闇の取引、日給2万円
お久しぶりです。
今回から戦闘回が始まったり始まりそうで終わったり…
13話目でやっと初戦闘とは異世界小説としてはどうなんですかね…
感想お待ちしておりますー!
俺はプルーに教えてもらった帰り道を一人歩いていた。
あたりは街灯もないため、頼りになる灯りは月の明かりだけ。
本来ならすぐ先も見えないほど薄暗い。
しかし、この体は夜目が効くのか、そんな闇の中も難なく歩くことができた。
「お嬢さんお嬢さん、ちょいと割のいい仕事の話聞いていきませんか?」
帽子をかぶった初老のおじいさんが話しかけてきた。
なんだ?いきなり話しかけてきて、酔っ払いか?
「急いでるんです。また今度」
「日給1万アリス」
ピクッ
「…話だけでも聞きましょうか」
「いやいや、そうきませんと」
ニヤリと男は笑みを顔に浮かべた。
「私は、料理屋をやってまして。それの受付でお客様を案内して欲しいだけなんですよ。貴方の様な美しい人に案内をしてもらえたら私のお店の売り上げはうなぎのぼりですからね。」
飲食店のバイトが、日給5000アリス…
それの約二倍。
しかし、冒険者の仕事もしたい。
夢を取るかお金を取るか…
いや、夢ある世界で夢を追わないと言うのはどうなのか。
人生において大切なのは金ではなくやはり夢。
男子たるもの夢を追わなくてどうする。
「お悩みのご様子、なら日給2万アリスでどうで」
「やります!」
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「あー、暇だなぁ」
すでに(Mと呼べと言われた)おじいさんから仕事を紹介して貰って早数週間が過ぎた。
今日も仕事場の人気の少ない所にある大きめの建物の中で退屈していた。
紹介された仕事は本当に簡単。
人が来たら奥の部屋へと案内をするだけ。
…本当にそれだけ。
1日の流れは大体、備え付けられた机と椅子に座り人が来るまでだらっとしてお客様が来れば、笑顔で挨拶をして
次に、名前を聞きご予約されたお客様かどうかの確認。
ご予約のお客様なら右の部屋に、そうでなければ左の部屋へと案内をする。
客なんてほとんど来ないから実質1日のダラっとしてるだけでお金がもらえる。
前にMさんにそんなに客が来なくて大丈夫かと尋ねると『私の店は一見さんお断りの料理店で一人当たりの単価が高いので大丈夫ですよ。』と言われた。
一見さんお断りの料理店。
何ともカッコいい店。ぜひその料理を食べてみたい。
今度相談してみよう。
「しっかし、暇だなぁー」
いつもの事ながら隠れた場所にあるからか人があまり来る事がなかった。
「そういえば、あいつちゃんとやってるんだろうか」
前にリナが、ギルドの計算の仕事をする方が良いと言ったため、俺は外で働き、リナはギルドで働くと言ったように仕事を分かれてしていた。
あいつ意外と人見知りか?...いやないな。
カランカラン。
客が来ず退屈しているところに、部屋の入り口の扉にある小さな鐘が乾いた音色を出した。
つまりは、ほとんど来ることのない客が来たという事。
「いらっしゃいませー」
たまにしか来ないお客様に元気よく笑顔で挨拶をした。
金髪碧眼の超イケメン。
まだ、16歳くらいと言った風。
だが、それが爽やか少年と言った様子を演出し、さらにイケメンに見える。
普通ならこんな絵に描いたイケメン、見たら即爆破ものだがここに来る予約のある客が余りにも美男美女が多いため慣れてしまった。
貴族たちが顧客なのか?
「ご予約のお客様ですか?お名前伺ってもよろしいですかー?」
机の下にある名前の書かれた紙を引っ張り出した。
少年は一歩こちらに歩を進めた。
ゾクッ
まるで全身を貫くような強烈な悪寒がした。
俺はその感覚に半ば強制的に従い椅子から転ぶように横に飛ぶ。
ドン!
「う、嘘ぉ...」
元々座って居た時の胸ほどの高さの位置の壁に細剣が刺さって居た。
「チッ!、今のを避けるか!」
「な!何するんですか!!!??」
俺は初めて出会った狂人に絶叫を上げた。
「お前、その動き、ゴーストの幹部か!」
少年は、問いに問いを返しながら壁から剣を引き抜いた。
「ゴースト!???」
「惚けなくともここがお前たちのアジトだという事はすでに分かっている。大人しくすれば殺しはしない」
すでに、剣を抜き正面からこちらを睨んで居いる。
いやいや!絶対殺しにかかってたでしょ!?
「いや!なに勘違いしてるか知らないですけどここは飲食店で俺はアルバイトなんですよ!わかります!?」
「面白い冗談だ」
より一層睨みが強くなった。
あー…やばい…
話を聞いてくれない…
ギフトの魔法は人には効果がない、だから狼の時のようにギフトを使って逃げると言ったことはできない。
ジリジリと狂人は距離を詰めてくる。
やばいやばいやばい!
これ詰んでないか!?
ここで何か不思議な秘められたすごい力に目覚める的展開はないんですか?!
「覚悟!!」
ドスッ。
冷たい地面、熱い血の味。
ドクドクといつもよりも心臓の音が大きく聞こえる。
「い、痛ってぇ…でも、生きてる!」
「くそっ!」
2度目の奇跡。
考えるよりも先に体が動き剣を紙一重の差で躱した。
剣が深々と刺さったのか壁から剣を抜くのに手間取っていた。
俺はこの隙を逃してたまるかと俺はわき目もふらず裏口へと逃げ出した。
「あ!待て!逃げるのか!?卑怯者!」
「当たり前だ!!バーカ!!」
俺は大きな息を吸って呼吸を整えた。
「者共出会え!出会え!曲者だ!!切り捨てろ!!」
今回の後書きは少し真剣に。
今回投稿が遅れてしまいすいませんでした。
思ったよりも私生活が忙しくなり2日に一本と言うペースはかなり厳しい状態です。
7月の後半くらいから徐々にマシになって行くと思うのでそれまで投稿が遅くなるとは思いますがどうか見捨てないでください!
え?ならシャドーバースやめろ?
それはちょっと…
 




