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犬猫の誕生祭、3日目

危ないーーーーー!!

ギリギリまだ今日です!!

間に合った!!

 俺は、まだ眠いとごねるミアをどうにか説得し朝靄立ち込めるなか街へと向かっていた。

 リナは、「やっぱりみんなで行かないとね」とアリスは「なるほど、朝に行けばよかったのか!」と予想どうりノリノリっでついて来た。

 予想外だったのはさらにはアートまでもがついて来たことだった。

 まぁ、パーティ以外の時のアリスの護衛がアートの仕事だったはずだから当然といえば当然の話か。

 こうして俺、アリス、ミア、アート、リナの顔を隠すためにジメジメとした熱気漂う中フードを深々とかぶる怪しげな集団5人が集まった。

 一般客の目にはわざわざ誕生祭の真っ只中に堂々といる空気の読めない異教徒に映ったことだろう。


 ところでなぜ、黄金やダイヤモンド、果てはプルトニウムなんかよりも俺とってはよっぽど価値のある貴重な朝の時間を使ってまで街に来たかといえば、察しはつくと思うが当然目的は祭りだ。

 俺はどうしても昨日見た、たい焼きを忘れることはできなかったのだ。

 疲れた時は、体が甘いものを欲してしまう。

 しかし、一人で行くのも味気ないと無理やりみんなを誘った次第であった。


 開いてるといいな。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「毎度あり〜」


 店は心配せずとも開いていた。

 俺は、アートの分含め4つのつぶあんのたい焼きを買い皆んなへと配った。

 本当は甘ーいカスタードが食べたい所ではあったが其処までのわがままは言うまい。


「ありがとう」


 とは、両手で優しく受け取るミア。


「ん、ありがっと」


 とは、ぶっきらぼうに受け取るリナ。


「ありがとうございます」


 とは、薄く微笑んで受け取るアート。


「ありがとうかニャ」


 とは、不自然にスカートをゆらゆら揺らし受け取るアリス...いや、これはルナだな。


 おいおい、こんな街中で出て来て大丈夫なのか?

 一様、国家機密とやらじゃなかったか?と聞けば、


「神饌が供えられたのだから仕方ニャいかニャ」

「仕方なくないわ!!」


 と、またアリスの一人芝居が始まってしまった。

 アートの方を見れば露骨にアリスから目をそらし鼻歌まじりにたい焼きに食らいついていた。

 多分これは、私は何も見ていませんという彼なりのポーズなのだろう。

 ちゃっかりしてやがるよ全く。


「いいじゃニャいかニャ。一口くらい〜」

「そう言って、お前は前に私が楽しみにしていたデザートを全部食べたじゃないか!」


 俺は、自分の世界へと旅立ってしまったアリスを眺めながらたい焼きを食べることにした。


「いただきまーす」


 ドンッ。


「ブフッ!!」


 俺は、たい焼きの中に...って何回目だよ!!!!


「邪神様ー!!」


 何者かが俺の体に抱きついて来た。

 と言っても俺はこの声、それに呼び方には思い当たる節があった。


「ドロシー苦しい...」

「あ!すいません」


 そう言って、2、3歩軽やかなステップを踏みながら後ろへ飛んだ。


「邪神様、またお会いできて光栄です!」

「あぁ、そうだね」


 正直俺は、こいつに一体どんな態度で接すればいいか計りかねていた。


「ん?ちょっと失礼します」


 ドロシーはおもむろに顔を突き出しながらフラフラとした足取りで近づいてくる。


「クンクン、クンクン」


 何やらドロシーは俺の周りをうろうろとクンクンとわざわざ口で音を出しながら嗅ぎ回った。


「臭いますね」

「え?」

「えぇ、臭います。このまがまがしい悪臭の元は...」


 ドロシーは、鼻を鳴らしながら未だ一人芝居をしているアリスへと近づいた。


「それはこっちのセルフかニャ!!!」


 突如、アリス、いやルナがドロシーへと噛みついた。


「ふ、やっぱり、獣臭いと思ったら、こんなところにドブ猫がいますよ」


 ルナの宣戦布告に真っ正面から受けて立ったドロシー。


「ニャんて斬新で素敵ニャ自己紹介かニャ。自分のことが見えてるバカ犬は好きかニャ」

「は!これだからお高くとまったお猫様は。自分が悪臭漂っている事実も認められないなんて、まったく哀れで仕方ありませんね!」

「あーあ!ほんとニャんで飼われるだけしか能のニャい駄犬は、物事を一辺倒でしか捉えられニャいのかニャ」

「そろそろ黙られたらどうですか?鳴く猫ネズミとらずと言いますし、無能なのがバレバレですよ」

「それは、能無し犬の高吠えってことかニャ?」


 えー...っとナニコレ。

 俺は思わず、呆然と立ち尽くしてしまった。


「えーっと二人は知り合いか何か???」

「違うかニャ!!!」

「違います!!!」

「...じゃ、なんで喧嘩してんの?...」

「だってこいつは!!!」

「この人は!!!」

「犬かニャ!!!」

「猫ですよ!!!」


 ...犬猫の仲??


「俺も一様、猫だと思うけど...」

「邪神様は邪神様です!!」


 意味不明。


「一様ドロシーは犬じゃなくて狼だよ?」

「一緒かニャ!!」


 ダメダコリャ。


「ねぇ、リン、リン、あれが悪魔よ」


 あっけにとられ立ち尽くしていた俺をちょいちょいとリナがつついた。


「悪魔?悪魔ならきのう ...あった...」


 見げないと顔が見えなほどの真っ黒で巨大な図体。

 丸太のように太くがっちりとした筋肉のついた巨腕。

 そして一対の真っ黒の角。

 なんとご丁寧なことにも、羽と尻尾もつけてのご提供。


 いつのまにかそんな化け物が空中5m付近をホバリング飛行していた。


 すでにアートは避難指示を飛ばしながら、朝から来ていた数少ない一般人を誘導していた。


 仕事が早いことで。


 化け物は大きく息を吸い込み人一人飲みこまんばかりの大きな口を目一杯開いた。


「ガアアアアアアア!!!!」

「うるさいです!!!!」

「うるさいかニャ!!!!」

でもね、気づいたことあるんですよ。

無理して毎日投稿するよりもいつも通り朝に投稿した方がね、伸びるんですよね...


※すいません。毎日投稿頑張ると言いましたが投稿間に合いそうにありません...

 2019年2月4日

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