犬猫の誕生祭、3日目 その2
毎日投稿よりもやっぱり気楽に投稿します!
目の前に目を疑うような化け物が到来したと言うのに未だにルナとドロシーはそれを無視して口喧嘩をしていた。
「せっかく観賞用にふさわしい愛らしいご尊顔をしているのだから早く剥製にしてもらった方がいいと思うかニャ」
「そうですよね。やっぱり他人の肉体にわざわざ取り憑かないと存在すらできない乞食のような悪霊には生身の肉体は羨ましく見えてしまいますよね。すいません」
「ガアアアアァ!」
「そもそも人の姿すらしていなかった野良犬がわざわざ人化の魔法まで使って無理矢理作った偽物の姿のくせしてよくもまぁそこまで傲岸不遜ニャ態度が取れるかニャ。ははーん、もしかして、わざわざそんニャことにまで突っかかってくるてことは、羨んでいるのはそっちの方じゃニャいのかニャ?」
「はぁ...一体誰が悲しくてそんな貧相でちんまい体を切望しないといけないのですか?冗談も甚だしいったらありません。あ、でも確かに、あなたというゴミが勝手に盗取しているその高貴なお身体をお返しになられるならば、汚れがなくなって今よりも多少、いや格段に美しく見えるかもしれませんね。取り憑かれているその子が哀れで仕方ありません。あぁ、その身に宿る呪いにも似た力の所為で寄生虫に居座られる羽目に合うなんて悲劇的な話なんでしょう」
「こう見えても私は、この国のためにお前と違って役立っているかニャ。ただのうのうと自堕落にニャんの苦悩も葛藤もニャく生き、降って湧いたようニャ他人の力を自分の力だと勝手に思い込み厚顔無恥に勘違いして、あまつさえ自分は努力のどの文字もしてニャいと言うのに他人に非生産的な説教だけは一人前。本当ニャんで犬って生き物はこうも愚劣ニャ生き物ニャのかニャ」
「ガアアァァ」
「あらあら、全くもっててにをはが合わない理屈にありもしない固定観念に囚われた偏見で埋め尽くされ凝り固まった素晴らしい頭脳をお持ちのようで。なんなら私がその頭を叩き割ってマッサージして差し上げましょうか?一体その頭の中にはどんな中身の入っていないかるーいカチカチに固まった脳みそが入っているんでしょうね。なんなら一度取り出して湯煎してほぐして差し上げましょうか?その方がスッキリしますよね」
「ニャんでこうも野蛮ニャのかニャ。全く嫌にニャるかニャ。知ってるかニャ?知能レベルが同じもの同士でニャいと有益ニャ会話は生まれニャいってことを。知能レベルが格段に違う者同士が話すと知能の低いものは相手とまともに会話ができていると勘違いするけど実際には、知能の高い者が低いものに話を合わせてあげているだけかニャ。今日はそれだけも気づけるといいと思うかニャ」
「ガアアァァ?」
「あら、まるで自分の知能指数が高いかのような実際には真逆の妄言をお吐きになられますね。少しばかり物事を知っているからといってそれが必ずしも知能指数が高いということに結びつくわけではないんですよ?そうですねぇ。愚者は教えたがり、賢者は学びたがるという言葉を見ていてあまりに恥ずかしいので特別に教えてあげますよ」
「いちいち癇に触る物いいかニャ。その程度、知らないとでも思っていたのかニャ?だとすればつくづく救えニャいかニャ。もうお手上げかニャ。やっぱり犬ニャんかを相手にするととてつもニャい疲労感を覚えるかニャ」
「ほんとスノッブですね。どうして猫という生き物はいちいち高飛車な態度ばかり取るのでしょうか。甚だ呆れて物も言えませんよ」
「ガアァァァ...」
「猫は、昔から人々より神として敬われ、崇拝され、崇められて来た高貴な生き物かニャ!それを、年中ハァハァとだらりとだらしニャく舌を垂らして飼い主に媚びることしかできニャい犬ニャんかに語ってほしくニャんかニャいかニャ!!」
「それはこっちも同じです!犬は、昔より人々の良き友であり、賢きパートナーであり、愛らしき家族でした!それを、ただ貢がれ奢り高ぶってなんの働きもしやしない穀潰しの猫なんかと比べられるなんて不快です!!」
獣たちの闘争はとどまることを知らなかった。
血色の良い唇から創造されるハーモニーは、残念なことに嫌味、悪態、恥辱の罵詈雑言。
天使のようなスマイルからあふれ出すのは、遺憾なことに誹謗、中傷、嘲笑の悪口罵詈。
嫌悪と憎悪の激しいぶつかり合い。
なんと醜いことか。
「ガアアアアアアア!!!」
「うるさいかニャ!!『猫耳拳法:ネコジャラシ』ッ!!」
「うるさいです!!『邪法:魔狼の毒爪』」
それは一瞬の出来事で有った。
ドロシーは、軽やかにジャンプし紫色の霧を漂わす鋭く伸びた爪で今までまるっきし無視をかまされていた化け物の頭を血しぶきを撒き散らしながら切り飛ばし、
ルナは両手首を合わせ強烈な破裂音とともに掌底をかまし腹部を盛大に吹き飛ばしたのだった。
ただ大声で叫んだだけでまだなーんの悪事も働いていなかった悪魔だと言う話の化け物は、ルナとドロシーと言う本物の悪魔にあったばっかりに八つ当たり気味の攻撃をくらいのピクリとも動くことはなかった。
かわいそうに...
今回は一回やって見たかった長文というか何と言うか長罵り合いですね。
皆さんはこの口喧嘩どちらが優勢だったと思いますか?
参考ついでに感想ください!!!
 




