負けられない戦いと仲間
「さてと・・・・・ウォルタの話だとこの辺のはずだけど・・・・・」
ウォルタとソルに元魔王を任せてから道をまっすぐ進んだ俺たちは円形の広場に出ていた
そこには空っぽの玉座しかなく、人の気配は・・・あっ、普通にあるわ
「ようやく見つけたぞ・・・世界に害を成す裏切り者め」
玉座の影から委員長が顔を出す
なんかすごいこと言ってるな
「剛君!どうしてこんなことを!!」
小鳥の声に委員長が小鳥の方を向く
「大丈夫だよ小鳥、大方佐藤に弱味を握られて無理矢理戦わせられているんだろ?だから俺とのパーティーも解散した。今から俺がこのくそ雑魚を殺して全部あるべき形に戻すから。そしたらまた一緒に冒険をしよう」
は?チョットナニイッテルカワカラナイ
「どういうことだ!?キラを殺す?頭おかしくなっちまったのか!?剛!」
「理名、君もか。だって佐藤は最初にパーティーに入れてやった恩すらも忘れて君たちを脅迫するような・・・いわば害悪だ。ここでどうにかしとかないと後が怖い」
滅茶苦茶言ってるな・・・・・
パーティーに入れてくれたのは事実かもしれないけど俺のレベルが最大2だとわかった瞬間に追い出したくせに
「キラ・・・あの人何いってるの?」
「んにゅー、タマ全然わからないのー」
うん、ニーナとタマもわからないよね
俺もわからん
「キラ君が世界の害悪だと言うのならあなたは一体何なの?世界の人々を洗脳して、他の人を襲わせて!あなたの方がよっぽど害悪じゃない!」
一度洗脳されていた菜々子は他の人よりも怒りが大きいようだ
普段は絶対に見せないような剣幕で怒っている
「世界は俺の意思の下に統一されるべきなんだよ。それを成してこそ平和になる・・・・・あれ?そう言えば菜々子は俺の意思を理解してくれたはずなのにどうしてそっちにいるんだい?そこのお兄さんも確か菜々子のお陰で俺の意思を理解してくれたはずだけど・・・・・」
うわぁ・・・・・何?この暴論
確かこんな展開どっかで読んだことがあるぞ?
すっげぇ、ご都合主義解釈のやつ
ってか洗脳を意思の理解とか・・・・・
どんだけ正当化しようともやってることはただの独裁じゃないか!
「ほら、クラスの皆もそう思ってくれてるみたいだよ」
委員長が指を鳴らすと玉座の後ろから人影が出てくる
「ウラギリモノ・・・・」
「ハンザイシャノサトウ二ハシヲ・・・・・」
「シンデシマエ・・・・・」
「サトウ・・・・コロス・・・・」
「イインチョーニサカラウモノニハシヲ・・・」
「・・・・・っ!!」
委員長が敵だと思っていた日からいつか委員長から何かを言われることは覚悟していた
だからこそさっきまでの委員長の口撃とでも言うものには大きく動じたりすることはなかった
しかしこれは・・・・・・
そこまで仲が良かったというわけでもないが、この世界では数少ない同郷の人間にゴミを見るような目で見られ、死ねなどと言われるのは流石に応えた
今まで数多くの戦闘をこなし、戦闘に関してはそれなりにメンタルは強くなったが、精神的な攻撃には強くないのだ
思わず俯いて涙が出そうになるが、そんな俺の手に温かい何かが触れる
「大丈夫だよ。私は絶対にキラ君の味方だから。だから今はやるべきことをやろう」
「キラ!私たちはいつでも一緒だよ!」
「お兄ちゃん元気だすのー」
小鳥とニーナとタマが俺の手を握っていたのだ
俺が傷ついていることに気づいて励ましてくれたらしい
「ありがとう」
そう一言だけ呟いて俺は再び委員長と向き合う
今、俺たちの負けられない戦いが始まった




