悲哀の生誕祭、1日目 その2
頑張ってしばらく毎日投稿するぞ!!と意気込んで見てますけど難しいです...
まだお天道様も高いというのに始まってしまった貴族たちの晩餐会。
途中休憩も挟まるとの話だったけども、これを5日もやるとなれば今から先が思いやられそうだと嘆いた。
と言うのも、俺がアリスに変装していた時と違い今は、中身はあれでも見た目だけの美少女3人組がいたからだ。
美少女の効果恐ろしたるや、コンビニの外灯に集まる羽虫が如く人がたかるたかる。
まず、髪と同じ色のドレスを着たリナがその燃えるような紅さゆえに客引きパンダとなり目を引き、次にその身を愛らしく着飾ったミアとアリスという大物貴族、王族、の娘 ー まさにカモが100カラットダイアモンドを背負って来たかのような権力的にも見た目的にも美味しい人物を貴族たちは目敏くとらえ足を止める。
最後に集まった人だかりが野次馬をさらに集める悪しきサイクルが見事形成されていた。
駄目だこりゃ。
「リリーナ様どこ国からやってこられたのですか?」
「日本」
「...ニホン?」
リナをみればケーキを両手もち口をリスのようにしながら適当なこと受け答えをし相手があっけにとられ会話はあまり続いていないようだった。
どうやら甘いものにしか目がいってないようだ。
俺もこいつ見習って適当に答えとくのが吉かな?
というか、こいつの偽名も安直だなぁ...
「アリス様この度はおめでとうございます。ますますお綺麗になられておりますね」
「うん。」
「この度の神言の儀、成功をお祈りししております」
「うん。」
「...えーと...」
「うん。」
アリスは、いつものうざったいほどの明るさはどこにやったのか俯いて頷くばかり。
絶賛、猫かぶりモード真っ最中。
「お久しぶりです。ミア様。前の誕生祭以来ですね」
「おう、そうじゃな」
「えーと..そのミア様は、変わりなくお若いですね」
「む!1cmは伸びたわ!!」
ミアは...うん、いつも通り。
「リーン様、お初にお目にかかります」
俺に一人の若い男が話しかけて来た。
「こんにちは」
にっこり営業スマイルを浮かべた。
笑顔は世渡り上手の元。
と言うことを、全くもって夢のない冒険者の仕事にで嫌という程学んだのだ。
「リーン様は、どこかのお姫様でいらっしゃるのでしょうか?」
「えーと、そうですね」
どこかにいるだろう、リーン様とやらは多分どこかでお姫様でもやってるんじゃないでしょうか。
そんな半ば投げやりな気持ちで返答をしてしまった。
「ほぉ!やはり!私にはオーラが違って見えましたよ!」
男はそう興奮気味に言うが、本当に見えたのだとしたら節穴だよ?
「リーン様は、普段どこに住まわれているのですか?」
さて、今俺の中で作り出されているリーン様と呼ばれる人物は一体どこに住んでおられるのでしょう。
「極東といったところじゃないですかね」
口から出まかせを言う。
どうせ、誕生祭の5日間しか存在しない人物なんだ大雑把に考えても大丈夫だろう。
「極東?。と言われると、まさか黄金都市ジェシルですか!?」
貴族は自分で言ったにもかかわらず大げさに驚いて見せた。
黄金都市???
貴族のこの反応、果たして安易に答えてしまっていいのだろうか。
しかし、違うといえば、「ではどこ住みなのですか?」という質問が飛んでくるのは目に見えていた。
もう少し、この世界の国のことについて調べておけばよかった。
「ふむ。なるほど。そう言うことですか」
俺はどう言ったものか悩んでいる間に貴族の男は一人ウンウンと頷き何かを納得した様子で頷いた。
...一体何がなるほどなんでしょうか。
そんな一抹の不安の残る話を半額シールの貼られた弁当を求める主婦のように次々と現れる貴族達と延々と話続け、暗殺者がこなかったにもかかわらず過剰な疲労感を覚えながら初日の誕生祭を乗り切ったのだった。
しかし、その日の内に貴族の間では、話に尾がつきひれがつき泳ぎだし、リナと俺は、神の国の使者やら、幻の一族の姫君なんではと噂されている事には全く気づくことはなかった。
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「リン。悪魔って知ってるかしら?」
唐突リナが夜も更けた帰りしなそんな突拍子もない話を切り出した。
詳しくはしなくとも話くらいには悪魔がどんなのかくらい知っている。
浅い知識でいうならば人を騙すだとか、人に取り付くだとかそういった悪い神話上の存在というくらいには認知している。
まぁ、つまりは。
「あぁ、知ってるよ。今目の前にいるからな」
肘で脇腹を小突かれた。
「悪魔なんかと一緒にしないでくれるかしら?」
リナはむすっとした顔を浮かべていた。
「もし見かけたら、話も聞かず情け容赦なくぶちのめしなさいよ」
リナにしては意外にも物騒な物言いだった。
「なんだよ、まるで悪魔がいるみたいな話ぶりだな」
「いるわよ」
リナはきっぱりと答えた。
だろうな。
俺は特に驚きはしなかった。
いてもおかしくはないと思っていたからだ。
俺は今までに、遠目ではあるものの魔物を数体か目撃し、さらには自称神とのたまう女神様にだって会って来たのだ。
悪魔の一匹や二匹いてもおかしくはないだろう。
だから、俺は驚かなかった。
変に未知との遭遇に慣れてしまっていたのだ。
「そうかい」
俺は特段興味も湧かず適当に答えたところで部屋へと着いてしまった。
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だから!
プリーズ ミー カンソウ!!!




