、ダメで元々で話を聞いて見ることにする。

 知らなかったら始まりの神様には是非ダーウィンさんに土下座してもらうことにしよう。


「なぁ、お前は悪魔について何か知ってるんじゃないのか?」


 リナは周りをキョロキョロと見回した後で俺の袖を引っ張りさっきの騒動で無人になった屋台の影へと連れ込んだ後小声で話始めた。


「悪魔っていうのは神と対をなすものなの。確かにアートの言っていることはあながち間違いってわけでもないわ。悪魔は最悪をもたらす物。でもその対象はもっぱら神にばかり向いているの」


 今この場には一応神が三柱いるわけだから狙われやすい環境なのかな?

 それで悪魔が現れたと?


「なぜ神ばかり狙うんだ?」


「それは悪魔がもっぱら人間の負の願いから生まれるからよ」


 ...願いから生まれる?

 願い...


「それって神と同じっ!ウグッ」


 とっさに叫びかけた俺の口をリナが塞いだ。


「そうよ。大抵の悪魔と呼ばれるものは、対象を失った怒りや、こらえきれない悲しみ、抱えきれない不安なんて些細な感情から生まれたものがほとんどよ」

「でも、その願望は行き場のない願い。叶うはずがない。そんな願いを叶えるために生まれたばっかりにほかの神を憎み妬み憤る。願いを潰そうとする神それが悪魔と呼ばれるものの正体よ。つくづく哀れな連中ね」

「...」


 次の言葉を紡ぐことができなかった。

 リナが初めて見る真面目な顔して話していたから。

 こんな顔もできるんだな。意外だ。


「まぁ、だから見かけたらすぐさま消してあげるのがせめてもの優しさってものね」


 そう言っていつも通りのヘラヘラとした顔に戻ったリナはアートとミアが和かに団欒している輪の中に入っていくのだった。

 俺は一人屋台の隅に取り残されてしまった。


 ん?


 俺は、視界の隅に即知感のある人影を捉えた。

 昨日会ったツノのある男性だ。


 気になった。


 俺が勝手に悪魔だと失礼にも決めつけてしまった人物。

 先ほど威勢良く辞世の句を叫ぶ間も無く退場なされたこれが悪魔ですとでも聖書にでも載っていそうないかにもなあの生物が悪魔ならば、このあまりにも漫画にで描かれそうな悪魔然とした男は一体なんなのか。


 闇の力に支配されてしまった人類なのだろうか。

 意外と在り得る話か?


 先ほどのリナ話ゆえに頭がそんな考えに支配された。

 思い立った時にはすでにアートやリナに向かって知り合いを見つけたと言ってツノの男の元に駆け出していた。


「あぁ!クソ。人がいなくなった内に早く済まさないとな。えーっと魔石はどこにやったっけ?」

「これ?」

「あぁ、それそれ...」


 近くに置いてあった袋を拾い男へ手渡した。


「て!お前は!!あの時のアホ神!!!今日も邪魔しにきたのか?!」

「アホって…」

「ん?」

「ん?」

「...」

「...」

「...お前はこの姿を恐れないのか?」

「えーっとまぁ...願いから生物が生まれるような異世界ですし、もうなんでもアリかと」

「????」


 男は何故か首を傾げた。


「何言ってんだ!アホ!アホ神!!」


 男はフードを深くかぶり走り去ってしまった。

 ...なんやちゅうねん。

徐々に解き明かされる世界の真実

事実を聞いた時リンは何を思ったのか?


多分何も思ってないんでしょうね…


次回!…何でしょうね!

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