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出会いの誕生祭、2日目

あーやばいやばい!

毎日投稿難しいです!!

だんだんと時間が遅くなりついには23時!

ギリギリだ!

 ムクリとソファーから起き上がった。

 その日は、なぜかふと目が覚めてしまったのだ。


 熟睡できるのではないかと思っていたが、やはり寝心地の悪いソファーでは、安眠できないのだろうか。


 窓の外を見れば、上弦の月がうっすらと雲に隠れながらも天高く煌々と輝いてた。

 時刻は深夜何時くらいだろうか。

 あたりをぼーっとする頭で見回した。

 部屋には明かりがないにもかかわらず窓から入る月明かりだけで部屋がぼんやりと見えるのは、さすが邪神の瞳といったところではあるもののそれ以外の恩恵を未だこれっぽっちも感じたことがない。


 すっかりと目が冴えてしまったこともあり夜の王都観光も乙なものだと上着を引っ張り出し夜の散歩へと出かけることにした。


 みんなを起こさないようにこっそりと部屋を抜け出し、外で寝ずの番をしているアートに散歩してくるとの旨を伝え城門は開いていなかったので横にある兵士たちの小さな通用門を通り外の世界へと抜け出した。


 アートも大変だなぁ。


 昼間は、祭りだなんだと和気藹々と人通りが多く賑わっていた大通りも、当然といえば当然のことながら今は誰一人としておらず無人の屋台が寂しげに立ち並び、風の音がだけが静寂の中でその存在をアピールしているのだった。


 しかし、俺は王都に来た初日、つまりはまだ誕生祭が始まってなかった日と比べ随分と様変わりしたものだと関心した。

 初日には、ポツポツと屋台はあった程度で今ほど櫛比してはなかったはず。


 よくもまぁ、1日でここまで立ち並んだものだ。


 射的に冷やしきゅうりにクジにりんご飴など様々なのれんが屋台上部に掲げられていた。


 深夜の閑散とした雰囲気はどこか幻想的で人がいないため物見遊山としては最適ではあったものの、やはり食べて見たいやって見たいと思う屋台があってもそれができないのは悲しい。

 確かにアリスが食事会よりも祭りに行きたいといっていたのが大いに納得できる話だった。


 さて、ざっとは見て回ったしさすがにそろそろ寝ないと明日に響くかと思い城に帰ろうかとしたところに、どこからかゴソゴソと風以外の物音が耳に飛び込んで来た。

 不思議に思いその物音を頼りに発生元へと近づいた。

 周りが静かだったおかげでさほど時間がかかることもなく元凶はすぐに見つかった。


 大広場の一角という好立地の場所にあるたい焼き屋の屋台の下にうずくまり必死に何かをする男を発見した。


 というか、たい焼きまであるのか、今度買いに来よっと。


「何してんの?」

「ん!?」


 ゴンッ


 急に声をかけたことに男は驚き立ち上がろうとしたため屋台に盛大に頭をぶつけた。

 うわ、痛そう...


「あ痛たた...」


 案の定、男は痛そうに頭をさすりながらゆっくりと泥だらけの顔でこちらを振り向いた。


 その黒髮の男は、なんとなく気弱そうな雰囲気の細身の男性。

 だがそんなことよりも、怪しく光る爬虫類のように割れた黄色い瞳、頭部に立派に生えた黒くとぐろを巻いた一対の角、先端が矢印のようになった艶のある黒色の尻尾...

 そうだね、燃え盛る赤い炎をバックにして、ピッチフォークを持たせ、下卑た笑みを浮かべなくとも悪魔だ。

 今まで出会って来た神は(自分もそうだけど)神らしさを微塵も感じなかったというのにもかかわらず、悪魔はなんと悪魔らしいことか。


 俺は、彼が悪魔だと決めつけ勝手にそんな感想を抱いた。


 そういえば悪魔元帥リナ様が「悪魔を見たら話をせずに殺すのだぞ!フハハハハ!」的なことをおっしゃていたなと思い出す。


 まぁ、どうでもいいか。


「こんな時間に穴掘りですか?」

「げ!?神!?」


 何やら男は俺の顔見るやいなや、眉間にシワを寄せ困ったような表情を見せた。

 男は眉間にシワを寄せたまま全くの機能停止。

 俺は、座り込んだまま動かなくなってしまった男に手を差し出しつつ疑問を口にした。


「えーっと、悪魔だったりします?」


 言った後で気づいてしまったがもしこの男が悪魔でなければ、相当頭のイかれた人物に映ったことだろう。

 だが、その心配も杞憂に終わった。


「だったらなんだ!!バーカ!バカ神!」


 と俺の手を取ることなく男は喚き散らしながら走り去ってしまった。


 話をせずにというか、話が出来ないの間違いじゃないでしょうか。悪魔元帥リナ様…



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その日の夜も俺は、もうすでに3回目の体験となりうんざりとして来た貴族達との食事会に出席していた。

 本当に誕生祭の5日間もこの食事会をするというのだろうか。

 全く持って血税と時間の無駄じゃないだろうか?

 なんて、ことを考えている間にも、餌を撒いた時の鳩のように貴族達が続々と駆け寄って来た。


 あぁ、今日もまた始まってしまうのか...


「いやぁ、噂通りの美しさだ」

「いやぁ。そんなことないですよ〜」


 俺は、冒険者ギルドで紹介された仕事をこなす時と同じように頬にエクボができるほどのニッコリ営業スマイルを浮かべると同時に頭上に疑問符も浮かべた。


 ん?

 噂???


「流石は白銀の一族の姫君なだけは有りますね」

「いや〜そんなことはない...ですよ...」


 白銀の一族!?


「なんでも、幾千もの魔法を体得しているとも聞いております」

「え?」

「それで、一度国を救われたらしいではないですか」

「え?」

「いや〜、さすがでございます」


目の前にいる貴族のおっさんは手放しにそう賛美を送ってくれさらには周りにいた貴族までもが拍手をするがそんな逸話を話した覚えは全くもってなかった。


「えーっと...だれから聞いたんですか?...」

「あぁ!ご友人のリリーナ様がそうおっしゃってましたよ?」

「あいつかッーー!!!」

「え?」


 こうして今日も俺とリナの全く偽りの噂話はますます悪化する一途を辿るのだった。

感想くださいー!!!

もうそれしかいえません!!

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