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王都まで、2日

夏だ!休みだ!!海水浴だ!!!

友達と海に出かけたり。気になるあの子とお祭りに出かけたり。

始まった時には長く感じる休みも終わりに近づくにつれ短すぎると思うようになる。

そんな、イベント豊富な素敵な季節が!そう夏!!

しかし、今年も私はクーラーの効いた部屋でダラダラと過ごします。

 プルーは大鎌を一振りした。

 すると、大鎌は元の無骨な鎌へと戻っていた。

 プルーはくるりとこちらを振り向き、黒のローブを風にたなびかせて、鎌を月明かりに照らしながら腰に手を当てポーズをとった。


「死神プルー、見事迷える人を...神を救済しました!」


 掛け声と共にニッコリと微笑みウィンクをした。

 しかし、そんなことよりも気になることがありちらりとプルーにうつ伏せで寝転んでいる少年を見る。


「...死んだのか?」


 先ほど鎌でバッサリと切られてから少年はピクリとも動いていなかった。


「...私は死神。死神の仕事は魂をもらうことです」


 プルーは遠い目をしてそう呟き、そっと大鎌をやさしく撫でる。


「私の権能『死神の武器』は手に持つ物を死神の武器に変える権能」


 プルーは大鎌を大きく振り上げ、風を切り何もない場所に振り下ろす。


「死神の武器は無機物の魂と人のあるモノを刈り取ります。そのあるモノとは...」


 プルーは、一歩前に歩き一息ついてからもったいぶった様子で答えを焦らす。


 ゴクリと唾を飲み込んむ。


 十分すぎる間を置いてから、プルーはスッと人差し指を一本ピンと立て答えた。


()()()()です」


「...え?」


 予想していた答えとあまりに違いすぎてつい声が出た。


「だから、あの少年のストレスを解消しただけで、殺していませんよ。死神の力のはずなのにストレスしか奪えないなんてなんて使えないんですかね」


 プルーは力なく肩を落とした。


 なんて拍子抜けな権能...

 しかし、ではなぜ少年はピクリともしないのだろうか。


「でも、あいつは全然動いてないけど...」

「ああ、それはですね。副作用で少しの間気絶するんですよ。それだけは使えるかなって思いますけどね。あ!ついでに肩こり腰痛にも効果抜群ですよ?リンさんも一切られかがです?」


 大鎌は月明かりを反射しギラリと光った。


「い、いや遠慮しときます...」

「そうですか、残念です」


 残念って何が!?


 その後プルーは突然大鎌を空高くへ投げた。

 鎌は勢い良く円を描き回った。それと同時に鎌が回る度みるみると小さくなってゆく。

 プルーの手に戻る頃にはキーホルーダほどの大きさになっていた。

 プルーはポッケとから紐を取り出し小さくなった鎌を落ちないように紐にくくりつけネックレスのように首に下げた。


 便利なアイテム...


「さて!問題も片付いて腹も空きましたし、夜食べに行きましょうよ!リンさんの奢りで!」


 プルーは特に汚れていないローブをはたき土を払う動作をする。


「まぁ、助けてもらったしそれくらいは任せとけ!あ、でも寿司とか高いのはダメだぞ?」

「スーシ?ってなんですか?それ食べたいです!」

「いやダメだって...というかこの世界にあるのかな?」


 俺は寿司がこの世界にあるのか疑問に思いつつプルーと二人夜の街へと溶けていった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 こんな時間に空いている店なんて少ないかと思っていたけど街の大通りは昼間ほどではないがチラチラと光の灯っている店があった。

 そんな店の中で俺とプルーは、焼き鳥風の食べ物が売っている店へと入っていた。


「あ、それ持ってきちゃったんですね」


 プルーは串を一本美味しそうにほうばりながら俺が持っていたナイフを指差し言った。


「あっ」


 思わず声が出た。

 そういえばあの少年に返すのを忘れてた。


「まぁ、いいんじゃないですかもらっておけば?あの少年は高い授業料を払ったということで」


 プルーはナイフにはあまり関心なく目の前に出されている串にしか興味がないようだった。


「あ!そうそう、ナイフで思い出しましたけど、リンさんって意外と強いですね!びっくりしましたよ!」


「...強い?...」

「ええ!本当に生まれたばかりですか?あのナイフさばきはしびれましたよ!スキルでも使ってたんですか?圧倒してましたもんね!ただ、持久力がないのが欠点ですね〜」


 プルーは拳を握り締め興奮した様子で語った。


「...スキル...その話すごく気になるんだけど、もっと気になること聞いていい?」

「なんですか?」


 プルーは首を傾げ不思議そうな顔を見せた。


「いつから見てた?」

「あ...」


 プルーはビクリと肩を揺らした。


「えーっと...あの…最初から…」


 えーと...最初から?

 それなら


「なんでもっと早く助けに来てくれないんだよ!!」

「だって!正義のヒーローは遅れて登場するじゃないですか!その方がカッコいいですし!!」


 あぁ、全く...

 神にまともな奴はいないのか!!



 ーーーーーーー 数ヶ月後 ーーーーーー



 個人的思い出に残る事件ランキングで第2位を足蹴にして堂々の1位を獲得した個人的大事件は世間ではあまり注目されることはなく街を歩いていても噂話すら聞くことはなかった。


 しかし、個人的な影響はかなり大きなものがあった。

 それは、楽な仕事が失われたこと!

 店が襲われてから2日後に店の前に出向いたが不思議なことにそこには何もなかった。

 ただ広い空き地が広がるのみ。

 不思議ではあったがそんな事よりも真っ先に思い浮かんだのはあの客の来ない店で1日だらっと過ごせばよかった楽な仕事を失ってしまったという事。

 それ以来ずっと日がな一日あくせくと飲食店のウェイターやら露店の客引きやら様々な接客業をギルドを仲介して受けたおかげで今ではもうギルドカードのランクもB()()()()

 もはや、プロの冒険者(アルバイト)と言っても過言ではないのかと思えてしまう。


 しかし、そんな先の見えないの日々の中俺はある一石を投じる希望(しごと)を見つけた。


「よし!王都に行くぞ!!!」


 そう、ついに冒険者らしい仕事を見つけたのである。


「あんた突然何言い出すの?」


 リナが冷めた目で俺を見つめた。


「...あ!、久しぶり!」

「久しぶりじゃないわよ!!」


 こいつずっとギルドから頼まれる書類仕事をしてたから影薄いんだよなぁ...

夏は人を大胆にするという。

だからなのか、ちょっと街に出るとこの暑い中楽しそうにガヤガヤと騒いでる人たちをよくみる。

どうやら夏の間、道ゆく人たちいつもよりもおしゃべりになっているようだ。

なるほど、これが夏の力というものか。

しかし、ではなぜ私の携帯だけは無口のままなのだろうか...


次回予告風の物を書くの楽しいですね。

次回からもうちょっとちゃんとした次回予告書いて見てもよかったり...

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面白くなかったら...感想ください!!

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