銀髪でヘアバンドな、女の子
もう11月!?
私だけ1日12時間なんじゃ無いかって思ってしまうほど日が経つのが早いですね。
人通りの少ない木陰に入りドロシーのありがたーい説法じみた、訳の分からない擬似科学を論理立てて説明されていた。
自分で教えてくれと言ったものの頭のCUPはオーバーヒート寸前にまで追いやられていた。
ラジオニクス?
ルセインコ主義??
サッパリ分からん。
魔法ってもっと才覚がどうとか、魔力が体を駆け巡る!とかそう言った非科学的で感覚感情優先の論理や理論から縁もゆかりもないものばかりだと。
生体エネルギーの伝播や獲得形質の遺伝だとかいきなり言われて「ハイそうですか」と納得出来る人は果たして何人いるのやら。
そう思い、同じく隣で呪文を聞いていたミアを見た。
「Zzz…Zzz…」
気持ちよさそうにスヤスヤと寝ていましたよ。
かわいいなぁ。
ちなみにリナは早々に「飽きた」とか言ったので少々の路銀を袋から出すと「じゃ!また城で!」といい路銀をふんだくってどこかに走り去ってしまった。
…。
「と言う訳なんですよ!わかりました?邪神様?」
どうやら話の区切りがついたようだった。
「え?あー…んー、なんとなく」
玉虫色の返答でお茶を濁した。
「さすがは!邪神様!じゃ次は、禁忌の魔法と」
「ストップ!ストップ!!、今日はもうやめにしよう」
これ以上はまずい。
俺まで睡眠魔法にかかってしまう。
「ほら、もう日も暮れてきたし!」
沈みかけていた太陽を指差した。
「そうですか?じゃ今日はこの辺りで!私は失礼しますねー。また今度ー」
そう言ってドロシーは、またローブの裾をつまんで貴族然としたお辞儀をして、一人何処かへそそくさと駆け出した。
…なんともあっさりと行ってしまった。
ん?また今度?
まっ、いっか。
とりあえずリナを探しに城に行こう。
「ほら、ミア行くよ?」
すっかり寝てしまっているミアを起こそうとプニプニのほっぺをつついてみる。
「まだ眠いぃ…」
んー…起きる気配がない。
仕方ない。
ミアをおんぶして城へと向かうことにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ロリコン」
「違う」
ミアをおんぶして城へと向かうと既にリナがいた。
一体どこから仕入れたのか浴衣を着て左手に綿あめを右手にりんご飴。
…そして何故か、ド派手な羽のついた仮面をつけていた。
「一様聞くけど何その格好」
「何言ってんの?祭りよ?」
一体どこの舞踏会だ。
「心配しないでもほら、あんたの分もちゃんと買ってあるわよ」
そう言ってリナは俺がミアをおんぶして両手が使えないことをいいことに、俺の顔にも仮面をかぶせた。
ご丁寧にもヒゲ付きの鼻眼鏡の仮面を。
「アーハッハッ!やっぱり似合うわね!」
バカ笑いしているリナはほっておきチラチラと怪しげに見ていた門番へと近づき、ぐっすりと背中で寝てしまっていたミアを軽く揺り起した。
「ミアちょっとおきて、このままじゃ不審人物で職質受けかけないから」
ミアは大きなあくびをしだるそうな仕草で服の中に隠してあったペンダントを門番に見せまたすぐに夢の中へと旅立った。
「失礼しました!どうぞお通り下さい!」
さっきまで訝しげに見ていた門番が態度が一変しキチッと足を揃え綺麗な敬礼をした。
…これが権力ってやつか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
通り過ぎる人通り過ぎる人に不審そうに見られながらも外にいた兵士よりも質のいい服を着た騎士に連れられ、ある部屋の前へと案内された。
「えー、ゴホン。」
騎士はわざとらしい咳をして眉間に皺を寄せた。
「わたしはちょっと王と話すことがある。そのため遅くなる。今日は部屋で先に休んでくれ。あ、あと部屋は祭りの間好きに使ってくれて構わないと言ってくれ」とマッティア様より伝言を授かっております」
と騎士はマッティアさんの渋い声真似しながら話した。
キメ顔しても似てないからね。
怒られても知らないよ?
「それでは道化師の皆さん、ごゆっくり」
騎士は後ろを振り返り着た道を帰って行った。
…ピエロじゃ無いんだけども。
そんな事を思いながらドアノブを捻り埃1つないドアを押し開けた。
「…」
奥の大きく開いた窓から夕日がさし茜色に染まったその部屋には、ソファーにテーブル、そして本棚とテレビが無いにしても数日過ごすには充分な家具に3つのベットが備わっていた。
それにオマケをつけて。
「誰?」
「さぁ?」
3つの内の真ん中のベットに小さな人影があった。
見た目年齢はミアと同じくらい。
ピンクの大きなヘアバンドを頭につけ、夕日を反射しキラキラと光る銀の髪。
とても一介の町娘には見えない。
取り敢えずと、起きる気配のないミアを夕日の差さない一番手前のベットへとそっと寝かした。
「さてどうしたものか」
「そうね、祭りは夜が本番よ。それまで各自休憩で」
そう言って最後の1つのベットに飛び込もうとするリナの首根っこを掴んだ。
「待て。どさくさに紛れてベット確保しようとしてるんだ?」
「何よ。良いじゃない。あんたいつもソファーで寝てるじゃない。慣れっこでしょ?」
リナはジト目でこっちを見た。
慣れてはいるけども、それはお互い様だろうと言いたい。
「と言うよりも、この子どうするんだよ」
銀髪の子を指差した。
「大丈夫よ。こんな所にいるってことは城の者でしょうし。それなら起きるまで寝かせてあげるのが優しさってものよ」
リナがそんな理論を展開した。
確かに、そう言われればそんな気もしてくる。
「あ、でも、」
リナが思い出したように呟いた。
「ロリコンと同じ部屋ってのはまずいか」
「…だ!か!ら!ロリコンじゃ無いわ!!」
しかし、結局ジャンケンに負けソファーで寝ることに…
最近絵を描くのが楽しくてずっと描いてます。
モチベーションが高くても、スランプなんですがねー
 




